chapter:40 真実は道標として機能しない
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ジュディスから自分と交わした約束を出され、尚かつ説得を受け、フェローはアルシア達人間の動向を見守るという事に決めたらしい
考える時間が少ないという事、話す言葉もなくなった為か彼は再び飛び立つがその姿にリタは駆け寄る
「待って!術式がエアル暴走の原因っていうのなら昔にも同じように暴走したことがあるはずでしょ。魔導器は古代文明で生み出された技術なんだから」
『罪を受け継ぐ者たちがいる、そやつらを探すがよい。彼の者どもなら過去に何が起こったのか伝えているであろう』
律儀にリタの問いかけに答えるとフェローは今度こそ、その巨体を空の果てへと姿を消したのだった
「行っちゃった……」
「バイバイなのじゃ」
「えっと、あの……ありがとうございます、ユーリ。それに……ジュディスも」
「ううん皆、だよ、本当にここまで来てくれて…フェローから私達を守ってくれてありがとう」
漸く当初の目的を果たした事で問題はまだ残っているもののアルシアは笑顔を浮かべ、ここまでついて来て貰ったユーリ達に感謝を告げられたのだった
残された問題の為にこれからどうするかを話し合う為、フィエルティア号の中へと場所を移した
「はぁ……どうなるかと思ったよ」
「あーんなデカブツ相手によくまあ話だけで済んだねぇ、おっさん心臓がどうにかなりそうだったわ」
「おっさんのくせに度胸がないのじゃ」
「本当、パティちゃんはいつも肝が据わってるのね」
「本当にエステルを殺して、アルシアを奪うつもりなら問答無用でくればよかったはずだが……そこがどうも解せないな」
「多分フェローも迷ってたのよ、だから私たちがどう振舞うか見定めるために砂漠では姿を隠した」
「ふうん、思ったより悪いやつじゃなかったのかな?」
「どうだかな。いざとなりゃなんだってやるタイプだと思うがな、オレは」
「それはあんたも一緒でしょ」
「……かもな」
「言われちゃったね?ユーリ」
リタに揚げ足を取られ、苦々しい表情をするユーリを可笑しそうにアルシアはくすくすと笑みを零す、その姿を表面上だけ見ていれば自分達と変わらない普通の少女だ
特殊な術式を身に宿すが故に普通になれないと言うなら、世界の事を引っ括めてどうにかするだけだ
「でもどうするの、ユーリ?あんなこと言っちゃって」
「エアルが悪さすんのをどうにかする、それだけだろ?」
「つっても手がかりゼロじゃ話になんないんでない?」
「うむうむ、手がかりは大切じゃぞ」
「エアルの消費に関しては間違いなく術式が関わってるはずなのよ、昔の魔導器についてやその時に暴走が起きたかどうかその辺の情報があれば、手がかりになるんだけど……」
「フェローが言ってた事は手がかりになるんじゃないかな?」
「過去の出来事については罪を受け継ぐ者たちに聞け……フェローはそう言ってました」
「魔導器を発明したのはクリティア族、つまり今も伝承を受け継ぐクリティア族に聞け、という意味ね」
逸早くフェローの言葉の真意に気付いたジュディスがそう答えを導くもののテムザの街はとっくの昔に滅び去っている、滅び去った場所で情報は望めないだろう
他にもクリティアの街があればフェローが言う情報を手に入れる事は出来る、だが果たして彼は滅んだ街を指す様な者だろうか?
「隠された街ミョルゾ。テムザよりずっと古いクリティアの故郷、そして魔導器発祥の地」
「ほへ~そんな街があるのね。もしかしてジュディスちゃん、そのミョルゾってのどこにあるか知ってる?」
「さぁ?」
「その名前に覚えがある……アスピオに来てたクリティア族の人がなんかその名前をいってたような」
「じゃあその人にミョルゾの事を聞ければ…」
「その人、まだアスピオにいるでしょうか?」
「ま、当たってみるしかないな」
「ジュディス……一緒に来てくれる?」
「……そうね、まだギルドのケジメが残ってるものね」
「じゃあアスピオに行くとするか」
次の目的地であるアスピオ、そこでミョルゾの手がかりは手に入るのか…そしてカロルはジュディスにどんな罰を与えるというのか
その夜、フェローと話し緊張は解れるものと思っていたアルシアは目が冴えてしまい、甲板で一人夜空を見上げていた
「アルシア何してんだ、こんな夜中に」
「それはユーリもでしょ?…見えないなぁって思ったの」
「星なら見えてるだろ」
「見えないのは星じゃなくて私の道、自分の事を知ったのに…ユーリやジュディスが決めた様な道が見えないの
本当の事言うとね?まだ他人事の様に思ってる、まさか自分の中に特殊な術式があって、それがエアルクレーネと私を結びつけて命を…だなんて」
自分の気配に気付いて起きてきたであろうユーリには振り返らずにアルシアは苦笑を浮かべながら星空に手を伸ばす、まるで彼女に未だ見えない道を掴む様に
だがその細い線で象られた手が宵闇に消えそうでユーリはたまらずに彼女を後ろから抱き締める、彼女の力に彼女が連れて行かれない様に
「!ユーリ…?」
「…絶対にアルシアを死なせねぇ、お前を世界の為の犠牲になんかさせねぇよ」
「…ユーリ、ユーリ聞いて、私がフェローに言ったこと覚えてる?私は…世界の為に死なないよ
だってこの命を使うのは…ユーリやエステル達、仲間や幼馴染み、下町の皆の為の方が良いから」
「バカ、お前が死ぬこと自体許さねぇって言ってるんだよ」
自分の命を軽々しく自分達の為に使うと言うアルシアを低い声で叱咤し、ユーリは尚彼女を抱き締める腕の力を強める
こんな事しなくても自分はいなくならないのに、そう思いながらもアルシアは彼のその腕に細い指を乗せ一人思う
―ユーリ、やっぱりあなたは強いね…私の事じゃなくエステルの事、挙句の果てには世界の事まで何とかしようとしてる、一つでも難しい事なのに全部を何とかしようと…
だから怖くなる、いつかあなたが成そうとする正義に私は邪魔になるんじゃないかって…あなたの強さに押し隠されるんじゃないかって…ねえユーリ、その時が来るのが私は何より怖い、よ…
瞳を瞑り、アルシアはただ乗せていたユーリの腕を握り締め俯く、こんなにも暖かい人の隣にずっといられたら何て幸せなのだろうと同時に思った
ベリウスの時と同じ様に彼の腕に居続けた夜も明け、アルシア達は目的地であるアスピオへと辿り着くが来て早々、リタは根を上げる
考える時間が少ないという事、話す言葉もなくなった為か彼は再び飛び立つがその姿にリタは駆け寄る
「待って!術式がエアル暴走の原因っていうのなら昔にも同じように暴走したことがあるはずでしょ。魔導器は古代文明で生み出された技術なんだから」
『罪を受け継ぐ者たちがいる、そやつらを探すがよい。彼の者どもなら過去に何が起こったのか伝えているであろう』
律儀にリタの問いかけに答えるとフェローは今度こそ、その巨体を空の果てへと姿を消したのだった
「行っちゃった……」
「バイバイなのじゃ」
「えっと、あの……ありがとうございます、ユーリ。それに……ジュディスも」
「ううん皆、だよ、本当にここまで来てくれて…フェローから私達を守ってくれてありがとう」
漸く当初の目的を果たした事で問題はまだ残っているもののアルシアは笑顔を浮かべ、ここまでついて来て貰ったユーリ達に感謝を告げられたのだった
残された問題の為にこれからどうするかを話し合う為、フィエルティア号の中へと場所を移した
「はぁ……どうなるかと思ったよ」
「あーんなデカブツ相手によくまあ話だけで済んだねぇ、おっさん心臓がどうにかなりそうだったわ」
「おっさんのくせに度胸がないのじゃ」
「本当、パティちゃんはいつも肝が据わってるのね」
「本当にエステルを殺して、アルシアを奪うつもりなら問答無用でくればよかったはずだが……そこがどうも解せないな」
「多分フェローも迷ってたのよ、だから私たちがどう振舞うか見定めるために砂漠では姿を隠した」
「ふうん、思ったより悪いやつじゃなかったのかな?」
「どうだかな。いざとなりゃなんだってやるタイプだと思うがな、オレは」
「それはあんたも一緒でしょ」
「……かもな」
「言われちゃったね?ユーリ」
リタに揚げ足を取られ、苦々しい表情をするユーリを可笑しそうにアルシアはくすくすと笑みを零す、その姿を表面上だけ見ていれば自分達と変わらない普通の少女だ
特殊な術式を身に宿すが故に普通になれないと言うなら、世界の事を引っ括めてどうにかするだけだ
「でもどうするの、ユーリ?あんなこと言っちゃって」
「エアルが悪さすんのをどうにかする、それだけだろ?」
「つっても手がかりゼロじゃ話になんないんでない?」
「うむうむ、手がかりは大切じゃぞ」
「エアルの消費に関しては間違いなく術式が関わってるはずなのよ、昔の魔導器についてやその時に暴走が起きたかどうかその辺の情報があれば、手がかりになるんだけど……」
「フェローが言ってた事は手がかりになるんじゃないかな?」
「過去の出来事については罪を受け継ぐ者たちに聞け……フェローはそう言ってました」
「魔導器を発明したのはクリティア族、つまり今も伝承を受け継ぐクリティア族に聞け、という意味ね」
逸早くフェローの言葉の真意に気付いたジュディスがそう答えを導くもののテムザの街はとっくの昔に滅び去っている、滅び去った場所で情報は望めないだろう
他にもクリティアの街があればフェローが言う情報を手に入れる事は出来る、だが果たして彼は滅んだ街を指す様な者だろうか?
「隠された街ミョルゾ。テムザよりずっと古いクリティアの故郷、そして魔導器発祥の地」
「ほへ~そんな街があるのね。もしかしてジュディスちゃん、そのミョルゾってのどこにあるか知ってる?」
「さぁ?」
「その名前に覚えがある……アスピオに来てたクリティア族の人がなんかその名前をいってたような」
「じゃあその人にミョルゾの事を聞ければ…」
「その人、まだアスピオにいるでしょうか?」
「ま、当たってみるしかないな」
「ジュディス……一緒に来てくれる?」
「……そうね、まだギルドのケジメが残ってるものね」
「じゃあアスピオに行くとするか」
次の目的地であるアスピオ、そこでミョルゾの手がかりは手に入るのか…そしてカロルはジュディスにどんな罰を与えるというのか
その夜、フェローと話し緊張は解れるものと思っていたアルシアは目が冴えてしまい、甲板で一人夜空を見上げていた
「アルシア何してんだ、こんな夜中に」
「それはユーリもでしょ?…見えないなぁって思ったの」
「星なら見えてるだろ」
「見えないのは星じゃなくて私の道、自分の事を知ったのに…ユーリやジュディスが決めた様な道が見えないの
本当の事言うとね?まだ他人事の様に思ってる、まさか自分の中に特殊な術式があって、それがエアルクレーネと私を結びつけて命を…だなんて」
自分の気配に気付いて起きてきたであろうユーリには振り返らずにアルシアは苦笑を浮かべながら星空に手を伸ばす、まるで彼女に未だ見えない道を掴む様に
だがその細い線で象られた手が宵闇に消えそうでユーリはたまらずに彼女を後ろから抱き締める、彼女の力に彼女が連れて行かれない様に
「!ユーリ…?」
「…絶対にアルシアを死なせねぇ、お前を世界の為の犠牲になんかさせねぇよ」
「…ユーリ、ユーリ聞いて、私がフェローに言ったこと覚えてる?私は…世界の為に死なないよ
だってこの命を使うのは…ユーリやエステル達、仲間や幼馴染み、下町の皆の為の方が良いから」
「バカ、お前が死ぬこと自体許さねぇって言ってるんだよ」
自分の命を軽々しく自分達の為に使うと言うアルシアを低い声で叱咤し、ユーリは尚彼女を抱き締める腕の力を強める
こんな事しなくても自分はいなくならないのに、そう思いながらもアルシアは彼のその腕に細い指を乗せ一人思う
―ユーリ、やっぱりあなたは強いね…私の事じゃなくエステルの事、挙句の果てには世界の事まで何とかしようとしてる、一つでも難しい事なのに全部を何とかしようと…
だから怖くなる、いつかあなたが成そうとする正義に私は邪魔になるんじゃないかって…あなたの強さに押し隠されるんじゃないかって…ねえユーリ、その時が来るのが私は何より怖い、よ…
瞳を瞑り、アルシアはただ乗せていたユーリの腕を握り締め俯く、こんなにも暖かい人の隣にずっといられたら何て幸せなのだろうと同時に思った
ベリウスの時と同じ様に彼の腕に居続けた夜も明け、アルシア達は目的地であるアスピオへと辿り着くが来て早々、リタは根を上げる