chapter:16 答えの欠片にはまだ程遠く、
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「で?エアルの暴走がどうしたって?」
「本当大変だったんです!すごくたくさん強い魔物が次から次へと、でも……!」
「坊主、そういうことはな、ひっそり胸に秘めておくもんだ」
「へ……?」
「誰かに認めて貰う為にやってんじゃねぇ、街や部下を守る為にやってるんだからな」
「ご、ごめんなさい……」
「(これが…百ギルドを治める長…)」
今までは誰かに認めて貰う為、そして今回ここに来た理由もドンに認めて貰いたいが為のカロルに伝えられた言葉は今までの考えを改めさせる様なものだった
胸を突き、正しい方向へ直す言葉を発するドンの姿にアルシアは確かなものを感じた、そんな彼女達を置いて、エステルは負傷兵へ治癒術をかけている
「……ん?そこにいるのはレイヴンじゃねぇか、何隠れてんだ!」
「おじ様、さっきから姿が見えないと思ったら、あんな所に…」
「うっ」
「うちのもんが他人様のとこで迷惑かけてんじゃあるめぇな?」
「迷惑ってなによ?ここの魔物大人しくさせるのに頑張ったのよ、主に俺とアルシアちゃんが」
「皆、頑張ってたと思うんですけど…」
「って、え!?レイヴンって天を射る矢の一員なの!?」
「どうもそうらしいな」
「だから戦い慣れしてたんだ…」
今まで判明しなかったレイヴンの素性が判明し、カロルが一番驚くがドンは自身の得物を抜き放つのでレイヴンは驚き、アルシア達の後ろに隠れる
反論を言う彼にドンは一つの怒声を上げる、未だにぶつぶつと文句を言うレイヴンを尻目にユーリが一つ前に出た
「ドン・ホワイトホース」
「何だ?」
「会ったばっかで失礼だけど、あんたに折り入って話がある」
「若ぇの、名前は?」
「ユーリだ、ユーリ・ローウェル」
「ユーリか、おめぇがこいつらの頭って訳だな?」
「あのーちょっとじいさん、もしもし?」
「最近どうにも活きのいい若造が少なくて退屈してたところだ
話なら聞いてやる。が、代わりにちょいとばかり面貸せや」
「え、それって…」
「あちゃーこんな時にじいさんの悪い癖が……」
「なにそれ?」
「骨のありそうなの見つけるとつい試してみたくなんのよ」
「た、試すってなにを!?」
「カロル、そんなの…度胸と腕っ節くらいしかないよ」
「ほぉ勘がいいな、まあそういうことだ。ちょいと年寄りの道楽に付き合え」
ドンのシニカルな笑みにアルシアは苦笑して返すがレイヴンは過去に何かあったのか、そそくさとドンから逃げる様に後退してしまった
即興の挑戦状を叩き付けられたユーリはと言うと逃げる訳もなく、刀身を抜き、逆に楽しそうに受けて立とうとしていた
「いいぜ、ギルドの頂点に立つ男とやりあうなんざ、そうある機会じゃないだろうしな」
「はっは、それでこそだ。こい!」
「ユーリの全力で行けば良いよ、私は見守ってるから」
「サンキュ、アルシア」
戦いの火蓋は切って落とされた、ユーリはいつもの如く、ドンに向かって行き、剣技を叩き付けるがそこは百戦錬磨たる長、軽く剣で受け流す
簡単に後ろへ吹き飛ばされるものの直ぐさまに受け身を取り、耳障りな刃と刃が交わる音が響き渡る
剣の太刀筋を四方八方変えて切り掛かろうともドンの前では全てが無意味、剣を弾かれた後に脳天を揺らがす程の衝撃が加わり、ユーリの剣を持つ手が一瞬緩むが何とか構え直す
「ユーリがここまで苦戦する、なんて…」
「ちぃっまだまだ!」
「おおっとここまでだ、これ以上は本気の戦いになっちまうからな
久々に楽しかったぜ、それじゃ話を聞こうか」
「ドン、お話中すみません」
刃を降ろしたドンへ近付いてきたギルドの男性が耳打ちすると、ドンはここからの引き上げを命じ、急用でダングレストに戻らなければならないらしく、話は街で聞いてくれる様になった
「こっちは結構本気だったんだがな、……ギルド、か……」
「作るん、でしょ?」
「そんときが来たらな」
「その時は私はどうしようかな」
「で、どうよ?やっと俺様の偉大さが伝わったかね?」
「うん、おじ様の強さの訳とドンからの信頼は伝わったよ?」
「アルシア、正直に答えなくて良いから」
「偉大なのはレイヴンじゃないんじゃない?」
「なによ、すぐケチつけるんだから、アルシアちゃんの優しさを分けて貰いなさいよ」
「さ、ダングレストに戻って、ドンに会ったらバルボス探しの続きだ」
レイヴンの言葉に素直に答えるアルシアにユーリが止め、それにレイヴンが文句を言うがユーリは軽く受け流すもので口を閉ざし、肩を落とした
「リタ、ユーリ達の用事が終わったら、わたしたちはアレクセイに報告へ」
「?リタ、どうしたの?」
「……あ、何?」
「ユーリ達の用事を済ませたら、アレクセイに報告に行き……、どうかしましたか?」
「な、何でもない。ほら戻るわよ」
何かを考える素振りで明らかに可笑しく見えるリタにエステルは不思議そうに首を傾げた
答えの欠片にはまだ程遠く、
(嫌ぁぁぁ!虫ぃぃ!)
(アルシア落ち着いて下さいー!)
(え、アルシアも虫嫌いなの?)
(幽霊の次に嫌いだとよ)
(あら可愛いじゃなーい?)