Memoria:49 スノードロップの形をした福音
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魔物を切り捨て、大蒼海石への襲撃を事なきに得たアスベルだったが、その場に片膝をついてしまう
ラムダの力を使用するのはこちらが思っている以上に疲労する事が彼の様子から伺えた
「どうにか片付いたようですね」
「アスベル……?」
息を整えたラティアは未だに片膝をつき、体を起こす気配がないアスベルへの異変に気付き、彼へと駆け寄っていった
「しかし、こうも続くとなると原因を取り除く事を急いだ方がいいな」
「ええ。これ以上、数が増える前に事態を解決する必要があるでしょう」
今日の様な数の群れならば、まだ何とか対処は出来るもののその倍となれば、いかに対抗する力を持つラティア達と言えど、数で負ける事となるだろう
ヒューバートが言う様にこれ以上、魔物の数が増える前に一連の事態の原因がある可能性があるフォドラへ早急に向かう必要がある
「アンマルチア族の里に戻って、パスカルたちと合流しよう」
里に残してきたシェリアとパスカル、そして彼女等が付き添い続けているであろうソフィ、魔物の変異と同じく――未だにソフィが抱える不安を拭う兆しは見つかっていない
その事で事態の解決の足を引っ張る事も出来ず、立ち上がろうとするアスベルの背を支えるラティア、そして彼の肩を支えるリチャード等が彼の補助に当たった
「ありがとう、リチャード、ラティア」
「アスベル、まだ体力が戻っていない様ですから、まだ動かない方が……」
「いや、大丈夫だ」
誰よりも疲労した様子で大丈夫、と言われても説得力がない事を彼は知らないのだろうかと不自然に右目を閉じ、踵を返すアスベルの背中にラティアの不安はつきない
「とても疲れているように見えるが……ラムダの力をそんなに使って、大丈夫なのか?」
同じ様な不安を抱くのは彼女だけではなく、リチャードも同じ胸中だったらしい、そしてその言葉はかつてのラムダに寄生されていた者として当然の問いかけであった
疲労が隠されいない様子で苦笑するアスベルはやはり先程、ラティアに言った様な余計な不安を与えまいとする気遣いで言葉を返す
「慣れていないだけだ、大丈夫さ。それにラムダは俺を支配しようと力を貸しているわけじゃないと思う」
確証のない言葉、それはラムダが言ったとは到底思えなく、アスベルの臆測だと気付くのは遅くなかった
「ラムダが……そう言ったのかい?」
「いいや。俺がそう信じているんだ」
「アスベル……君はどうしてそんなに強くいられるんだ」
もしかすればラムダがアスベルを騙し、再び半年前の出来事を繰り返そうとしているかもしれないという危惧も抱かずにただただ、ラムダを信じ抜こうとするアスベルの姿勢にリチャードは思わずそんな言葉が口から漏れる
他者から見られれば、そう見られるらしい自分のあり方をアスベル本人は共感出来なかった、自分は決してそんな立派な人間ではないと
「……強くなんかないさ。むしろ弱いからこそ、信じるのかもしれない
けど、どんなに信じていてもどうしようもない事もあるんだよな……」
自分の内面を見透かされるかの様なリチャードの視線から逃げたアスベルの瞳は自分の両手に落とされ、固く握り締められた手は拳を象る
信じていてもどうしようもない事、ラムダを信じ抜こうとする彼にもそれはあり、そのどうしようもない現実は皮肉にもソフィが抱く不安と酷使していた
「子どもの頃、俺もソフィと同じくみんなとずっと一緒にいられると心のどこかで思っていた
けどそれはいつか終わる、俺たちが人である以上は……必ず」
「アスベル……」
「どんなに信じても、願ってもそれだけはどうしようもないんだ」
神に祈っても人の終わりは例外なく平等に訪れる、その終わりと連動する様にかけがえのない仲間との別れも等しく
その現実を知っているものの、ソフィに有りの侭を伝える事は出来ない、――この真実は不安に胸を渦巻くソフィには酷すぎる
「だから俺はソフィに何と言ってやればいいかわからないんだ……」
「……」
アスベルの言葉を耳にしたラティアは人知れずに俯き、幼い頃に感じた想いを呼び起こしていた
ー小さな頃、私もソフィと同じ様に母様達といつまでも一緒にいられると思ってたっけ……
でもそれは錯覚だと、母様と父様の死で思い知らされたのがつい最近のことのよう……
最近と感じるのは今も尚、自分の心があの日に囚われたままだからだろうか、もう十年も前の事だというのに
両親の死に自分が抱いた想いは幻想に過ぎないと知った時の痛みはソフィが抱く不安と共通しているのだろうか、ラティアは空を見上げ、答えを探す
ラムダの力を使用するのはこちらが思っている以上に疲労する事が彼の様子から伺えた
「どうにか片付いたようですね」
「アスベル……?」
息を整えたラティアは未だに片膝をつき、体を起こす気配がないアスベルへの異変に気付き、彼へと駆け寄っていった
「しかし、こうも続くとなると原因を取り除く事を急いだ方がいいな」
「ええ。これ以上、数が増える前に事態を解決する必要があるでしょう」
今日の様な数の群れならば、まだ何とか対処は出来るもののその倍となれば、いかに対抗する力を持つラティア達と言えど、数で負ける事となるだろう
ヒューバートが言う様にこれ以上、魔物の数が増える前に一連の事態の原因がある可能性があるフォドラへ早急に向かう必要がある
「アンマルチア族の里に戻って、パスカルたちと合流しよう」
里に残してきたシェリアとパスカル、そして彼女等が付き添い続けているであろうソフィ、魔物の変異と同じく――未だにソフィが抱える不安を拭う兆しは見つかっていない
その事で事態の解決の足を引っ張る事も出来ず、立ち上がろうとするアスベルの背を支えるラティア、そして彼の肩を支えるリチャード等が彼の補助に当たった
「ありがとう、リチャード、ラティア」
「アスベル、まだ体力が戻っていない様ですから、まだ動かない方が……」
「いや、大丈夫だ」
誰よりも疲労した様子で大丈夫、と言われても説得力がない事を彼は知らないのだろうかと不自然に右目を閉じ、踵を返すアスベルの背中にラティアの不安はつきない
「とても疲れているように見えるが……ラムダの力をそんなに使って、大丈夫なのか?」
同じ様な不安を抱くのは彼女だけではなく、リチャードも同じ胸中だったらしい、そしてその言葉はかつてのラムダに寄生されていた者として当然の問いかけであった
疲労が隠されいない様子で苦笑するアスベルはやはり先程、ラティアに言った様な余計な不安を与えまいとする気遣いで言葉を返す
「慣れていないだけだ、大丈夫さ。それにラムダは俺を支配しようと力を貸しているわけじゃないと思う」
確証のない言葉、それはラムダが言ったとは到底思えなく、アスベルの臆測だと気付くのは遅くなかった
「ラムダが……そう言ったのかい?」
「いいや。俺がそう信じているんだ」
「アスベル……君はどうしてそんなに強くいられるんだ」
もしかすればラムダがアスベルを騙し、再び半年前の出来事を繰り返そうとしているかもしれないという危惧も抱かずにただただ、ラムダを信じ抜こうとするアスベルの姿勢にリチャードは思わずそんな言葉が口から漏れる
他者から見られれば、そう見られるらしい自分のあり方をアスベル本人は共感出来なかった、自分は決してそんな立派な人間ではないと
「……強くなんかないさ。むしろ弱いからこそ、信じるのかもしれない
けど、どんなに信じていてもどうしようもない事もあるんだよな……」
自分の内面を見透かされるかの様なリチャードの視線から逃げたアスベルの瞳は自分の両手に落とされ、固く握り締められた手は拳を象る
信じていてもどうしようもない事、ラムダを信じ抜こうとする彼にもそれはあり、そのどうしようもない現実は皮肉にもソフィが抱く不安と酷使していた
「子どもの頃、俺もソフィと同じくみんなとずっと一緒にいられると心のどこかで思っていた
けどそれはいつか終わる、俺たちが人である以上は……必ず」
「アスベル……」
「どんなに信じても、願ってもそれだけはどうしようもないんだ」
神に祈っても人の終わりは例外なく平等に訪れる、その終わりと連動する様にかけがえのない仲間との別れも等しく
その現実を知っているものの、ソフィに有りの侭を伝える事は出来ない、――この真実は不安に胸を渦巻くソフィには酷すぎる
「だから俺はソフィに何と言ってやればいいかわからないんだ……」
「……」
アスベルの言葉を耳にしたラティアは人知れずに俯き、幼い頃に感じた想いを呼び起こしていた
ー小さな頃、私もソフィと同じ様に母様達といつまでも一緒にいられると思ってたっけ……
でもそれは錯覚だと、母様と父様の死で思い知らされたのがつい最近のことのよう……
最近と感じるのは今も尚、自分の心があの日に囚われたままだからだろうか、もう十年も前の事だというのに
両親の死に自分が抱いた想いは幻想に過ぎないと知った時の痛みはソフィが抱く不安と共通しているのだろうか、ラティアは空を見上げ、答えを探す