Memoria:56 予約済みの未来予想図
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「ラティア」
「どうしたの?ソフィ」
男女別に分けられた宿泊所内で女性陣の使う寝具を整えていたラティアの服の裾が不意にくいくい、と可愛らしい仕草で引っ張られる
そこにいた、その仕草が似合うソフィのどことなく弾んだ声色に何かを察し、作業の手を止め、ラティアは振り返る
「あのね、アスベルとお話をしたの」
「どんなお話をしたの?」
こんなに弾んだ声色で話しかけてくれるソフィを見たのは、今回の件が始まって久方ぶりだな、とラティアの顔にも微笑が浮かぶ
一体、アスベルとの会話はどんな風なものになったのかを聞く為、ソフィを自分の寝る場所へ座らせるとソフィは我慢出来ないとばかりに話を切り出す
「ずっと先の未来までアスベルの想いを届けるって決めたの
それを繋げて出来ていく未来を見守っていくこと……それがわたしにしか出来ない事なんだって分かったんだ」
「ソフィ……」
「ラティア、わたしね、もう怖くないよ
アスベルとラティアがわたしに預けてくれた想いがある限り、わたしはひとりにならないんだって知ったから」
嬉しそうに微笑むソフィの言葉、その中に自分の事が入っていない様な気がして、今までとは逆にラティアは途端に寂しさを抱く
きっとこの子は使命、と認識したからにはそれを成し遂げようと自分を省みなくなってしまう、その未来を抱く様にソフィの頭を自分の胸へ優しく引き寄せた
「ラティア……?」
「アスベルの想いをこの先の未来まで届けてくれるってソフィが決めた事、とても嬉しい
……でも私達の事だけじゃなくて、ソフィ自身の幸せも見出して欲しいな」
「わたしにとっての、しあわせ?」
「私達の為に全ての命や時間を使うんじゃなく、自分自身の為にも命と時間を生きて?
その中でソフィが幸せだと感じられる時が来たら、私たちのことは忘れていいの」
「でも、そうしたら……ラティア達は悲しくないの?」
「少しは……でも私たちの事を忘れられるって事はきっとそれはソフィがその時を充実しているからだと思うから、だったら私はその事を祝福したい
それにね?私の事であなたを縛り付ける方がもっと悲しいもの」
幼いソフィにとっては自分達を忘れろ、という言葉は残酷なものに違いないだろう、現に今もこうして理解できないとばかりに眉を顰めている事だ
けれどいつか自分の言った事が分かってくれる日が来るとラティアは自分を見上げる瞳に優しく微笑みかける
「しあわせ……しあわせってこうしてラティア達と一緒にいて、楽しい・嬉しいって思えること?」
「人それぞれだから、幸せの形は……
だからそれを見出すことも未来に生きるソフィへの、私からの課題なのかもしれない」
「お勉強……」
「ふふ。そんな難しい顔をしたら、可愛い顔が台無しよ?」
眉を曲げるソフィの表情に苦笑しながら、ラティアはその眉間に触れ、間に発生した皺を和らげようと指を動かす
自分が出来る事がこの命の残量の内、どれ程出来るかは分からない、それでもたくさんの事をソフィにする事が出来たら――
「お、何々~?何話してるの?ラティア、ソフィ」
「パスカル」
入り口の方からいつもよりもさっぱりとした様子のパスカルとどこかぐったりした様子のシェリアが入室する
一体どうしたら、これ程までの両極端の状況が出来上がるのか――先ずはシェリアを労る事から始めようとラティアはソフィの頭を一撫でし、立ち上がった
「シェリア、どうかしたのですか?何だか疲れてるみたいですけど……」
「大……丈夫よ……パスカルをお風呂にいれる、のに疲れて……」
「そ、それは……」
この疲労っぷりはそのせいかと、またシェリアの体中から滲む苦労に思わずラティアの表情が引き攣った苦笑を作り上げた
所変わり、男性陣が寝静まる休憩所に似つかわしくない侵入者が立ち入る――ソフィだ
眠る男性陣の中からアスベルを見つけると彼を起こさない様に、這いよるソフィは今は閉じられた左目を瞼の上から触れるとラムダが即座に彼女の存在に気付いた
《プロトス1か》
「(ラムダ。あなたに大事な事を言いに来たの)」
《消すとでも脅しに来たのか、そうするとこの男も一緒に消えるが、わかっているのか?》
「(ううん、逆だよ)」
《どういう事だ》
卑屈さを隠さず、そしてソフィの動向の理由が見抜けない事に訝しむラムダへソフィは微笑みかける
「(わたしはあなたとはもう戦わない。信じてみる事にしたの、あなたを
アスベルはすぐ無茶をするから……アスベルの事、よろしく頼むね、ラムダ)」
《……》
かつての敵であったソフィからの言葉にラムダも思わず絶句する、それでもきっとラムダにソフィの言葉は届いた筈だ
明日は自分が太刀打ち出来ない領分、その間のアスベルの身をラムダに託す事を無事に出来、目的を遂げたソフィはアスベルから離れた
翌日、シャトル格納庫には今までの疲労を無事に消化した仲間達がその旅立ちを待っていた
「よし、全員揃ったな」
「みんな、なんとしてもフォドラの核を止めよう」
予約済みの未来予想図
(こうやって繋がれ、紡いでいく)