chapter:43 プワゾンに抱かれ、紛れて、
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「アルシアちゃん、嬢ちゃん」
「え…?」
ミョルゾの街に地響きが響き渡る、この街は地面と接していないから自然に現れたものとは考え難く、考えつくのは人工的なもの
家屋にいたユーリ達も例外なくそれを感じ、入口の方向へと向かうとそこに何台かあった魔導器の一つが稼働している事に気付く
「魔導器が動いてる、どうして……?」
「……魔核が装着されてる」
「ここに何か文字が……転送魔導器……?」
「つまりそいつで誰かがミョルゾから出たのか?」
「そう言うことになるわね」
「でもここの魔導器は全部捨てられて動かないものではないのかの?」
「ええ……そのはずなんだけど」
背後から騒動を聞きつけた長老が現れ、魔導器が稼働している事に疑問視していると転送魔導器で誰かが街を出た事をカロルが告げる
ここでリタが姿を見せない二人の所在を不安がる
「二人……アルシアとエステルはどこ?」
「おっさんもどこ行ったんだ?」
「え?まさか……三人が?」
「どういうことじゃ?」
「ふーむ……ここの魔導器はみな肝心の魔核をとうの昔に失ったものばかりのはずじゃが……」
「多分、外から魔核を持ち込んだのよ。装着なしにただ装着したって動くはずないんだけどアルシアとエステルなら別かもしれない
エアルに直接干渉できるのなら魔核の術式にあわせてエアルを再構成することも出来るかも、アルシアなら外のエアルを集束して魔核に吹き込むことも出来るし」
「でも一体どうして……」
三人が転送魔導器で街を出たという仮定が出るもその理由と意図が分からず、疑問と共に一抹の不安が浮かぶ
そんな中でジュディスが長老に頼み、三人が街にいないかをクリティア族の者達に探してもらえる様に頼み、自分達も街へと戻り捜索する
だがクリティア族の手を借りても三人の手がかりは掴めずに再度入口へと戻ると長老が彼らを待ち受けていた
「やっぱり三人ともどこにもおらんのう」
「一体どうしちゃったんだろう」
「とにかく降りて探さなきゃ!」
「降りてと言っても世界は広いのじゃ、闇雲に探すのは無謀なのじゃ」
「三人とも散歩かもしれないぞ?」
「ボクたちに黙って街を出る散歩?そんなワケないよ!」
三人の行方が掴めずに焦燥するカロル達の中で一人ユーリの脳裏にエゴソーの森でのレイヴンの発言が思い返される、その発言はアルシアも気にかけていた事だ
『……まあ……死ぬ気でがんばるのは生きてるやつの特権だわな、死人にゃ信念も覚悟も…』
次に脳裏に思い返されるのは初めて彼と出会ったザーフィアス城の地下牢での出来事
『出ろ」
『いいところだったんですがねえ』
『騎士団長直々なんておっさん、何者だよ』
―……っ!なんで今になって思い出す……
「なんか嫌な予感がしやがる」
「早く追っかけよう!」
「気持ちはわかるけれど、とにかく落ち着いて」
「あんた!心配じゃないの?!」
「心配よ、だからこそ落ち着いて考えなきゃ、ね?」
「そ、そうね……うん、わかった……ごめん」
状況が状況だからこそ冷静な対処を求められる、それを思い出され、リタは素直に謝罪する
何か三人を追ういい方法はないかという問いかけに長老はミョルゾの街を包む始祖の隸長ならと思い浮かべ、ジュディスがナギーグを使って対話を試みる
「始祖の隸長だものね、魔導器のエアルの流れを感じ取っていたかも、聞いていたでしょう?教えてもらえるかしら?
……なんとなくの方角でしか……西の方、砂の海……街?もうひとつはっきりしないけど、砂漠の街……多分ヨームゲンの方だと思うわ」
「前にデュークと会った、コゴール砂漠の街だね」
「砂漠の……あんな何もない街に何しに行ったのかの」
「すぐに向かおう」
手がかりを掴み、ジュディスを覗くユーリ達は急いでフィエルティア号へ駆け込む
それを見つめながら、長老はジュディスへと再び外界へ向かうのかと問い、彼女は当然と言わんばかりにそれを肯定した
「なにもつらい役目を負うことはない、もう良いのではないか?」
「ありがとう、長老さま。でも私、今つらくなんてないのよ」
「む」
「ふふ、長老さまも外界に出てみればわかるかも」
彼女の脳裏に浮かんだのはこれまで共に歩み、自分とその役目を受け入れた仲間達、そして初めて出来た同い年の友人だった
プワゾンに抱かれ、紛れて、
(少女の心は毒に侵され、解けてゆく)