Memoria:58 人に反逆せしニルバーナ
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「アスベルは……大丈夫でしょうか……」
「ラティア……」
先程のリトルクイーン戦後に見せたアスベルの異変、彼は大丈夫だと言ったもののこの後に待つフォドラの核での役割の前にそんな姿を見ると何か良くない事が起こる前触れなのではないかと危惧してしまう
それこそ、フォドラの原素を取り込んだ彼が…何て最悪な事態を思い起こし、隠し切れない不安を呟くラティアの心境を察したシェリアも彼女を心配する
「アスベルのこと、心配?」
「信じると決めて来たのに、だめですね……私。
いざアスベルが苦しんでいる所を見ると不安になってしまうんです、約束……してくれたのに」
「約束?」
「!え、えっとその……っ」
はっと殆ど無意識に呟いていた言葉にわたわたとラティアは途端に慌て出す、どうやら不安の連鎖は途切れた様だ
特に恋愛事には察しがいいシェリアが彼女のそんな様子、そして約束という単語で二人の間に生じた変化に気付かないわけもなく
「その話は進みながら、ゆっくり聞かないとね」
「うぅ……でもごめんね、ソフィ。私がこんな顔したら、あなたにも不安が乗り移っちゃうのに」
「だいじょうぶ。アスベルはいつもちゃんと約束を守ってくれるよ」
「じゃあ、あたしとも約束しよう!」
今、正に思いつきましたという背景が見えるパスカルの発言にきょとりと瞳を瞬かせるラティア
「パスカルと約束……って何を?」
「エフィネアに帰ったら、ポーカーの続きをやる」
びしりという効果音が聞こえて来そうなパスカルの動作、その人差し指はラティアとシェリアに向けられている
しかし彼女のアイデアは用途として知れない…というよりも悉くこちらの意表を衝いてくるものばかりだ
「ポーカー?」
「続き……といいますと、以前にもやられたことが?」
ポーカーという遊びの単語に目を丸くするシェリア、その後に続く接続詞はラティアが拾い上げた
一体誰と遊んでいたというのだろうかと疑問に思うラティアに応えたのは記憶にある楽しい思い出を引っ張り出して来たソフィだ
「このあいだ、アンマルチアの里に行った時、教えてもらってやったんだよ
150回やって、わたしが149回勝ったの」
「ひ、150回もやったのですか」
「ソフィが強い強い。最初の一回以外、全部負けちゃったもん」
ポーカーの遊び方を教えて貰い、嬉しそうなソフィとは打って変わってパスカルはお手上げという様に首を横に振る
何度もこの旅の中で窮地を脱する為の糸口を発見して来た彼女の頭脳を持ってしてもソフィにはその回数勝てない、ソフィの才能は数が示す通りに本物らしい
「ソフィにそんな才能があっただなんて……」
「はぁ~……陛下に呼び出されていたのにそんなことしてたの……?」
どうやらパスカルがマリクとの待ち合わせ場所に現れなかったのもソフィとポーカーで勝負をしていたからだったらしい
一国の王からの協力要請を大胆に蹴った背景の出来事に呆れるシェリア、だがラティアは感謝の意をパスカルへと向けていた
仕事を忠実にこなそうとする自分はソフィを結果として放ってしまった、けれどパスカルは技師としての腕を持ちながらも目の前のソフィと傍にいる事を選んでくれた
そんな彼女の意志の自由さはラティアには眩しく、憧れでもある、それを知ってソフィが彼女を頼ったのも頷けた
「あ、当然、今度はラティアとシェリアもまぜたげるよ?だ・か・ら」
そんなラティアから向けられる強い尊敬の念、呆れるシェリアを知ってか否か、パスカルは笑顔のままで二人へ歩み寄る
「なんとしてもフォドラの核を止めて、戻んなきゃね!エフィネアに」
「……はい!」
「ふっ……ふふふ……いいわよ、約束しましょ」
先程までの不安をその笑顔で払拭され、ラティアは笑顔の主であるパスカルと微笑みながら指切りを交わす
アスベルを心配する余り、自身の精神バランスを崩しつつあったラティアに何も出来なかったというのにパスカルはそれをいとも簡単に変えてしまった
目の前で約束事を誓う二人を見つめ、シェリアはもしかしたらと頭を働かせる
ーパスカルって空気を和ませるためにわざと能天気にふるまってるんじゃないかって時々、思うのよね……
「指きり」
「よーし、ソフィに負けてもラティアやシェリアには絶対に負けないぞ~!」
「わ、私もルールさえ教えていただければ、頑張りますっ」
「お?ラティア、やる気だね~」
「……そんなわけないか……」
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