Memoria:57 追憶は押し寄せる波の様に
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「集え…!闇よ…!」
先程の術が光だとするのなら、今回のものは闇そのものと言うべきか
球体から放たれる光線に陣形を崩すラティア達へと相手側の輝術が連携として、追い打ちをかけるもので体力が一気に底を見せる者も現れる
「おいおい、シャレにならんぞ…」
「回復、しなきゃ…!」
「ソフィ、回復を手伝ってっ」
「うん、分かった…!光よ、集え…キュア!シェリア!」
「その命に呼び覚ます恩恵…キュア!教官!」
更なる追い打ちがかかる前にとラティアとソフィによる治癒術が腕を鳴らし、大きな損害を受ける恐れは消失
態勢を立て直し、攻勢を衰えさせる必要がないと判断したアスベルを筆頭に魔物への進撃が振る舞われる
「潜身脚!風よ!四葬天幻!」
「紡ぎし詠嘆の助けとならん、スペル・エンハンス!リチャードさん!」
「ああ!震えよ!レストレスソード!刻む!失礼!吼えろ、爆炎のように!」
「よし、次だ!」
「!アスベル、リチャード、危ない!」
「意思に答え具現せよ…!光よ…!」
「ぐあっ!」
「何てことだ…!」
マリクやパスカル、ヒューバート達が意識を反らさせていたリトルクイーンは連れ立った者がいなくなった事でターゲットを二人へ向けた様だ
更に、徐々に狭まって来た彼らとの距離に焦りを感じ始めたのか彼女は詠唱態勢を崩す姿勢を見せない、それ所か追撃を目論んでいる様子を伺わせる
「ヒトよ、消えなさい…!意思に答え具現せよ…!光よ…!」
「おっとー!完全無敵~!…ほぼ」
「させるか!緋炎!レールアロール!リヴグラヴィティ!」
詠唱中のリトルクイーン目掛け、ヒューバートの銃口から火が吹く
妨害により、完遂間近であった輝術構成は分解し、術を待ち受けていたパスカルの発動したそれに向かってくる事はなかった
「研ぎ澄ませ!すべてを破壊する!…たああっ!旋幻舞!砕け散れっ!」
「あまり調子にのるんじゃないぞ? 出でよ氷閃!」
「我が奮うは灰燼の剛腕、具現せよ!ブラドフランム!
キュピーン!行くぜ相棒!れっつらゴー!てってれー♪ドリームストライ…ってどっはーーーーー!!!」
「何をやっているんですか、あなたは…!」
「妖精の癒しをみんなに…フェアリーサークル!」
自分自身も巻き込み、ソフィを模したメカがリトルクイーン諸共に残っていた魔物を薙ぎ払い、リトルクイーンの陣形は彼女を残すのみとなった
シェリアによる神聖術を受け、万全のものとなったこちらを止める事は幾らリトルクイーンの詠唱が早かろうが出来ない筈だ
「リミット解除!おとなしくしなさい!」
「く…!」
「聖なる刻印! フラッシュティア!」
「我が身に風の導きを!天翔舞!天を舞い、地に落ちよ!
更に参ります!生者を抱くは終焉の柩、手向けるは氷結の花!インブレイスエンド!」
「愚かな…っ」
攻撃を受け続けたリトルクイーンの体からはその体を構成する原素が溢れ始め、その表情には今まで見た事のない苦痛と息苦しさが現れていた
前回は10人の分身を用いていたが、今回は1人だった為にダメージがその分大きいのだろう、もしくはラティア達がフォドラに近付いている為に焦りが生じているのか――
「忌々しきヒトに滅びを……与えます」
決して逃がさない、という意味合いにも取れた言葉を息を吐く様に紡いだリトルクイーンは目の前から消え去る
「消えた……」
彼女が撤退する姿を見送っていたアスベルだったが、突如として今まで感じた事のない痛みを左目に感じ、片膝をつく
突然に起こった彼の異変に仲間も驚き、目を見開いていたがラティアは弾かれた様に彼へ一目散に駆け寄る
「大丈夫ですか、アスベル!」
「いや、なんだろう。今何かが見えたような……」
押さえる頭に過った記憶は自分のものではない事がはっきりと分かる、だとすると…
「(ラムダ、何かあったのか!?)」
《これ以上進めば、フォドラの意識が流れてくるやもしれん》
「(フォドラの意識が?)」
《幾百、幾千、幾億の時の記憶を見れば、お前の精神は崩壊する
お前は心を頑なにしておくべきだな》
核に近付いてきた事と併せてリトルクイーンとの接触がフォドラの意識、その長い歴史をアスベルが目の当たりにする切っ掛けとなったのだろう
ラムダからの忠告を胸にアスベルは立ち上がると不安の色を示す仲間へ振り向き、大丈夫だと頷いてみせたのだった
追憶は押し寄せる波の様に
(深く沈む、星の海へと)