chapter:20 月光花はコキュートスで佇む
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ、騎士団も戻って来たよ」
「私は無実です!これは評議会を潰さんとする騎士団の陰謀です!」
「往生際悪いじいさん」
「バルボスといたんだから、言い逃れ出来る訳ないのに…」
「……フレンは……?」
「ここからじゃ見えないな」
「じゃあもう少し近付いてみようか」
人だかりに向かうと往生際悪く、自分の罪を認めないラゴウが騎士団に抑え込まれている姿が確認出来る
言い逃れようとする彼にフレンが現れるとギルドと帝国の間に友好協定が出来上がり、調印も時間の問題と言われれば、ラゴウは黙って連れて行かれるしかなかった
「これでカプワ・ノールの人々も圧制から解放されますね」
「次はまともな執政官が来りゃ良いんだがな」
「良い人が選ばれる様にお城に戻ったら掛け合ってみます」
「え、それって…エステル…」
「エステル、帝都へ帰っちゃうの?」
「……はい、ラゴウが捕まって、もうお城の中も安全でしょうから」
「ホントは帰りたくない」
「もう少し旅を続けたい?」
「え?」
「って顔してる」
「そんなこと、ないです……」
「ま、好きにすりゃいいさ、自分で決めたんだろ」
今まで共に戦い、ここまで来たアルシア達と離れたくないという思いを当てられるがエステルは感情に蓋をし、アルシアとユーリの言葉を否定する
あくまで彼女の意志を尊重するという言葉に一瞬瞳が揺らぐがエステルは目の前で騎士と話しているフレンに顔を向けた
「……帰ります、これ以上フレンや他の方々を心配させない様に……」
「本当にそれで良いの?エステル」
「…はい」
「寂しくなるな、ラピード」
最後の引き止め、意志の表現を許すアルシアの言葉にもエステルは帝都に帰るという考えを考える事はなかった
その夜、宿屋で体を休めている時にカロルが慌ただしく部屋に入って来た
「大変だよ!ユーリ!アルシア!」
「んー…どうしたの…?」
「ゆっくり寝かせろって……」
「ラゴウが、ラゴウが!」
「ラゴウがどうしたって?」
「評議会の立場を利用して、罪を軽くしたんだって!少し地位が低くなるだけで済まされるみたい!酷い事してたのに!」
「そんな…それじゃあまたカプワ・ノールに舞い戻る事も有り得るじゃないっ」
「面白くねぇ冗談だな」
「冗談じゃなくて、ほんとなんだよ!」
「これが今の帝国のルールか、ったくホントに面白くねぇ」
「ユーリ…」
一度は騎士団の扉を叩き、内部で帝国の腐敗した部分を見た彼にとっては苛立つ部分が多いだろう、それが気配として自分にも叩き付けられる
何かを考える素振りを見せるユーリを見上げていると不意にカロルが子供ならではの言葉を発した
「ちゃんとした罰も受けないなんて、こんなの絶対おかしいよ
そうだ!エステルに言えば何とかなるかもしれない!」
「イヤ、それ下手したら評議会にエステルの敵を作る事に…ってカロル!」
「あんまお姫様に迷惑かけんじゃねぇぞ、ったく何やってんだよ、フレン
あいつ……駐屯地のテントにいるかな……」
「えっ今からフレンの所に行くの?」
「急いだ方が良いだろ?またラゴウが逃げちまうかもしれねぇし」
「…ユーリ、」
「考えてねぇよ、そんな心配すんなって、直ぐに帰ってくるからアルシアは先に寝てろ」
「…うん」
.