chapter:43 プワゾンに抱かれ、紛れて、
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「フェローが聖核の話をしなかったのは触れたくなかったから……かもねぇ」
「長老さま、もっと色々聞かせてもらいたいの」
「オレたちは魔導器が大昔にどんな役割を演じたか調べているんだ
もしそれが災いを呼んだのなら、どうやってそれを収めたのかも。ミョルゾには伝承が残ってるんだろ?それを教えてくれないか」
「ふむ、いいじゃろ。ここよりワシの家にうってつけのものがある、勝手に入って待ってなされ」
そう言うと長老はアルシア達を自分の家へと案内するでもなく、その場を立ち去るもので虚を衝かれてしまう
どこにいくのかと聞けば、日課の散歩の途中だったらしくもう少し散歩を堪能してから戻るとの事、確かにジュディスがマイペースの様に彼もマイペースの様だ
「聖核、魔導器、エアルの乱れ、始祖の隸長……色々繋がって来やがった」
「伝承ってのを聞いたら、もっと色々繋がってくるかも」
「長老さまの家は屋根の色が違うあの大きな建物よ」
「わかった」
「パティ、行くわよ」
「おう、行くのじゃ」
周りの家屋とは違い、赤色の屋根を持つ長老の屋敷に本人の了承も得ているという事で上がりこみ、各々家の中を見渡したりと自由にする
だがやはり礼節を重んじるエステルは勝手に入って良かったのかと気が退けているものの本人の了承があるのだからとリタはリラックスモード全開である
「リタ、リラックスしてるね…」
「やっぱりクリティアの人ってなんか変わってるよね」
「のほほんとしてるというかマイペースというか」
「おかしな人たちでしょう?」
「ジュディスも何となく似てるけどね」
「おかしいわね、随分違うと思うのだけれど」
「パティもノリが合いそうだね」
「それじゃあ、ここに住むのもいいかもの……」
そんな会話をしていると扉が開き、散歩から長老が帰宅、普段は一人なのだろう、彼はただいまと零せばエステルがそれにお帰りなさいと返したのだった
長老は家の奥へとアルシア達を案内するもそこにあるのは何の装飾も施されていない灰色の壁画があるのみだ
「…………?」
「これこそがミョルゾに伝わる伝承を表すものなのじゃよ」
「でもただの壁だぜ?」
「ジュディスよ、ナギーグで壁に触れながら、こう唱えるのじゃ
……霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き」
催促され、ジュディスはミョルゾの道標を手にした時の様に壁画の前へと歩み寄ると長老の言葉を反復する
「霧のまにまに浮かぶ夢の都、それが現実の続き……?」
瞬間、壁画の中心から虹色の光が左右へと流れ、それまで何も記されていなかった壁画へと装飾が施されていく
「これは……」
「洞窟の時と同じ…?」
「ほー、ナギーグってのはこんなこともできんのね」
「ナギーグを知ってなさるか、この力と口伝の秘文により、この壁画は真の姿を表すのじゃ」
「な、なんか不気味な絵だね……」
「『クリティアこそ知恵の民なり、大いなるゲライオスの礎、古の世の賢人なり
されど賢明ならざる知恵は禍なるかな、我らが手になる魔導器、天地に恵みをもたらすも星の血なりしエアルを穢したり』」
「やっぱりリタの言ったとおり、エアルの乱れは過去にも起きていたんですね」
「…」
壁画の絵が表すエアルの乱れは世界を食べようとせんばかりに広がっており、大量のエアルは世界全体を飲み込むかの様な規模だったと長老は告げる
「『エアルの穢れ、嵩じて大いなる災いを招き、我ら怖れもてこれを『星喰み』と名付けたり……』」
「『星喰み』……」
「『ここに世のことごとく一丸となりて『星喰み』に挑み、忌まわしき力を消さんとす』」
「ねえひょっとしてこれ、始祖の隸長を表してるのかな?」
「魔物みたいなのが人と一緒に化け物に挑んでるように見えるねぇ」
「じゃあ始祖の隸長はかつて人と協力して『星喰み』を収めた…ってこと?」
「結果、古代ゲライオス文明は滅んでしまったが、『星喰み』は鎮められたようじゃの
その点はワシらがこうして生きていることからも明らかじゃな」
ここまで話を聞く限りではこの壁画は『星喰み』を鎮めている図と思うが、パティが『星喰み』とは離れた箇所に描かれた巨大な輪の様なものを見つける
それは壁画の所有者である長老でさえも分からず、ナギーグを使うジュディスに聞くしかないが…彼女は重く口を閉ざす
「…」
「ジュディ?」
「『……世の祈りを受け、満月の子らは命燃え果つ。『星喰み』虚空へと消え去れり』」
「なんだと?」
「『世の祈りを受け……満月の子らは命燃え果つ……』」
「『世の祈りと満月の子の意志引き継がれ、エアルを調律せし者、陽月の子表れん、その者『星喰み』の封印となりて具現せし楔なり
かくて世は永らえたり、されど我らは罪を忘れず、ここに世々語り継がん。……アスール、240』」
「『『星喰み』の封印となりて具現せし、楔なり……』」
「どういうこと!」
満月の子と陽月の子の痛烈な過去を聞き、当の本人達はその衝撃に何も言えなかったがリタがその代弁者として長老へと食って掛かる
だが彼は自分達の言葉の全てが全て、何を意味しているのかまでは分からずに壁画に記された満月の子と陽月の子の過去の詳細までは分からず終い
「とにかく魔導器を生み出し、ひとつの文明の滅びを導く事となった我らの祖先は魔導器を捨て、外界と関わりを断つ道を選んだとされておる」
「!待って、エステル!」
「エステル!アルシア!」
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