Memoria:59 飾りない心を聞かせて
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「何で泣くの?泣かないで、ラティア」
「どうしたんだ、ソフィ」
「アスベル……ラティアが泣いちゃったの。どうしよう……」
「ああ……ソフィの言葉が嬉しくて泣いてるんだよ、ラティアは」
「そうなの?」
「はい……っ。ソフィに嫌われてなくてよかったって…」
ラティアは泣き虫だな、とガルディアシャフト上層部で男泣きしたアスベルと同じ様にソフィに頭を撫でられるラティアを見て、アスベルは微笑ましそうに見ていた
この先、全てに決着をつけなければ引き返す事が許されない道をラティア達は進んでいく、今の彼らは核を止めるという使命よりもフォドラに意志を伝える事に重きを置いていた
星の最深部には色鮮やかにたゆたう水面が眩しい程に目上に広がり、水面上にはフォドラへありとあらゆる生命を育む星の核の光が覗く
「これがフォドラの核」
「エフィネアのものよりもはるかに大きい……」
「ここからあらゆる生命が生まれている、んですね」
「みんな、気をつけて」
表情を強張らせ、ソフィが構えるのと合わせ、星の核から今までとは比べものにならない程の数を率いてリトルクイーンがラティア達を出迎える
フォドラへ近付く道中で現れた彼女達がここで現れない筈もない、否ここだからこそ現れなくてはならないのだ、フォドラの守護者であるが故に
「……はっ」
『フォドラの子よ』
人海戦術よろしく数で圧倒してくるリトルクイーン達からの呼び掛けにソフィは目を見張る
『おいでなさい』
フォドラへの侵入者として現れたにも関わらず、彼女達は相も変わらずソフィを自分達の元へ誘おうと一斉に手を差し伸べる
『共に安寧たる命を、育むのです
わたしが、わたしたちがあなたになってあげる』
その苦しみに苛まれる心を自分達にする事で癒しを、永遠を与えると言う語りかけは以前と変わらない
以前までのソフィなら、永遠を生きる事に畏怖していた彼女ならその語りかけに揺れていただろう、けれどそれはもう過去の事
明確な自分の立ち位置、居場所を得て、未来への不安を消化したソフィにはそれはもう通じない、リトルクイーンになれば、未来を見守る事が出来なくなってしまうのだから
「わたしはあなたじゃない、ソフィ・ラントだよ」
自分の名前はあなたでも、ましてやフォドラの子でもないと一歩歩み寄り名乗るソフィの言葉にリトルクイーン達は面を喰らう
『ソ……フィ……?』
「アスベルがくれた名前、とても大切なわたしの名前」
自分の家族であるアスベルとラティアに見守られ、名乗るソフィは自分の名前に大きな誇りを持っている様子を見せる
人の名を得たソフィを見るリトルクイーン達の瞳からは見る見る内に慈悲がなくなり、人を見る憎悪の片鱗が宿り始めた
『ヒトに落ちたか、フォドラの子。ヒトに落ちたフォドラの子』
多くの彼女達は一体の自分へと光を纏い収束する
フォドラの子だからこそ、意味があったソフィの存在を彼女達はもう二度と省みる事はない
『ヒトと共に滅びるがよい!!』
「うわああっ!」
群れを成していたリトルクイーン達が重なり合い、一つの物質になる構築の上で発生する衝撃波がラティア達を荒波の様に襲う
全ての手順を踏み、現れたのはフォドラの自然を体現したかの様に豊かに波打つ長い緑髪が風に揺れる草を彷彿させる、白いドレスを着た女性が降臨する
何が起きても良い様に、臨機応変に行動出来る様にとラティア達は一つに集結する、けれどそれを一蹴するかの様に女性の攻撃は型破りなものを取った
「ヒトよ、全ての命に対して死を持って詫びるのです」
「ぐわああ!」
女性の額から浴びせられる光、それから流れ込む膨大な記憶、星からの語りかけに人であるラティア達はその場に膝をついた
「星は全ての命をひとつに調和させる事でその命を守ってきました」
「なんだ、これは!?」
「頭の中に、直接……」
「言葉が流れてくるっ」
「これが、フォドラの意志……?!」
「なのにヒトはその恩恵を忘れ、己が支配者のごとく振る舞い、命の輪を乱した」
女性の言葉が強みを増すに連れ、光も強まり、ラティア達の脳内へ直接語りかける言葉の棘は鋭さを増していく
「頭が割れそうだ……」
「くっ、みんな大丈夫か!?」
「大丈夫じゃな~い!!」
「その罪は計り知れない、もはや滅びをもってしか償えないのです」
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