Memoria:48 有限は永遠をうたえない
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アンマルチア族の里をシェリア達へソフィへ託したラティア達は言葉少なにユ・リベルテへと飛び立つ
人として生まれたかったと嘆くソフィに自分達はただ謝る事しか出来なかった、一体あの時にどんな言葉をかける事が最善だったか…自分の言葉、姿勢を旅路の中で思い返してばかり
それが周りにどんな影響を齎すかも省みずに暗い面持ちで地面を見下げるアスベルとラティアの様子にマリクはその心情に察し、同情的に首を横へ振った
「やれやれ、これは重症だな」
すぐそこにある大統領府だが、二人がこの様子では大統領との対談もままならないだろう
まずは二人の心情に整理をつかせる事、その胸に渦巻くものを聞く事が彼らを心配する仲間として出来る心遣い
「俺はソフィに何も言ってやれなかった」
場を設けられ、行き場のない感情をアスベルはその場へと吐露する、切り出された言葉にリチャードは彼が抱える痛みに憐憫の情を抱く
アスベルの言葉にラティアは尚、視線を俯かせると胸に手を当てる、何も言えなかったと彼が言うが何も言えなかったのは彼だけではない
あそこでは誰もが口を閉ざし、無力に涙を流すしか出来なかった、それすらもソフィを苦しめる結果となってしまったが
「かける言葉が見つからなかったんです……」
「まあ、難しい問題だからな。簡単に答える方がかえって嘘になる事もある」
あの場ではあれしかかける言葉はなかった、難しい問題なのだから悩むのは必然だと彼なりの励ましを告げたマリクはアスベルに歩み寄る
「今出来るのは早く厄介事を片付け、時間を作り、たくさん一緒にいてやる事だ」
「そう……ですね」
「一緒に悩んであげる事もきっと、私達に出来ることですよね……」
「ああ、そういうことだ」
ならば今は目の前の大統領府で大統領と面会し、新種の魔物について注意を促し、フォドラで魔物の進化について解明してソフィの悩みに接する時間を作らなければ
「ヒューバート、大統領にはすぐに会えるのか?」
目の前に積まれた事態に取り組もうと心を入れ替えたアスベルだったが、言葉を投げかけられたヒューバートは視線を明後日の方向に向け、何やら考え事に耽っていた
どうやら彼にも胸に抱く難問があり、それをどう解決しようか悩んでいる様だった、いつもの彼らしくない返事の遅さにアスベルはついヒューバートへと振り返る
「ヒューバート?」
「どうかいたしましたか?」
再度の呼び掛けが漸く届いたのか、ヒューバートはどこかぎこちない様子で眼鏡を押し上げる
「あ、ええ……もちろん、大丈夫ですよ」
「大統領閣下のご息女の件で悩んでいるのか?」
「きょ、教官!」
「どういう事だ?」
隠していたかった悩みを何も知らなかったアスベルとラティアにばらしたマリクの口を閉ざさせようとするも時はすでに遅く、二人に内状が知れ渡った後
もう触りも知られてしまい、隠し通せないと観念したヒューバートは努めて冷静に自分の置かれている立場を自ら説明する
「大した問題ではありません、縁談を勧められているだけです」
「何を言い出すかと思えば、よりによってそんな話か」
「兄さんも他人事ではないでしょう、母さんからの手紙に兄さんの事も色々と書かれていましたよ?
……まあ兄さんにはすでに意中の相手がいるので、縁談の必要はないみたいですがね」
「ヒ、ヒューバート!」
含み笑いでアスベルとその意中の相手であるラティアに視線を配り、自分とは違い、何とも羨ましいと言わんばかりのヒューバートについアスベルの声は上擦る
その態度でヒューバートの言葉を肯定され、尚の事、頬を赤くするラティアは慌ててどもりながらも会話を変えようと必死になる
「あ、あう……で、でもあのケリー様、良くお手紙を出しているご様子でしたが、お相手はヒューバートだったのですね」
「頻繁に手紙をやりとりしているのは知っていたが、そんな内容なのか」
「ここしばらくはずっとそうですね」
「しかし、大統領閣下のご息女とは信用されている証拠だね」
「おかげで断るにも断れず、どうしたものかと……」
相手はこの国のトップ、迂闊な言葉で大統領から勧められた縁談を断る訳にも行かず、慎重に言葉を選ばなければならない状況にヒューバートは心労を積み重ねてきた様だ
そんな困った状況下に置かれ、頭を悩ませていた時に舞い込んできたのがこの魔物討伐の依頼だったのだろう
人として生まれたかったと嘆くソフィに自分達はただ謝る事しか出来なかった、一体あの時にどんな言葉をかける事が最善だったか…自分の言葉、姿勢を旅路の中で思い返してばかり
それが周りにどんな影響を齎すかも省みずに暗い面持ちで地面を見下げるアスベルとラティアの様子にマリクはその心情に察し、同情的に首を横へ振った
「やれやれ、これは重症だな」
すぐそこにある大統領府だが、二人がこの様子では大統領との対談もままならないだろう
まずは二人の心情に整理をつかせる事、その胸に渦巻くものを聞く事が彼らを心配する仲間として出来る心遣い
「俺はソフィに何も言ってやれなかった」
場を設けられ、行き場のない感情をアスベルはその場へと吐露する、切り出された言葉にリチャードは彼が抱える痛みに憐憫の情を抱く
アスベルの言葉にラティアは尚、視線を俯かせると胸に手を当てる、何も言えなかったと彼が言うが何も言えなかったのは彼だけではない
あそこでは誰もが口を閉ざし、無力に涙を流すしか出来なかった、それすらもソフィを苦しめる結果となってしまったが
「かける言葉が見つからなかったんです……」
「まあ、難しい問題だからな。簡単に答える方がかえって嘘になる事もある」
あの場ではあれしかかける言葉はなかった、難しい問題なのだから悩むのは必然だと彼なりの励ましを告げたマリクはアスベルに歩み寄る
「今出来るのは早く厄介事を片付け、時間を作り、たくさん一緒にいてやる事だ」
「そう……ですね」
「一緒に悩んであげる事もきっと、私達に出来ることですよね……」
「ああ、そういうことだ」
ならば今は目の前の大統領府で大統領と面会し、新種の魔物について注意を促し、フォドラで魔物の進化について解明してソフィの悩みに接する時間を作らなければ
「ヒューバート、大統領にはすぐに会えるのか?」
目の前に積まれた事態に取り組もうと心を入れ替えたアスベルだったが、言葉を投げかけられたヒューバートは視線を明後日の方向に向け、何やら考え事に耽っていた
どうやら彼にも胸に抱く難問があり、それをどう解決しようか悩んでいる様だった、いつもの彼らしくない返事の遅さにアスベルはついヒューバートへと振り返る
「ヒューバート?」
「どうかいたしましたか?」
再度の呼び掛けが漸く届いたのか、ヒューバートはどこかぎこちない様子で眼鏡を押し上げる
「あ、ええ……もちろん、大丈夫ですよ」
「大統領閣下のご息女の件で悩んでいるのか?」
「きょ、教官!」
「どういう事だ?」
隠していたかった悩みを何も知らなかったアスベルとラティアにばらしたマリクの口を閉ざさせようとするも時はすでに遅く、二人に内状が知れ渡った後
もう触りも知られてしまい、隠し通せないと観念したヒューバートは努めて冷静に自分の置かれている立場を自ら説明する
「大した問題ではありません、縁談を勧められているだけです」
「何を言い出すかと思えば、よりによってそんな話か」
「兄さんも他人事ではないでしょう、母さんからの手紙に兄さんの事も色々と書かれていましたよ?
……まあ兄さんにはすでに意中の相手がいるので、縁談の必要はないみたいですがね」
「ヒ、ヒューバート!」
含み笑いでアスベルとその意中の相手であるラティアに視線を配り、自分とは違い、何とも羨ましいと言わんばかりのヒューバートについアスベルの声は上擦る
その態度でヒューバートの言葉を肯定され、尚の事、頬を赤くするラティアは慌ててどもりながらも会話を変えようと必死になる
「あ、あう……で、でもあのケリー様、良くお手紙を出しているご様子でしたが、お相手はヒューバートだったのですね」
「頻繁に手紙をやりとりしているのは知っていたが、そんな内容なのか」
「ここしばらくはずっとそうですね」
「しかし、大統領閣下のご息女とは信用されている証拠だね」
「おかげで断るにも断れず、どうしたものかと……」
相手はこの国のトップ、迂闊な言葉で大統領から勧められた縁談を断る訳にも行かず、慎重に言葉を選ばなければならない状況にヒューバートは心労を積み重ねてきた様だ
そんな困った状況下に置かれ、頭を悩ませていた時に舞い込んできたのがこの魔物討伐の依頼だったのだろう