Memoria:48 有限は永遠をうたえない
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「ラムダの遺した魔物が例の魔物に従えられている……?」
そう、新種の魔物に付き従う様にラムダが遺した魔物が支配されているのだ、一体これはどうしたことか
「魔物の中にも上下関係がある、のでしょうか?」
「フーリエの予感は的中していたのか」
「よし、やるぞ」
武器に手をやるラティア達を視野に入れたのか、魔物の群れは敵意を露に彼女達を排除しようと襲いかかろうとしていた
直ぐさまにそれぞれの位置へ移動した所でラティアは直ぐさまに詠唱を唱え、迎え撃つ準備を整えると彼女を始めに流れが作られる
「聖浄なる破邪、永久なる天光に祈りの声紡がれん…グランドクロス!」
新種の魔物を中心に光を伴った魔法陣が展開し、十字架状の光の波動がこちらに向かってきていた魔物の群れを硬直状態に抑え込む
「良い始動だ!陵、其は貫き乱る晶石、駆けよ!襲撃、クラスターレイド!」
「遅れは取らない!そこか!裂壊桜!灰燼の焔!」
「アスベルの攻撃を防御している……中々知能があるようだね」
地面を這う業火に支配されていた魔物は地面に力無く落下するが、その背後に控えていた新種の魔物は球根を先端にぶら下げた腕で防御し、葉が燃えるだけに留まっていた
だがしかし、これだけ弱ければラムダの遺した魔物がいる意味はないのではないだろうか、盾にしては耐久力もなく、戦力にもいまいち頼りない、ならば他に――
「……?(あの昆虫から木みたいな魔物に力が渡っている?)」
今回は援護に徹すると決め、魔物の群れより遠くに位置していたラティアの瞳が捕らえた、ラムダが遺した魔物と新種の魔物を繋ぐ細い光、それを行き交う光が魔物の力を増幅させている様だ
今一確証がない為にアスベル達だけでなく、魔物の動向に注視する彼女の目の前で小癪にも頑なに防御姿勢を解かない魔物に攻撃するアスベルがラムダの遺した魔物が取り囲まれていた
「うわっ!っ……」
「全く世話が焼けますね、邪魔です!ミスティアーク!追撃!」
「アクセルフォース!」
「壮麗の灯火、……!」
「ラティア!」
包囲網を破壊しようと足下に魔法陣を灯したラティアへとヒューバートの銃撃をくぐり抜けた魔物が鋭敏な針を仕向ける
詠唱を途中で止めても武器を手にする間に魔物の攻撃が自分を貫く、どうあっても逃げられないラティアの目の前をマントの裾が横切った
「雷神剣!大丈夫かい、ラティア」
「リチャードさんっ」
「詠唱中のフォローは任せてくれ、秋沙雨!調子には乗らせん!」
「はいっ。祈りしは癒輝の光、慈愛の抱擁にて救いを見出したまえ!ヒール!アスベル!」
思わぬリチャードからの援護を受け、傷を負わずに、詠唱の対象を解除せずに済んだラティアは攻撃系の星錬術から治癒系の星錬術へ移行した
ラムダが遺した魔物と新種を含め、残るは2体、数が減った為か二体を繋ぐ細い光はより輝きを増し、ラムダの遺す魔物が弱体化する代わりに新種の魔物の力が強化されていた
これで確証を持てずにいたラティアも断言する事が出来る、…本音を言えば、乱戦中に前線で戦うアスベル達の力になりたかったのだが
「やっぱり……。皆さん、先に昆虫型の魔物を倒してください!あの魔物がもう一体の魔物に力を分けています!
壮麗なる星彩、光を連ね、闇を裂く剣閃となれ!グランシャリオ!」
「なるほど、そんなことまで出来るのか……流石だな!ラティア」
「!これは……、……アローレイン!」
自身の武器である両刃剣で矢を射る様に動作した瞬間、大量の矢の雨が降り注ぎ、魔物を次々と貫き、行動する事も許されずに拘束されていた
突如として発現させたヒューバートの新たな力、それはアスベルが使うラムダの力と同様のものであった、まさかラムダが彼にも力を分け与えたというのだろうか
「ヒューバートもラムダの力を……?」
「見とれている場合じゃないぞ、ラティア。旋の炎!破滅の序曲!」
「一瞬で決める!運命の門、汝も見るか、高貴なる極光!」
リチャードの背後へと異界の門が現れ、彼の声により誘われた光の奔流に勢い良く開門するとその激流へと魔物は飲み込まれ、姿を掻き消される
「マジェスティ・ゲイト!」
光の奔流が魔物の内に流れ込むとその体諸共に爆発し、いくら耐久力がある新種の魔物としてもその噴出に耐え切れずに足がよろめき、隙が生まれる
「うおおおお!」
飛び出した速度を抑える事なく、疾風が吹き抜けるかの様にアスベルが魔物の横を通り過ぎた瞬間――その巨体は切り捨てられ、音もなく消滅する事と相成った
有限は永遠をうたえない
(こんなにも近いのに、こんなにも違う)