Memoria:55 ハナミズキの花を私からあなたに
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「まずは持ってきたデータの解析ですかね?」
「街の中なら再生できる機械があると思うんだ」
異界の花畑から修理が完了したシャトルは無事、テロスアステュへと帰還を許された
そのまま、休息というわけには行かない理由がラティア達の手元にある、それはあの研究所で得たフォドラの核にまつわる情報を開封するということだ
依然としてリトルクイーンと邂逅してからのソフィはちゃんとここにいる筈だというのに、ラティア達と意識を共にしていないかの様にあやふやな雰囲気でいるのにアスベルは気掛かりを取り除けずにいた
「さっき言われた事が気にかかるのか?」
どこか物思いに更けている様にも見えるソフィに訪ねかけるアスベルの言葉にも、彼女は反応を示さない
リトルクイーンはしきりにソフィを自分達の元へ迎え入れようとしていた、そしてその幻惑にソフィが手を伸ばそうとしたのも事実
――彼女が今、ラティア達とリトルクイーンの狭間に揺れている事は間違いではない
「ああ言って誘い出し、攻撃をするつもりなのかもしれません
だまされちゃだめです、ソフィ」
釘を刺す様に心に突き刺さる冷酷な棘、けれどそれは本当にソフィの身と心を案じているからこそ、厳しくなるヒューバートなりの気遣いの在り方だった
頭ではリトルクイーンとある事は間違いだと分かっていながら、揺れる自分にソフィは深く頭を項垂れる、その姿は自分は一体どうしたらいいのか考える内に疲労した様に痛々しく取れた
「データ解析は私たちの方でしておきますから、ソフィは先に休む様にしましょうか」
「そうね。ラティアが言う通り、それがいいわ。ソフィ」
ソフィの精神的疲労を深刻に取るラティアとシェリアの言葉にこのままではいけない、と漸く彼女は反応を示した
「ううん、今は大丈夫」
「ソフィ……」
「無理はしていない?」
「うん、してないよ」
まるで自身の内面に触れられる事を良しとせず、壁を作るソフィにかける言葉を失うシェリアとは逆にラティアはその瞳からその心を見据えようと試みる
初めて出会った頃よりも感情が宿った瞳、丸々とこちらを見る瞳には微かな疲労が隠されずに伺え、ソフィの言葉が嘘である様でラティアは憂う様に瞳を伏せた
――自分ではソフィに不安を打ち明けてもらえず、共に悩む事も出来ないのかと
「わかった。でも何かあったら、すぐに言うんだぞ」
データ再生が出来るとしたら、かつて眠っていたエメロードを発見した地下の部屋だと言うパスカルの指示に従うがまま、ラティア達は不安要素を共にして地下へと向かう
早速、室内の機材がまだ稼働出来る事を知ったパスカルがデータ解析までの手順を組み始める、その後ろではやはりぼんやりと心あらずなソフィと彼女に声をかけるラティアが
いくつかの言葉がラティアの声としてソフィへとかけられるも、それが届かない程にソフィの心はリトルクイーンに蝕まれて反応はない、そんな二人の様子を見ていたアスベルは今はそっとしておくしかない、と判断を下す
アスベルの判断から自分に出来る事がないと知ったラティアは自分の無力さに俯き、元気づける様にシェリアがその細い肩に手を沿えた
「ひとまず、街の中は安全のようだな」
重苦しい雰囲気が漂い始めた頃、その空気を入れ替えるかの様に街とその外部を見回る為に不在だったマリクが帰還する、危惧する様な事がないと彼の目で視てきたらしい
「フォドラの原素の影響を受けた魔物がやってくれば、そうとも言い切れないでしょう」
「だろうね。時間の問題な気がするよ」
「それがいずれはエフィネアも呑み込んでしまうわけか」
「よっしゃ!これなら再生できるかな?」
機材の下準備を整えていたパスカルが不意にそうガッツポーズを決め、準備が整った事を歓喜する
心に一端休みを取る暇なく、ラティア達の前に研究所のヒューマノイドから採取したデータが表示、そして再生を始めた、一体ここにフォドラの核に対する情報は記されているのか――
『第二次隊の調査員が全員死亡しました』
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