chapter:20 月光花はコキュートスで佇む
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「ラゴウの件はわたしからもお願いしてみます、正当な処罰を下せるように」
「うん、お願い…」
「姫様、そのことなんですが……」
「はい?」
「……ええと……」
どうやらアルシア達の前では話し難い事らしく、エステルは従者に少々遠い場所に移動されてから話を聞かされている
その場に立ち止まっていたアルシアの腕をリタが引っ張る
「リ、リタ?」
「しっ」
「ラゴウ様は昨夜から行方不明なのです、詳しくはまだ分かりません……今も足取りを追っている途中なものでして……」
「どういうことなの……」
「びびって逃げたかな」
「このまま姿、消したままだと良いんだけどね」
ラゴウの突然の失踪に戸惑いを隠せないがアルシアは何故か頭の何処かで昨日のユーリを思い出してしまった
それに気付かれずにリタは橋の向こう側を見ながら、エアルクレーネを調べて回りたいらしく旅立つらしい、少々歩むと彼女は顔を赤くし呟く
「調査が済んだら、あたしも帝都にい、行くから、その方がアルシアもいるし」
「リタ…うんっ待ってる!」
「はい、楽しみにしてます」
「じゃ、じゃあね!」
この旅の中で出来た友達の言葉にエステルとアルシアは嬉しそうに微笑むとリタの手を握り締める、その手を解くとリタは振り切る様に街を出て行ってしまった
「……アルシアとカロルはこれからどうするんです?」
「ボクはギルドをユーリと一緒に作りたいな……」
「ふふ、前から言ってたもんね」
「それ、良い考えだと思います」
「姫様…」
「ごめんなさい、もう行きます」
「もう時間なんだね…あ、ユーリがまだ…」
「まだ休んでるみたいですし、良いんです」
お互いに名残惜しい気持ちはあるがエステルの身分がそれを許さない、エステルは従者に導かれるがままに馬車に乗り込んでしまった
それを見送っているとカロルはいつの間にか宿屋に戻って行った様だ、自分も戻ろうとした時、大きな振動が体を揺すった
「っ何…?!、魔物?!」
「アルシア、急いで逃げるんだ!っうわ!」
「フレンッ!、…!エステル…ッ」
「アルシアッ!!」
火球がフレンや騎士団を襲っている、攻撃しているのは今までに見た事のないほどに巨大な魔物で魔物は空を飛んでいる
膝を付く騎士団の間を縫いながら、魔物がエステルの乗り込んだ馬車を狙っているのを見つけ、アルシアはフレンの引き止める言葉も聞かずに橋を走り抜ける
「エステルッ!!」
「!アルシア、来てくれたんですかっ?」
「うん!早くこっちに…っ、?」
エステルは馬車を飛び降りたのか負傷した騎士達へ治癒術をかけていた、それを見つけたアルシアが彼女を引き寄せ、背中に隠す
巨大な魔物は何故か騎士団からの攻撃を無視し、アルシアとエステルを見つめていた
「わたしとアルシアが……狙われてるの?」
「どうして…?」
『忌マワシキ《世界ノ毒》ハ消ス』
「人の言葉を……!あ、あなたは……!」
『毒ノ側ニイテ、再ビソノ命、《世界ノ贄》トシテ散ラス気カ』
「毒に贄って一体…!」
不可解な言葉を放つ巨大な魔物に突然今までよりも大きな攻撃が加わると魔物は退き、ユーリ達が駆け寄ってくる
「「ユーリ!」」
「二人とも無事だな」
「あれは一体何…っ?」
ダングレストに現れた巨大な兵器からは特殊な弾丸が発射され、魔物を攻撃し続ける
このままここにいては危ない、逃亡と同じく街を出ようとするとエステルが立ち止まっているのに気付く
「オレとアルシアはこのまま街を出て、旅を続ける」
「え?」
「帝都に戻るっていう意志が変わらないなら、フレンの所まで走って」
「選ぶのはエステルだ」
「わたしは……」
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