chapter:39 星座の様に一つとして欠けられない
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「そろそろ「魔狩りの剣」の増援が来そうよ、ややこしくなる前に移動した方がいいんじゃない?」
「でも下りる道ひとつしかないよ、鉢合わせちゃう」
「上が開いてるのじゃ」
「んな無茶な……」
「乗って、とりあえずフィエルティア号まで飛ぶわ。話の続きはそこで、ね」
今までのバウルならジュディス一人か二人が限界の体躯だったが、始祖の隸長として成長した彼は悠々とアルシア達全員をその背に乗せ、テムザ山を後にした
その後海に停泊させていたフィエルティア号をバウルは体に結びつけ、軽々と空へ舞い上がるが…ジュディスは船についた途端に崩れ落ちてしまった
いつ襲ってくるか分からない「魔狩りの剣」から成長の為に動けなかったバウルを寝ずに守っていたのだろう、差し迫った状況で彼女の精神ももう疲れで限界だったと見える
「割と平然としてたけど今までも無理してたのかもねぇ」
「バカなのよ、あいつも。不器用なんだから」
「でもよかったのじゃ……ちゃんとジュディ姐を助けることができて」
「本当にね、バウルとジュディスの力になれて良かった」
「ジュディの話の続きは明日だな、今は寝かせておいてやろうぜ。オレたちもちょっと休もう」
ユーリのその提案に異論はなく、各々に船内で落ち着く場所へと動き自由行動となる
駆動魔導器が設置されている船尾では悩み込んでいるカロルとその隣に腰を降ろすアルシアにユーリが近付いてきた
「ジュディの事考えてるのか?」
「うん、どうするべきかなって」
「ギルドの掟を破ってオレたちを裏切ったのは事実だったな」
「掟に対する厳しさがギルドの結束を作るんだと思ってた、そこに例外も、温情もあったらいけないんだって。でも……」
「それは世界を救うためだった。ジュディは自分のすべき事として人に恨まれようが魔導器を壊してる」
「難しいよね…ジュディスにケジメをどうつけて貰うか判断するのって」
「凛々の明星」の一員として頑張ると言ったカロルだが、それでも彼はこのギルドの首領でジュディスへの処置を決める存在には違いない
それでさえも難しいというのにジュディスの行動理由を聞いてからはもっとそれが難題へと変換してしまった
「うん……ジュディスが掟に反したのは悪いことをするためじゃなかった。それはわかったんだ、もっと話を聞いて考えるよ、ちゃんと考えて決められるようにがんばる」
「そっか」
「ちゃんと決められるようになったら、ナンも話を聞いてくれるかな……」
「弱気になったら昔のカロルに戻っちゃう、話を聞いて貰える様に頑張ろ?ちゃんと成長した自分を見て貰える様にさ」
「うん」
不安げに眉を下げるカロルを元気づけた所で頭を撫でるとアルシアもユーリ同様に立ち上がり、その場を後にし船頭へと足を運ぶ
「おじ様、どうかしたの?何か…黄昏れてる様な…」
「黄昏れてるおっさんも絵になるっしょ?どう?惚れちゃった?!」
「あ、あはは…」
「何て半分冗談よ、さっきのアルシアちゃんの言葉を思い出してた」
「え、あ…ほ、本当に生意気な事言ってごめんなさい…!」
「嫌々、謝らなくても良いのよ。あんな風にアルシアちゃんに思われて果報者よ?おっさん!…でさアルシアちゃんに一つ質問」
「?」
「もし…もしよ?アルシアちゃんにとって大切な…青年達が目の前で死んで、帰る場所まで亡くし自分独り生き残ったら…どうする?」
「え…」
いつにもなく真剣な表情、瞳で自分を貫くレイヴンのその問いかけにアルシアは目を見開き、言葉を失ってしまう、もしもの話だというのに何て現実的な話だろう
「…おじ様に言ったことと矛盾するけど…私、おじ様の死んでれば楽だったって言葉を聞いて思った事があるの」
「ん?何だい?」
「仮にユーリが死んだとしても彼を私やフレン、下町の皆が覚えてる限りは本当の意味で死んだとは思わない、だって私が覚えてれば…記憶の中でユーリは生きてるって事になるでしょう?帰る場所だってそう
だから私独り生き残ったとしても、辛くても…記憶の中でその人達と生きて行きたいなぁ…なんて」
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