chapter:42 レゾナンス・シンフォニーの結論
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「ここがエゴソーの森、クリティア族の聖地よ」
「へえ、思ってたよりのどかで気持ちのいいとこじゃない」
「わ、意外。暗くてじめじめした研究室が好きなんだとばっかり……」
眼前に広がる閑静な面持ちで自分達を出迎える生い茂った緑、風に揺れる葉と葉が擦れる音はここでは心地良く感じるものだ
森の景観を素直に賞賛するリタに心外な事を言ってしまったことで彼女の怒りを買い、カロルは頭を屈めた
それに敢えて触れずにエステルは心から残念そうに何もない時にここに来たかったと呟く、その言葉はこの森に来た理由が戦いという似つかわしくない目的で来た事からの遺憾からだろう
彼女の呟きに合わせずに森の景観に不相応な大砲の形をした魔導器が視線の先の崖の上に置いてあるのを見た、それこそが謎の集団が持ち込んだものだろう、だが…
「兵装魔導器じゃない……」
「その、謎の集団って何なんです?」
「それはくわしく聞けなかったけど……とにかくミョルゾへの行き方教える代わりにそいつら何とかしろって」
「何とかするってのはあれぶっ壊しゃいいってこと?」
「どうなのかしら、それでいいならそうするけど」
「あんたが壊す必要のないよう、あたしがちゃんと処理するわよ」
「そう?期待してるわ」
当初の目的である魔導器を早々に見つけた事から皆、その方向へと歩き出す
だが…一人この森に来る前に精神的打撃を受けたまま、傷が癒えずに一歩歩き出せないパティに気付き、ユーリが気遣う
「船で休んでるか?」
「……行く、のじゃ……」
「…………」
「パティ……」
一人歩き出す小さな背中が妙に痛々しくてアルシアは眉を顰め、パティの中にある傷の大きさを知った、それがまた顰めた眉に一層深みを強ませたが
魔導器へと向かう道中、それを阻むかの様に赤色の生地で着飾った騎士団が武器をアルシア達に突きつけた
「止まれ!ここは現在、帝国騎士団が作戦行動中である」
「親衛隊……ありゃ騎士団長直属のエリート部隊だよ」
「その騎士団長様の部隊がこんな森に兵装魔導器持ち込んで、一体なにしようってんだ?」
「答える必要はない、それに法令により民間人の行動は制限されている」
「ふーん、それはいいとしてもその刃、どうしてオレたちに向いてるんだ?」
「かかれ!」
騎士団の刃は民間人を守る為にあるというのに目の前の彼らにはそれがない、彼らの刃にあるのは…作戦の成功だけだろう
ハルバートを手にした騎士が二人、その補助にと術士の姿をした女性達が敵と見なしたアルシア達に攻撃を仕掛けてきた
「双光零破!からの剛招来!そっちがその気なら…迎え撃つまで!閃空裂破!爆雷陣っ!!」
「その敵、私が後を受け持つわ、如月!月光!! さよならね」
アルシアの剣技だけで相当の重みだというのに続けざまにジュディスの槍術がナイトハルバートを穿ち、絶えきれずにその場で崩れ落ちた
他を見ると後の騎士達はユーリ達により一掃されてしまっており、これ以上の戦闘は望めなかった、だが戦闘が終わったというのにユーリは一人浮かない顔を浮かべていた
「やれやれ、ついに騎士団とまともにやり合っちまった。腹くくったそばから幸先いいこった」
「謎の集団って騎士団のことだったんですね……」
「でもなんでボクたちを襲ってきたのかな?」
「知られたら困るようなことをここでやっているからでしょ」
「それがあの魔導器ってこと?」
「だろうな」
「全うなことしてないってことだね」
皆が丁度真上にある崖上にある魔導器に目をやっている中、先程の戦闘中も力が入っていないパティは俯いたままで、そんな彼女にリタが気付き目をやる
「…………」
「あんた自分でついてくるって言ったんだから、しゃんとしなさいよ」
「……わかってるのじゃ」
ラピードが逸早く唸った瞬間、崖上の魔導器は突然にこちらへ照準を合わせ、エアルを放ってきた
それは最初は全員を狙い、中央を穿つ軌道をしていたと言うのに何かに導かれるかの様に先頭にいたアルシア一人を目掛けてきた
「え……?」
「アルシア、危ない……!」
呆然とそれを見ていたアルシアを庇う様にエステルが前に立つと彼女の目の前に障壁らしきものが派生し放たれたエアルはそれにぶつかると散乱して事なきを得る
だが弾丸から散ったエアルが瞬間、アルシアへと吸い込まれ、障壁を派生した余韻からの疲労でエステルと共にその場に膝をついてしまう
「エステル、アルシア……!」
「……今、何、したの?何が起きたの?」
「ヘリオードでやったのと同じ……!エステルの力がエアルを制御して分解したのよ!あんたまたそんな無理して……
そして魔導器から放たれたエアルがアルシアの力に反応して誘導されたって訳、分解されたエアルが吸収されたみたいだけど……大丈夫?」
「ご、ごめんなさい、みんなが危ないと思ったら力が勝手に……!わたし、またアルシアに迷惑を…」
「エステルは何も悪い事してないんだから、そんな顔しないで?あ、リタ、体調の方は大丈夫だよ」
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