Memoria:47 涙に見放された想いはどこにもいけず
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ラティアの声にアスベル達は足を止め、二人へと振り返る
「どうかしたの?」
先程から言葉を発していない事に気付き、何か言いたくても言えないのではないかという察しの良さでラティアはソフィから言葉を引き出そうと優しい声色をかけ、視線を合わせる
だがそれでも口を堅く噤み、顔を更に俯かせてしまうソフィにどうしたものかと苦笑するラティアの後を引き継ぐ様に隣に現れたシェリアが言葉をかける
「言いたい事があるのなら、我慢しないで言っていいのよ?」
我慢する事はない、と口々に言われ、ついにソフィはその不安げな表情を上げるとパスカルへ縋りつく様に、微かな希望で揺らぐ瞳を向ける
「パスカル。わたし、人になりたい」
切なげに響く自分に乞われた願いの言葉にパスカルは不思議そうに瞳を瞬かせ、何の悪気もなく応える
「今でも十分人じゃん、ちょーっと体の作りが違うってだけだよ」
「ううん……みんなとわたしは全然違う、アスベルもラティアもシェリアもヒューバートも……」
ヒューマノイドと人間は確かに見た目では何も変わりはない、けれどその実、決して人間とは言い難い絶対的な違いがあるのをソフィはもう気付いていた
――自分とラティア達の間にある絶対的な時間の差異という壁に
「リチャードも教官もパスカルもいつかいなくなる。だけど、わたしは……」
目の前の仲間達がいなくなった世界でも生きなければならない、孤独に、永遠の命を憂うからこそ、ラティア達と同じ存在に、限りある命に焦がれてしまう
「わたしも人になれたら、みんなに置いていかれない?
どうしたら人になれるの?教えて、ラティア、アスベル」
「それは……」
「ソフィ……」
痛切な問いかけ、縋る様な瞳に答えようがない二人は俯く、自分達はエメロードの様な科学者や研究者でもなければ、ソフィの願いを叶える術をも、持たない
二人が言葉を詰まらせるその様子にソフィは自分は人間になれないと悟り、俯く
「そうだよね……無理、だよね」
仲間と同じ時を共に生きたいと、一緒にいたいというそんな細やかな願いもソフィにとっては叶う事を許されない現実にラティア達は涙で瞳を揺らめかせる、自分達は彼女の願いを叶える事も出来ない無力な存在だと痛感して
ヒューマノイドであるが故に数々のものを手放さなければならず、自分の境遇を一番に嘆く筈のソフィが瞼に触れた指には涙は、ない
「涙……出ない。とても悲しくても、わたしはみんなみたいに泣けないんだね。わたしも……わたしもみんなと一緒がよかった
アスベルがお父さんで、ラティアがお母さんで、みんなのいるお家に人の子として生まれたかった」
限りある時の中で在り来たりの家族に生を受け、ごく普通の少女として普通の人生を送りたかったと自分の生を淡々と嘆くソフィの瞳からはやはり涙は溢れない
そこまで哀しみは来ているであろうにヒューマノイドという存在意義がそれをせき止め、泣く事も許されないソフィをラティアはとうとう耐え切れずに抱き締める
「ソフィ……ごめんね、ごめん、ね…っ」
「アスベル、こんな状態のソフィを連れて行くのはどうなんだろう」
「アスベル……私、ソフィとここに残るわ
ソフィの気持ちが落ち着くまでは長旅をさせるのは無理だもの」
「あたしも残るよ、里で少し気分転換させてあげたいしね」
「兄さんはどうしますか?」
半年前の出来事からずっとラティアと共にソフィと暮らしてきたアスベルも彼女の側にいてやりたい、と思うのではないかと意思を汲み取ったヒューバートの言葉にアスベルは三人に囲まれるソフィを見つめる
これまでソフィの問いかけに応えられないままの自分がいても、ソフィは落ち着かないだろうとアスベルは早々に察する、それにアスベルもソフィと離れ、考える時間を設けるべきだろう
「今は少し離れて考えた方がいいかもな
わかりました、俺もストラタへ行きます、……ラティアはどうする?」
「私……」
ソフィを抱き締めていたラティアはアスベルからの呼び掛けに小さな体から離れ、涙を指で拭い、ソフィを伺うかが視線は交わらない
その様子に胸を痛め、眉を潜める彼女にも気持ちを整理する時間が必要なのは明確、そう判断してからリチャードは素早く二度目の助け舟を出す
「……ラティアが来てくれた方が僕たちとしては有難いな、回復役がいた方が攻撃に専念出来る。そうだろう?アスベル」
「え、あ、ああ。そうだな」
「ラティア、ソフィのことは大丈夫よ。私に任せて?」
「分かり、ました。私が今、ソフィといても自分の考えを押しつけてしまいそうですし……少し距離を取りましょう」
「では、男四人にラティアを加えてストラタに行くとするか」
「シェリア、ソフィの事、頼む」
世話を任せられたシェリアがはっきりと頷いたのを見て、ラティア達はストラタへと後ろ髪を引かれながらも飛び立った
涙に見放された想いはどこにもいけず
(ただ、胸に巣食う不安の養分となるばかり)
「どうかしたの?」
先程から言葉を発していない事に気付き、何か言いたくても言えないのではないかという察しの良さでラティアはソフィから言葉を引き出そうと優しい声色をかけ、視線を合わせる
だがそれでも口を堅く噤み、顔を更に俯かせてしまうソフィにどうしたものかと苦笑するラティアの後を引き継ぐ様に隣に現れたシェリアが言葉をかける
「言いたい事があるのなら、我慢しないで言っていいのよ?」
我慢する事はない、と口々に言われ、ついにソフィはその不安げな表情を上げるとパスカルへ縋りつく様に、微かな希望で揺らぐ瞳を向ける
「パスカル。わたし、人になりたい」
切なげに響く自分に乞われた願いの言葉にパスカルは不思議そうに瞳を瞬かせ、何の悪気もなく応える
「今でも十分人じゃん、ちょーっと体の作りが違うってだけだよ」
「ううん……みんなとわたしは全然違う、アスベルもラティアもシェリアもヒューバートも……」
ヒューマノイドと人間は確かに見た目では何も変わりはない、けれどその実、決して人間とは言い難い絶対的な違いがあるのをソフィはもう気付いていた
――自分とラティア達の間にある絶対的な時間の差異という壁に
「リチャードも教官もパスカルもいつかいなくなる。だけど、わたしは……」
目の前の仲間達がいなくなった世界でも生きなければならない、孤独に、永遠の命を憂うからこそ、ラティア達と同じ存在に、限りある命に焦がれてしまう
「わたしも人になれたら、みんなに置いていかれない?
どうしたら人になれるの?教えて、ラティア、アスベル」
「それは……」
「ソフィ……」
痛切な問いかけ、縋る様な瞳に答えようがない二人は俯く、自分達はエメロードの様な科学者や研究者でもなければ、ソフィの願いを叶える術をも、持たない
二人が言葉を詰まらせるその様子にソフィは自分は人間になれないと悟り、俯く
「そうだよね……無理、だよね」
仲間と同じ時を共に生きたいと、一緒にいたいというそんな細やかな願いもソフィにとっては叶う事を許されない現実にラティア達は涙で瞳を揺らめかせる、自分達は彼女の願いを叶える事も出来ない無力な存在だと痛感して
ヒューマノイドであるが故に数々のものを手放さなければならず、自分の境遇を一番に嘆く筈のソフィが瞼に触れた指には涙は、ない
「涙……出ない。とても悲しくても、わたしはみんなみたいに泣けないんだね。わたしも……わたしもみんなと一緒がよかった
アスベルがお父さんで、ラティアがお母さんで、みんなのいるお家に人の子として生まれたかった」
限りある時の中で在り来たりの家族に生を受け、ごく普通の少女として普通の人生を送りたかったと自分の生を淡々と嘆くソフィの瞳からはやはり涙は溢れない
そこまで哀しみは来ているであろうにヒューマノイドという存在意義がそれをせき止め、泣く事も許されないソフィをラティアはとうとう耐え切れずに抱き締める
「ソフィ……ごめんね、ごめん、ね…っ」
「アスベル、こんな状態のソフィを連れて行くのはどうなんだろう」
「アスベル……私、ソフィとここに残るわ
ソフィの気持ちが落ち着くまでは長旅をさせるのは無理だもの」
「あたしも残るよ、里で少し気分転換させてあげたいしね」
「兄さんはどうしますか?」
半年前の出来事からずっとラティアと共にソフィと暮らしてきたアスベルも彼女の側にいてやりたい、と思うのではないかと意思を汲み取ったヒューバートの言葉にアスベルは三人に囲まれるソフィを見つめる
これまでソフィの問いかけに応えられないままの自分がいても、ソフィは落ち着かないだろうとアスベルは早々に察する、それにアスベルもソフィと離れ、考える時間を設けるべきだろう
「今は少し離れて考えた方がいいかもな
わかりました、俺もストラタへ行きます、……ラティアはどうする?」
「私……」
ソフィを抱き締めていたラティアはアスベルからの呼び掛けに小さな体から離れ、涙を指で拭い、ソフィを伺うかが視線は交わらない
その様子に胸を痛め、眉を潜める彼女にも気持ちを整理する時間が必要なのは明確、そう判断してからリチャードは素早く二度目の助け舟を出す
「……ラティアが来てくれた方が僕たちとしては有難いな、回復役がいた方が攻撃に専念出来る。そうだろう?アスベル」
「え、あ、ああ。そうだな」
「ラティア、ソフィのことは大丈夫よ。私に任せて?」
「分かり、ました。私が今、ソフィといても自分の考えを押しつけてしまいそうですし……少し距離を取りましょう」
「では、男四人にラティアを加えてストラタに行くとするか」
「シェリア、ソフィの事、頼む」
世話を任せられたシェリアがはっきりと頷いたのを見て、ラティア達はストラタへと後ろ髪を引かれながらも飛び立った
涙に見放された想いはどこにもいけず
(ただ、胸に巣食う不安の養分となるばかり)