chapter:42 レゾナンス・シンフォニーの結論
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「油断したぜ、もう一台あったとはな」
「まさか……アルシア、ユーリ、わたしに力を使わせないために……!?」
「最初に走り出したのはアルシアだけどな」
「どうしてそんな無茶するかねぇ」
「本当……あなたたち死ぬ気?」
「これぐらいの傷、日常茶飯事だっての」
「もしさっきのがこっちに被弾してたら、これよりもっと酷い傷出来てたかもしれないって考えたら軽い軽い!」
言葉に出しはしないものの結果的に自分に力を使わせる事がなかった二人の傷を見てエステルは表情に浮かべた不甲斐なさの色を強め、自分の所為でと謝る
それを責める事なくアルシアの分も含め、先程の件でおあいこだろうと同意を求めるも自分の所為で怪我をした事に渋ってしまう
「エステル、ここはありがとう、じゃないかしら?」
「あ……ありがとう、ございます」
「私もさっき、守ってくれてありがとう…エステル」
「それより……っとあっちの魔導器もなんとかしようぜ」
「あんた、向こうの……って……!?」
「ふきゃん!」
制止させるべき魔導器がもう一機あった事を知り、そのもう一機について暗号鍵を解いていた男にリタが問いただそうとした所、彼はパティを押しのけ逃げ出してしまった
逃げ足が速い事に感心しつつも早く捕まえなければとなるもののその場に尻餅をついたままのパティを放っておく事は出来なかった
「リタ姐……すまないのじゃ……逃がしてしまったのじゃ……」
「……いいわ、ここはあたしがなんとかするから」
「え……でも簡単じゃないって……」
「騎士団さえいなくなりゃ、そんなに慌てる必要もないでしょ。それにあたしを誰だと思ってんの?天才魔導士リタ・モルディオ様よ?魔導器相手なら死ぬ気でやるわよ」
「……死ぬ気で……か……」
自分を責めるパティを追い打ちをかける訳でもなく、リタは善は急げと言わんばかりに魔導器へと駆け寄ると暗号鍵の解析を開始する
暗号鍵の解析へ打ち込む彼女の背中を何かを背負い続けるレイヴンとパティは感慨深そうに見つめていた
解読だけでなく他にも何かを施している彼女は再び親衛隊に魔導器を使わせない様にと細工を施し終え、一言謝ると魔導器は活動を止め、ただの無機物となった
「命を賭けるものがある若人は輝いてるわね~」
「一度死にかけた身としては死ぬ気でってのはシャレにならねぇか」
「ん?死にかけたって?」
「人魔戦争の時、死にかけたって言ってたろ?」
「ああ、その話したっけか
……まあ……死ぬ気でがんばるのは生きてるやつの特権だわな、死人にゃ信念も覚悟も……」
「おっさん?」
「あーいやいや、おっさん、ちょっと昔を思い出しておセンチになっちゃった。ささ、いこいこ」
「(おじ様、やけに死人って表現にこだわってるけどどうしたんだろう…)」
意味深な言葉をとぎらせ歩き出すレイヴンの表現と今日の彼の在り方にアルシアは訝しげに眉を潜め、小さく首を傾げた
同じ様にレイヴンと会話をしていたユーリは魔導器前に居続けるパティを目にかけると彼女は一つ頷き、今度は同じ足取りで歩き出した
崖下に降り、道なりに進んだ先の洞窟を抜け、対岸へと出ると先頭を切っていたエステルが何かに気付き、目を見開いて叫ぶ
「皆さん、伏せてくださいっ!」
魔導器から再びエアルが放たれるも今度はアルシアとエステルの力を使用せずに物陰に隠れることで攻撃をやり過ごした
全員無事な事を確認するも一人レイヴンが顔色を悪くして膝をつき、体調の悪化を表現していた、見るからに辛そうな彼をこれ以上連れて行くのは更なる体調の悪化に繋がるだろう
「おっさん、ここでリタイアするか?後はオレたちで行くから」
「ここで置いてかれたら俺様行くとこ、なくなっちまう」
「え…?」
「ユーリだって本気で置いてくわけないじゃん、それに行くとこないって「天を射る矢」があるじゃない」
「んー?まああれはねえ、なんというか、ちょっとそういうのと違うのよ」
「そうなの?」
「ふーん……」
「おっさん大丈夫なら次、充填して攻撃しかけてくる前にあの魔導器までいっちゃお」
「あいあい~了解~」
充填が済むのが先か自分達が辿り着くのが先かという時間との勝負はどうやら自分達が制する事が出来そうだ、後もう少し走れば魔導器に届く
その道中で魔導器から妙な稼働音がしているのに気付くもリタが言うにはこの音はエアルを充填しており、まだエアルを撃つには十分な充填が済んでいないと説明を受けた
「さっさと足下にもぐりめば、敵さんも手の出しようはないみたいね」
「そうも言ってられないんじゃなくて?」
ジュディスの視線の先では自分達に気付いた親衛隊が続々と下って参り、その逆からも違う親衛隊が下って来る、俗に言う挟み撃ちという奴だ
「こりゃ踏ん張っていかねぇとな!」
「これ、充填の時間稼ぎとしたら…バラバラに戦った方がいいんじゃないっ?」
「それもそうか…アルシア、そっち頼む!」
「了解!さあ行くよ?音紗!煌めけ、蒼き従者!誰か詠唱中のフォローをお願い!」
「俺様にお任せよん!ふっ土竜なり!」
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