chapter:20 月光花はコキュートスで佇む
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バルボスの遺した言葉、そして今、彼が発している苛立にアルシアは不安げな表情を浮かべるがユーリは気付かないフリをして、いつも通りを装う
彼女を宿屋に残し、最後のやる事をしに彼は歩む
「アレクセイがいないと思って、はめを外し過ぎましたか……
フレン・シーフォか……生意気な騎士の小僧め、この恨み、忘れませんよ。評議会の力で必ず厳罰を下してやります」
灯りを失った街でラゴウが忌々しく呟く、その声色と態度は自分が行って来た罪に反省の一つも浮かべてない事を明確にするものだった
その背後でヒュッと風を斬る音が立ち、次に真下の川から水が跳ねる派手な音が鼓膜を突いた、驚くラゴウの目の前には月光を背負うユーリの姿
「あ、あなたは……」
彼の瞳は獲物を狩る獣そのもの、怒りを殺気に変えた彼は無言でラゴウに近付くので流石のラゴウもたじろぐ
「私に手を出す気ですか!?私は評議会の人間ですよ!」
もう一歩、一歩とユーリは無言のままに近付いてくる
「貴方など簡単に潰せるのです、無事ではす、すみませんよ」
「法や評議会がお前を許しても、オレはお前を許さねぇ」
「ひぃ、く、来るな!」
漸く呟かれた言葉は殺気でその眼光は冷酷となり、心臓を捕らえる、膨れ上がり暴発する殺気を感じたラゴウは声を裏返して喚き逃げる
背を向けた忌々しい背にユーリは一寸の躊躇いもなく、一閃した、肉を切り裂く音と共に傷口から鮮血が舞い散る
「ぐっ……後少しで「宙の戒典」をぉ……がふっ」
バランスを崩した体は橋に落下し、再び辺りに水が跳ねる音が響き、その水柱をユーリは感情を失った瞳で見下ろした
***
音をさせずに宿屋まで戻って来たユーリは眼を見張った、アルシアが自分のベッドで眠っていたからだ
きっと彼女の事、自分が帰ってくるまではと思い、起きていたかったが眠気には勝てなかったのだろう
「(…嘘着いちまったな)」
この事を彼女が知ってしまえば、どう思うだろうか?否分かりきっているー悲しんで、気付けなかった自分自身を責めるだろう、それがアルシアだ
自分の血に、罪に濡れた手でこの存在に触れて良いか迷いながらも頭を撫でた
「ん…っユー、リ…?」
「!悪ぃ、起こしちまったな」
「ううん…良かった、ちゃんと…帰って来てくれて…何処か遠くに行っちゃう気がして…怖かったんだよ…?」
「…アルシア」
「お帰りなさい、ユーリ…」
「…ただいま、アルシア」
寝ぼけ眼でも自分を捕らえ、見つけてくれるアルシアの言葉に先程まで凍っていた感情が漸く息を吹き返し、笑う事が出来た
今はまだ彼女に知られたくない、罰を受けるその日まで愛しい彼女に自分に笑いかけて欲しい、ベッドに腰掛け、ユーリはアルシアの目蓋に口付けた
「ここでお別れなんて、ちょっと残念だな」
「今度お城に遊びに来てください」
「そう簡単にお城に入っても大丈夫なの?」
「ガキんちょ、ほんとに行っちゃうわよ」
「え、行っちゃダメなの?」
「はぁ……バカっぽい……」
「まあまあ…」
「だって友好協定が結ばれたら、ギルドの人間も帝都に入り易くなるでしょ」
「そうですね」
翌朝、と言っても夕時にエステルを見送る為にユーリとラピードを除くアルシア達が街の入口の橋に集まっていた
名残惜しく話を続けている中で城からの迎えが催促し、いよいよエステルと袂を分かつ時が来てしまい、リタは寂しげに顔を横に反らす
彼女を宿屋に残し、最後のやる事をしに彼は歩む
「アレクセイがいないと思って、はめを外し過ぎましたか……
フレン・シーフォか……生意気な騎士の小僧め、この恨み、忘れませんよ。評議会の力で必ず厳罰を下してやります」
灯りを失った街でラゴウが忌々しく呟く、その声色と態度は自分が行って来た罪に反省の一つも浮かべてない事を明確にするものだった
その背後でヒュッと風を斬る音が立ち、次に真下の川から水が跳ねる派手な音が鼓膜を突いた、驚くラゴウの目の前には月光を背負うユーリの姿
「あ、あなたは……」
彼の瞳は獲物を狩る獣そのもの、怒りを殺気に変えた彼は無言でラゴウに近付くので流石のラゴウもたじろぐ
「私に手を出す気ですか!?私は評議会の人間ですよ!」
もう一歩、一歩とユーリは無言のままに近付いてくる
「貴方など簡単に潰せるのです、無事ではす、すみませんよ」
「法や評議会がお前を許しても、オレはお前を許さねぇ」
「ひぃ、く、来るな!」
漸く呟かれた言葉は殺気でその眼光は冷酷となり、心臓を捕らえる、膨れ上がり暴発する殺気を感じたラゴウは声を裏返して喚き逃げる
背を向けた忌々しい背にユーリは一寸の躊躇いもなく、一閃した、肉を切り裂く音と共に傷口から鮮血が舞い散る
「ぐっ……後少しで「宙の戒典」をぉ……がふっ」
バランスを崩した体は橋に落下し、再び辺りに水が跳ねる音が響き、その水柱をユーリは感情を失った瞳で見下ろした
***
音をさせずに宿屋まで戻って来たユーリは眼を見張った、アルシアが自分のベッドで眠っていたからだ
きっと彼女の事、自分が帰ってくるまではと思い、起きていたかったが眠気には勝てなかったのだろう
「(…嘘着いちまったな)」
この事を彼女が知ってしまえば、どう思うだろうか?否分かりきっているー悲しんで、気付けなかった自分自身を責めるだろう、それがアルシアだ
自分の血に、罪に濡れた手でこの存在に触れて良いか迷いながらも頭を撫でた
「ん…っユー、リ…?」
「!悪ぃ、起こしちまったな」
「ううん…良かった、ちゃんと…帰って来てくれて…何処か遠くに行っちゃう気がして…怖かったんだよ…?」
「…アルシア」
「お帰りなさい、ユーリ…」
「…ただいま、アルシア」
寝ぼけ眼でも自分を捕らえ、見つけてくれるアルシアの言葉に先程まで凍っていた感情が漸く息を吹き返し、笑う事が出来た
今はまだ彼女に知られたくない、罰を受けるその日まで愛しい彼女に自分に笑いかけて欲しい、ベッドに腰掛け、ユーリはアルシアの目蓋に口付けた
「ここでお別れなんて、ちょっと残念だな」
「今度お城に遊びに来てください」
「そう簡単にお城に入っても大丈夫なの?」
「ガキんちょ、ほんとに行っちゃうわよ」
「え、行っちゃダメなの?」
「はぁ……バカっぽい……」
「まあまあ…」
「だって友好協定が結ばれたら、ギルドの人間も帝都に入り易くなるでしょ」
「そうですね」
翌朝、と言っても夕時にエステルを見送る為にユーリとラピードを除くアルシア達が街の入口の橋に集まっていた
名残惜しく話を続けている中で城からの迎えが催促し、いよいよエステルと袂を分かつ時が来てしまい、リタは寂しげに顔を横に反らす