Memoria:50 夢より抜け出した幻影
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「まずは研究所だ、その後で花畑も調べてみよう。あれは俺も気になる」
「そうですね、生存者がいたのなら保護しないとですし」
「わかった、ソフィもいいかい?」
それで異論はないらしく、ソフィは頷いてみせた
ならば早速研究所へ向かおうと建物を出ていくアスベル達をサイが何か言いたげに見つめているのに、その視線からラティアは気付き、首を傾げる
「………………」
「……?」
ーどうかしたのかしら…?
「ラティア、行くぞ?」
「あ、はいっ」
サイを気にかけ、声をかけようとするラティアが遅れている事に気付いたアスベルからの呼び掛けを無視する事は出来ずに心残りを残しながらも部屋を後にする事となった
花畑の謎の女性からの襲撃を受けたシャトルがちゃんと動くかが心配になりながらも、研究所へ向かおうとするラティア達の後を何か言いたげにしていたサイが追いかけてきた
「どうしたの?」
同じヒューマノイドとして通じ合う所があると感じたのか、サイは自分の心をソフィへと訴えかけ、ソフィはその意図を汲み取ろうとしていた
そんな二人の声なき会話を横から覗き込むパスカルは意味ありげに何度も首を縦に振り、理解している様子を見せる
「なになに、ふんふん、なるへそ~」
「何を言っているかわかるんですか?」
「いや、さっぱり」
理解している様子はどうやら表面上だけで根底まで理解していなかったパスカルの返答にヒューバートは呆れ、言葉を失ってしまった
「サイ、一緒に来てくれるの?」
どうやら一緒に行動を共にしたい、という申し出をサイは訴えようとしていたらしい、その想いをソフィが口にした事でサイはその通りだと頷いた
旅の同行者としてサイを連れて行く事に許可を取ろうとソフィはアスベルへと振り返る
「アスベル、いい?」
「ああ、もちろんだ」
「よろしくお願いしますね、サイ」
軽くお辞儀をし同行者となったサイを連れ、ラティア達はシャトルに乗り込み、研究所へと飛び立った
座標を取り込んだシャトルが停泊した研究所は赤黒い光を漂わせ、不気味な雰囲気で訪れた者達を迎え入れようと佇んでいた
かつては整備が整っていたであろう、その場所は今も見る影もなく荒れ果てていた、それこそ立ち入る事を躊躇う程に
「ここが……原素研究所?何だか……」
「何があったらこうなるんだ?」
「街や他の施設とは明らかに雰囲気が違いますね」
「なんだか、気味が悪いわ」
何処かに入り口がないかと辺りを見回すパスカルの目にある機械が触れ、それを操作し、研究所がもう何百年も使われていない記録を発見する
「風化の具合からして、数百年以上前にって感じかな?」
「フォドラが滅んだ時期と重なるかもしれないね」
「滅んだ……」
滅んだ、という文字に項垂れていたソフィは突如として目眩を起こし、ふらつくと自分自身を支える為に頭を抑える
「大丈夫!?どうしたの?」
「ソフィ?具合でも悪いの?」
「……やっぱり。わたしの事、呼んでる」
「声……?シェリア、聞こえましたか?」
ソフィを気遣うラティアとシェリアの声だけでなく、ソフィには第三者の声が聞こえ、彼女を研究所の奥へと誘おうとしているらしい
どういう事かとリチャードとマリクに振り返る二人にもその声は聞こえず、リチャードとマリクもまた同じ様子で声とは何かと不振に眉を潜める
「ソフィにしか聞こえない声がしたのか?」
「早めに中を調べた方がよさそうだね」
目の前でどっしりと構える扉は内部から鍵がかかっていた為、ラティア達はすぐ側の稼働し続けているエレベーターで地下から研究所内へ侵入した
夢より抜け出した幻影
(世界はその帰還を待ち望んでいた)