chapter:40 真実は道標として機能しない
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「さすがに疲れたわね、とりあえず人探しは明日にしましょ」
「賛成~久しぶりにまともなベッドで寝られるわ~」
「じゃあ、あたしの家に……」
リタの提案に乗ったレイヴンも流石に長旅で蓄積された疲れを声に出し、彼らを連れてリタは自分の家の方向に向かおうと踵を返す
だがそれをジュディスに一緒に来て欲しいと頼んだカロルが引き止める、彼は全員の前に歩み出ると神妙な面持ちでジュディスを見るもので一目で彼女の事だと分かった
「……私の事ね」
「カロル……」
「ギルドの話し合いよ、横やりは無しにしようや」
「ボク、ずっと考えてた。ギルドとしてどうすべきなんだろうって。で、思ったんだ
やっぱりギルドとしてやっていくためにも決めなきゃいけないって」
「どうするか決めたんだな?」
「聞かせて?カロルが決めたことを」
ユーリとアルシアの問いかけに神妙な面持ちをそのままにカロルは一つ頷く
ギルドは掟を守るという事が最優先事項であり、その掟を破れば例え友人でも兄弟でも厳しい処罰を受ける、それがギルドの誇りだと彼は言う、それは以前ユーリもアルシアも聞いたこと
それを置いた上でカロルはだから、と間を置き…
「だから……みんなで罰を受けよう」
「え?」
「ボク、ジュディスが一人で世界のためにがんばってるの知らなかった。知らなかったからって仲間を手伝ってあげなかったのは事実でしょ、だからボクも罰を受けなきゃ。ユーリ、アルシア」
「オレ?」
「わ、私も?」
思ってもみなかったカロルの言う「凛々の明星」でのケジメのつけ方に当事者であるジュディスも間の抜けた声を発してしまう
それを漠然と見守っていたユーリとアルシアにもカロルが声をかけるもので思わず二人は驚きで声が上擦ってしまった
「ユーリも自分の道だからって秘密にしてることがあった、それって仲間のためにならないでしょ
アルシアもユーリが秘密にしてたこと、ボク達より先に知ってたけど黙ってたでしょ?ユーリと同じで仲間のためにならないよ」
「ま、まぁな……」
「そう…だね」
「だから罰受けないとね」
「ものすごいこじつけ」
「……掟は大事だよ、でも正しい事をしてるのに掟に反してるからって罰を与えるべきなのか……ホント言うとまだわかんない……
ならみんなで罰を受けて、全部やり直そうって思ったんだ。これじゃ、ダメ?」
カロルが言う「皆で罰を受ける」、それは一人が間違っていたという事ではなく周囲も間違っていたという見解から生まれたものだろう
自分が考えた罰ではまだ自信がないのだろう、カロルは不安げに首を傾げ、三人の反応を待っている
「オレ、また秘密で何かするかもしれないぜ?」
「今度は私がギルドに迷惑をかける可能性だってあるよ?フェローの話、聞いたでしょ?」
「信頼してもらえなくてそうなっちゃうんならしょうがないよ、それはボクが悪いんだ
迷惑をかけるのだってそれはボクたちを信頼してくれてるから出来ることだと思う」
「またギルドの必要としてる魔導器を破壊するかもしれないわよ?ギルドのために、という掟に反するわ」
「でもそれは世界のためだもん、それに掟を守るためにギルドがあるワケじゃないもん。許容範囲じゃないかな」
何かしない可能性はないと言うのにこの旅の中で培った広い心で受け止めるカロルと彼が出した掟とそのケジメにギルドメンバーではないリタは呆れ、レイヴンはひと味違う彼らに笑みを零した
型にとらわれる事のない自由を尊重する様に決めたカロルにユーリとアルシアは素直に賞賛した
「カロル、おまえすごいな。オレは自分がどうするかってのは考えてたが仲間としてどうしていくかって考えられてなかったかもしれない
オレには思いもつかないけじめのつけ方だ」
「ちゃんとカロルは私達を見て、そこから答えを見つけてくれたんだね。本当に成長したねカロル」
「ボ、ボクはただみんなと旅を続けたいだけなんだ。みんなの道と「凛々の明星」の道を同じにしたいだけなんだよ」
「そっか、そうだな。ジュディ、そういうことらしいぜ」
「おかしな人たちね、あなたたちホントに……でも……そういうの、嫌いじゃないわ」
「じゃあ改めて「凛々の明星」出発だね!」
一度は崩れかかったギルドを立ち直し、再びここから歩み出す事を決めた四人の表情は晴れやかのものだった
それを見ていたレイヴン達は各々に感想らしいものを呟き、ギルドの結束を見て羨ましがるパティの一言にカロルは彼女を「凛々の明星」に誘うものの今はだめだと言う
彼女にはまだ自分の記憶を取り戻すという役目が成せていないからだ、だがここで肝心な事を思い出す、皆と受ける罰の事だ
そこまでカロルも考えてなかったらしく言葉をどもらせ、思考錯誤していたがそこでリタが口を挟む
「休まずに人探しってとこかな、あたしたちはウチで待ってる」
「ちょっと!勝手に決めないで……」
「何よ、文句ある?」
「はっはっは、ねぇよ」
「ええ」
「ふふ、それで異論無しだよ」
「了解~……」
満面の笑顔を浮かべたリタの威圧感に勝てなかったカロルは渋々とその提案に乗ったのだった
真実は道標として機能しない
(それでも、私は。)
***
*フェロー(始祖の隸長)が夢主を哀れむ理由=ただの人間であり、大量のエアルの調整などによりその寿命は酷く短く、世界を混乱に招かない為の人柱だから
*フェロー(始祖の隸長)が夢主を傍に置こうとする理由=夢主の術式に反応したエアルを代わりに取り込む事が出来る為
*夢主の体内の術式=リゾマータの公式と同一、エアルを…
*暴走したエアルが夢主に入り込む理由=夢主の術式がエアルをとある物質に還元しエアルの暴走を鎮静する事が出来るため
*陽月の子=満月の子の様に魔導器なしで使える術者の総称、また始祖の隸長の様にエアルを調整したり、エアルをとある物質に還元し自身の力に変える事が出来る存在
*夢主以前の陽月の子=後半で明らかにさせます