chapter:11 この言葉は夜の心に届きましたか
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「ユーリは大丈夫でしょうか…?」
「大丈夫だよ、ユーリならきっと…」
「ひーしょっぺーな、大分飲んじまった」
「ユーリ!良かった…!でもその人は…」
「ヨーデル…!」
「え?」
沈み行く船から脱出してきたユーリの姿に安堵したアルシアは涙を浮かべつつ、微笑む
その後ユーリが助け出した青年が誰なのか思いつつも近くを通りがかったフレン達の船に助け出され、アルシア達は目的地のカプワ・トリムへ辿り着いたのだった
「ありがとうございます、おかげで助かりました」
「所で…」
「ね、こいつ誰?」
「え、えっとですね……」
「今、宿を用意している、詳しい話はそちらで、アルシアの手当も、それでいいね?」
「ああ」
「私の怪我なら別に…」
「「「ダメに決まって(るだろ/ます)!」」」
「うぅ…」
自分の怪我への総ツッコミに泣きそうになりながらもアルシアはフレンが用意したという宿屋へ
だがそこで再会したのは思いもしなかった人物ラゴウ、だが彼はシラを切る始末、 呆れと怒りを平等に持つユーリとアルシアは記憶喪失かと挑発
「執政官、あなたの罪は明白です。彼らがその一部始終を見ているのですから」
「何度も申し上げた通り、名前を騙った何者かが私を陥れようとしたのです、いやはや迷惑な話ですよ」
「ウソ言うな!魔物のエサにされた人達をあたしはこの目で見たのよ!」
「証言者が足りないなら、カプワ・ノールの人達に聞けばいい、あなたのやった最低な事実を!」
「さあフレン殿、貴公はこのならず者と評議会の私とどちらを信じるのです?」
あくまでも罪を認めようとしないラゴウは自分の立場を利用し、フレンに訴える、フレンは帝国の騎士だ、口等出せる筈もなかった
自分達を嘲笑う様にラゴウは部屋を出て行く、再び怒り心頭を現すリタはユーリが船で助け出した青年の正体を問いただす、口籠るフレンの横を通り、エステルが答えた
「この方は次期皇帝候補のヨーデル殿下です」
「へ?またまたエステルは……」
「次期皇帝候補…だから船に…」
「……ってあれ?」
「あくまで候補のひとりですよ」
「本当なんだ、先代皇帝の甥御にあたられるヨーデル殿下だ」
「ほ、ほんとに!?」
驚愕するカロルの言葉にヨーデルは笑みを讃え、肯定した、だがアルシアが呟いた様な言葉を質問としてユーリはエステル達にぶつけるが帰ってくる訳がなかった
帝国内部の問題にエステルが関わってるのもこれで明白になった、苛立を隠しながら部屋を出ようとする彼にフレンが引き止める
「ユーリ…そうやって背を向けて何か変わったか、人々が安定した生活を送るには帝国の定めた正しい法が必要だ」
「けどその法が今はラゴウを許してんだろ」
「だからそれを変える為に僕達は騎士になった、下から吠えているだけでは何も変えられないから
手柄を立て、信頼を勝ち取り、帝国を内部から是正する、そうだったろユーリ」
「……だから出世の為にガキが魔物のエサにされんのを黙って見てろってか?下町の連中が厳しい取り立てにあってんのを見過ごすのかよ!
アルシアだってそれにあってんだぞ!それを…オレ達の邪魔にならない様にと無理してたのに気付けなかった、それができねぇからオレは騎士団を辞めたんだ」
「知ってるよ、けどやめて何か変わったか?」
「……」
「騎士団に入る前と何か変わったのか?」
「っ二人とも、もう止めて!!お願いだから…っ」
「アルシア…」
いつもこうだ、互いが正義を持っているのに相反し仲を引き裂く、それに辛そうに眉を潜めながらアルシアは肩を揺らして叫ぶ
悲痛な叫びに部屋に平穏が響き、ユーリはラピードと共に部屋を出て行ってしまう、閉じられた扉に涙を浮かべながらも顔を俯かせるアルシアにフレンが近づき、頭を撫でる
「ごめんアルシア、君にはいつも嫌なものを見せて辛くさせてしまうな」
「…ううん、どうして…こうなっちゃうの…?二人とも違う意志を持ってるだけなのに、幼馴染みなのにどうして…」
「…アルシア」
「大丈夫、私なら大丈夫だからフレンは進んで?さっき言ってくれた自分の意志で、私は違う場所にいてもフレンを支えるから」
涙を拭い、いつもの笑顔を浮かべるとアルシアはユーリの後を追うと言って、宿屋を出て行った
そして直ぐに見つけた、彼は宿屋の横で燻り、自身の苛立を壁にぶつけていた
「壁なんか殴っちゃったら怪我しちゃうよ?」
「!アルシア…ったく格好悪いとこ見られちまった」
「格好悪くないよ!…ねえユーリ」
「ん?」
「私がいること、忘れないでね…?私はいつだってユーリを支えたいって思ってるから」
「分かってるよ、サンキュアルシア」
ぽんぽんとフレンが先程撫でた箇所と同一の所を撫で、ユーリはアルシアの髪に一瞬口付けたものだから顔は真っ赤に染まったそうな
この言葉は夜の心に届きましたか
(決して交わらないと言われても、)
(私はただ二つの正義が重なる日をいつも、いつだって、)