chapter:12 冷雨に晒されようと刃は錆びない
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「こりゃ、完璧に廃墟だな」
「こんなところに誰が来るっていうのよ」
「でもレイヴンさんが…」
「またいい加減な情報、掴まされたかな……」
「また……?」
「そこで止まれ!当地区は我ら『魔狩りの剣』により現在、完全封鎖中にある」
「えっ?」
「この声……!?」
小雨の様に降り掛かって来た声の方向へ振り返ると欠けた屋根上に三日月型の武器を背負った少女がいた
言葉を聞く限りは少女はカロルと同様の魔狩りの剣の一員らしい
「これは無力な部外者に被害を及ぼさないための措置だ」
「もしかしてあの子…」
「ナン!よかった、やっと追いついたよ」
「………」
「?」
嬉しそうに笑顔を輝かせるカロルと代わり、ナンと呼ばれた少女は無言で冷たい視線で彼を見下ろす、その様子にアルシアは首を傾げた
馴れ馴れしく話し掛けて来ないでと突き放した彼女にカロルは少しはぐれただけだと言うと、彼女はその冷たい視線を尚厳しくつり上げた
「よくそんな嘘が言える!逃げ出したくせに!」
「逃げ出してなんていないよ!」
「また言い訳するの?」
「言い訳じゃない!ちゃんとエッグベアを倒したんだよ!」
「それも嘘ね」
「ほんとだよ!」
「せっかく魔狩りの剣に誘ってあげたのに……
今度は逃げないって言ったのはどこの誰よ!昔からいつもそう!すぐに逃げ出して、どこのギルドも追い出されて……」
「わあああああっ!!」
一瞬何か憂いを秘めた表情をしたナンは直ぐに表情を正し、発した言葉はカロルの絶叫に遮られてしまう、そんなカロルに皆の視線は集まる
そんなカロルを身下し、ナンが言ったのはカロルのクビ、再びの警告を発するとナンはもはやカロルを見る事もなく、屋根上から軽やかに飛び降りてしまった
「それにしてもどうして魔狩りの剣とやらがここにいんだろうな」
「さあね」
「魔狩りの剣は魔物討伐専門のギルド、ここに魔物討伐に来たんじゃないかな」
「リタ、待って下さい。忠告忘れたんですか?」
「入っちゃだめとは言ってなかったでしょ?」
「で、でも命の保証をしないって……」
「あたしがあんなガキにどうにかされるとでも?冗談じゃないわ」
「それに私達だったら魔物が出ても何とかなるし、ね?」
「ま、とにかく紅の絆傭兵団の姿も見えないし奥を調べてみようぜ」
「カロルも行こう?」
「…」
ナンからの忠告を真に受けてしまったエステルを説得し、放心状態のカロルに声をかけながらアルシア達は廃墟の中へと進む
進んだ先にはまだ使えそうな魔導器の様な機械が置いてあり、直ぐさまリタが反応した
「何か分かりそう?」
「なるほどね……ちょっと変わってるけど転送魔導器の一種みたい
起動は……っと……あれ……?」
「どうした?」
「……起動のためのスイッチがないの、魔核はちゃんとあるし、魔核の脱着でなんとかするタイプでもないみたい」
「どこか別のところに起動スイッチがあるんでしょうか?」
「そうね……これの他にも同じ魔導器がこの街に設置されてるとしたらそれを一括して、管理する装置があってもおかしくないわ」
「なんだじゃあ動かせねぇんだな、残念」
「え……何が残念なの?」
「いや、直感的になんか面白そうだなと思って」
「ユーリったら…」
「魔導器はオモチャじゃないの」
「その管理している装置を探し出せばいいんじゃないですか?」
「先に行くにはこの魔導器も使用する事もありそうだね…」
「そうね……」
「見つかりゃいいけどな」
起動出来ない事とこれを一先ずは動かす事が出来なければ、先に進めない事が分かり、アルシア達は起動用の装置を探す事に
先には進めたものの辺りには上へ上がる為の階段はなく、ただ雑草が生い茂ってるだけの行き止まりに当たってしまった
「行き止まりですね」
「他に道はなさそうだね…」
「引き返すか、あるいは……」
「待って、調べるから
あれぇ?鍵穴も何もないな」
「どれどれ……」
「ユーリ、素人には無理だよ、この手の扉は……」
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