Memoria:43 二人の世界、足りない色
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「ラティア……」
「!ソフィ」
「…わたし、ラティアとずっと一緒にいたい。そう思うのは……だめなことなの?」
「ううん、だめじゃないよ。ソフィがそう思ってくれて凄く嬉しい」
扉の隙間から覗いて来る不安げなソフィと視線を合わせる為にラティアは体を屈める、独りぼっちになる孤独に苛まれるその瞳はまるで昔の自分を見る様だ
そう、今の少女は昔の自分、少女が抱く不安は誰もが一度は抱くもの、それは普通なんだと、けれど乗り越えて欲しいとラティアは心を込める
「ソフィが抱いてる不安は誰もが考える当たり前のことで、生きるのに大切なことよ」
「大切なこと、なの?」
「うん、私はそう思うわ。その不安をどう未来に繋げるか……
答えは人によって様々だけど、私達にとって納得出来て、受け入れられる答えを出すのもきっと大切なことじゃないかな」
「…………」
「ご飯、一緒に食べましょう?」
「……うん」
どう伝えたらいいか、簡単に伝えようとして難しい言葉を選んでしまった感は否めないが部屋から姿を出してくれたソフィに手を取られ、握り返されたのは彼女に言葉が少し届いたからだと信じたい
翌日、バロニアへ向かう為の準備も終えたアスベルとはソフィを呼びに客室へ迎えに向かっていた
「ソフィ、そろそろ出発しようか」
その言葉に昨夜のラティアの呼び掛けと同じく返答はない、まだ寝ているのかと扉を開くと…室内にソフィの姿はどこにもない
「ソフィ?」
「アスベル?……ソフィは?」
扉を開いたまま、室内で立ち尽くすアスベルの背中に異変を感じ取ったラティアも同じく部屋を覗き込み、ソフィの姿がない事に気付く
「どこだ?ソフィ!」
「だめです、他の部屋にもいないみたいです…」
「一体どこに……」
他の部屋にソフィの姿を探しに回ったラティアも不安げな様子を見せる、一体こんな朝早くにどこに行ってしまったのか全く見当がつかない
バロニアに出立しなければならない時間も刻一刻と近付いている中、焦りも生まれる思考でソフィの行方を探すアスベルにメイドが何気なく答えを示した
「ソフィ様でしたら、先にお出かけになられましたが?」
「え?」
「どこに行くと言っていた?」
「いえ、行き先までは」
「そうです、か……」
もしかしたら、と彼女の言葉で希望が見えかけたがやはりソフィの行方は雲隠れしたままだ、落ち込むラティアとアスベルの前に騒ぎを聞きつけたらしいケリーとフレデリックが現れた
「朝からどうしたのですか?」
「ソフィがいないんです」
「ちゃんと夕べの内に今日王都へ行くと言っておいたのですが……」
「そんなに慌てなくてもきっとどこかのお花畑にでも行っているのでしょう
ソフィは私が探しておきます。だから安心して王都へいってらっしゃい」
「……けど」
「ケリー様のお手を煩わせる訳には……!」
「ラティアとアスベル様はご出発なされた方が。ソフィ様の事は私たちにお任せください」
フレデリックの申し出にアスベルはしかし、と渋ってしまう、ソフィの身辺の世話は自分とラティアが見続けた、その責任をここで投げ出していいのか迷っているのだろう
そしてそれは風花の中で彼からソフィの母親になって欲しい、と告げられたラティアも同じ心持ちの様でこのまま、バロニアには行けないと勢いで言葉を捲し立てる
「どうか私にもソフィを探させてくださいっ、一人でなんて心配で…」
「いけません、陛下の書状にはラティアにも協力をとあったのでしょう?」
「確かにそうですが……」
「お急ぎになりませんと陛下がお待ちですよ」
「……わかった、ソフィの事頼んだぞ」
「はい」
「よろしくお願いします……」
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