chapter:39 星座の様に一つとして欠けられない
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「何故バウルがエステルをエアルの乱れと、そしてアルシアがエアルの収束と感じたか私は知る必要があったの、私の道を歩むために
そんな時、フェローが現れた。彼はエステルとアルシアが何者なのか知っているようだった、私の役目は《ヘルメス式魔導器》を破壊すること
だけどエステルは魔導器じゃない、だから見極めさせて欲しい……私は彼にある約束を持ちかけた、彼は私に時間をくれた」
「その約束って……」
「もしエステルが消さなければならない存在なら私が……殺して、アルシアをフェローに引き渡すと
アルシアがエアルを収束させる存在なら…その収束したエアルをエステルに乱させてしまうから」
「あんた!」
万が一の時にはエステルを殺す為、そしてアルシアをフェローに引き渡す為に同行していた事を知ったリタはジュディスに食って掛かろうと彼女に詰め寄る
そんなリタを慌てて引き止め、結局ジュディスは二人に手を下したりはしていないと諭し落ち着かせる、現にジュディスは科せられた約束を口にした後も辛そうに瞳を閉ざしている
「話はわかった」
「ベリウスは言ってたわね、あなた達には心があると
フェローにもあなた達の心が伝われば、これからどうするべきかわかるかもしれない」
「ね、ねぇ、もうフェローに会う必要なんて無いんじゃない?だってほら、問題なのは《ヘルメス式魔導器》ってわかったんだし
聖核も悪いこと企んでるヤツに渡さないようにすれば」
「……わたし、フェローに会いたいです。そして話を聞きたい」
「でも……」
「行かせてください、わたしも自分の事を知って、それに責任を持てるようになりたいから」
「アルシアもそう、なの……?」
ジュディスに科した約束を聞き、フェローは本当に彼女達を殺す気なのだと知ったリタは何とかフェローに会わせない様にと必死に言葉を紡ぐ
彼女の必死さと自分を思ってくれる気持ちは痛い程に分かっている、出来るなら答えたい、だが…
「…ごめん、リタ……私も気持ちは変わらない、フェローに会って何でエステルを毒として疎むのか…私を贄として哀れむのか…その理由を知りたいの
理由を知った上でこれから歩む私の道を決めたい、自分の力と自分の存在に責任を持ちたい」
「わかったわ……」
「ごめん……ユーリ、アルシア……ジュディスをどうするべきか、すぐには決められないよ……」
「あなたたちの言うケジメをつけないまま、去ることはもうしないわ。私も責任もたないとね」
「フェローに会いに行こう。オレたちの旅の最初の目的、それをこなしちまおう。後のことはそれからだ」
「コゴール砂漠中央部にそびえる岩山、そこにフェローはいる。バウルなら行けるわ」
「よし行こうぜ、フェローに会いに」
次の目的地はずっと燻り続けていた目的、フェローが存在する岩山へと決まった
やっとフェローに会う事が出来る、期待と不安が沸き立つ中でふとアルシアはある事を思い出すとジュディスへと歩み寄る
「ジュディス!」
「!」
「アルシア…?」
ユーリ達が見つめる先でアルシアは歩み寄ったジュディスの頬を叩く、だがその平手打ちは力が入っておらず、ただ触れるだけの頬当てになった
一体彼女が何をしたいのか分からないジュディスは眼を丸くしたままにアルシアを見ていたが、不意に彼女は微笑む
「貴女が帰って来た時にまた怒られない様に私もエステルも心を引き締めてた、だから少しはジュディスに叱られない様に決断出来る様になったって思ってる
でもね?やっぱりジュディスがいてくれた方が心強いの、甘えないでって怒られるかもしれないけど…貴女に何度も助けて貰ったからこう言える、貴女が必要だって
「凛々の明星」だってそう、一人だって欠けたら意味がないんだよ、だから…もう突然いなくなったりしないで」
「…ふふ、厚い言葉をもらっちゃったわね。ええ、さっき言った様にケジメをつけないまま、去ることはもうしないわ
必要としてくれる貴女がいるんだもの、約束するわ」
「うん!」
アルシアの言葉を呆然と聞いていたジュディスは微笑を浮かべると自分の頬に置かれたままのアルシアの手に自分の手を当て約束したのだった
今までは隔たりがあった彼女達の溝が埋まった瞬間でもあった
星座の様に一つとして欠けられない
(零れ落ちた星を掬い上げてまた輝く)