Memoria:52 鏡の中のアフィニティ
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「うわ!」
「この振動、一体……!」
不意に天井が崩壊を始め、あちこちから瓦礫の落石も起こる、何千年も人の手から離れた廃墟であれ程の戦闘をした事でこの場所に止めをさした様だ
研究所全体の崩落も時間の問題だろう、それに巻き込まれぬ様にとラティア達は地下からの脱出に臨む
「どうやら話は外に出てからにした方がよさそうですね」
「待って待って!他のヒューマノイドからもデータを抜き取るから!」
あれだけではまだ情報が足りない、と情報の補強をする為にも他の彼らが持つデータをパスカルは諦め切る事が出来なかった
「急いでください!」
「うわっ!」
一際大きな瓦礫が落下した事で部屋中の埃が立ち上った、それと同時に瓦礫という無機物にある筈がない何らかの気配がここに潜り込んだ様だ
「今度はなんだ!?」
土煙の中から仄かに淡い光が見え隠れする、そこから現れたのは一瞬ソフィと見間違える程に良く似た女性
「この子、さっきの!?」
「《リトルクイーン》……!」
映像からそっくりそのまま、抜き出てきたフォドラの核と何らかの関わりを持つとされる存在が現実に出現した事にラティア達は目を見開き驚いた、何故この状況下で彼女がここに現れたのかと
出現に衝撃を与えた本人はラティア達の動揺も気に留めず、意志が読みとれない硝子球の様な瞳で彼らを見下ろしていた
「君は一体!?」
その時、何の脈絡なくリトルクイーンは右腕を振るうと突如としてラティア達へ衝撃波を放った
「うわあぁ!」
先程の魔物の攻撃と比にもならない程に強力な攻撃がラティア達を紙片の様に扱い、後方へと吹き飛ばす
知恵がある分、どんな攻撃がこちらに有効なのかが分かっているらしいリトルクイーンの攻撃はどんな刃物よりも鋭敏で的確に随所を突き刺した
辛うじてヒューマノイドのデータを抜き取る作業で巻き込まれずに済んだパスカルは目の前の惨状に思わず口を手で覆った
「わわっ」
「くっ……待って!私たちに戦う気はないの!」
自分達に敵意はないのだと主張する事で誤解を解こうとするシェリアの言葉だが、まるでこちらの言葉を聞く術を持たないかの様にリトルクイーンは反応を示さない
最初に現れた時と同じく人形の様にこちらを認識する為だけにある表情がソフィ、そしてシェリアへと更なる攻撃を放った
「シェリア、ソフィ!」
「ラティア!」
地面に伏したまま、上手く動けずにいる二人をリトルクイーンの攻撃から守ろうとラティアは二人を抱き締め、背中に来るであろう衝撃を待つ
このままではラティアが攻撃の前に倒れる運命が見えたアスベル達は立ち上がり、彼女の前で武器で攻撃を受け止めるも押し殺せない衝撃に苦々しい表情が浮かぶ
「くっ」
「アスベル!」
「危ない真似はするな、ラティア!」
一つでもやっとなその威力に拍車をかける様にすかさずリトルクイーンはもう一方の片腕から攻撃を放つとアスベル達は脆く吹き飛ばされる
「「アスベル!」」
その状況を見ていたラティアに支えられていたソフィは目の前の女性を倒すべき敵と認識し、彼女のこれ以上の暴挙を止めようと地面を蹴り、左腕を限界まで引き絞る
並の魔物ならば一撃で伏す程の威力を有した拳、だというのにリトルクイーンは易々とそれを受け止め、二つの異なる光が鍔迫り合いに空間を震わせた
今まで何の感情も伺わせなかったリトルクイーンだったが、ソフィの存在を間近で捕らえた瞬間に顔色が変わり、攻撃を突如として中断し後退する
「……どうして!?」
「フォドラの子」
「え?」
何故自分の攻撃が通じないのかと声を荒げていたソフィに届いたリトルクイーンの言葉に思考を中断し、目を見開いた
今まではこちらの言い分に耳を貸さない様子を伺わせていた為、こちらの言葉が分からないのを理由に話す術を持たないという潜入感は今の一言で打ち切らされた
「しゃべれるのか」
「おいでなさい」
「気をつけろ、ソフィ!」
どんな理由があるか分からないものの、リトルクイーンはどうやらソフィにしか眼中にないらしく、執拗な攻撃で排除しようとしたラティア達に今は見向きもしない
ソフィを誘う様に手を差し伸べるリトルクイーンに警戒を露にし、ラティア達は武器を構えた
一々相手するのは得策でないと悟ったのか、今までの攻撃のターゲットから彼女等を外したリトルクイーンの手は上方に向けられ、同じ様な攻撃が放たれる
今まで辛うじて崩壊を止めていた研究所も今の攻撃で完全に崩壊に対する引き金を引き切り、崩壊に対する防波堤を飛び越えた
「まずい!退避するぞ!」
「パスカルさん!」
「あとちょっと~!よ~し、おっけ~!」
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