chapter:36 誓約の上にて紅涙の反照に彼は伏す
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ドンの思惑を考察する仲間達の言葉にカロルは表情を泣きそうなものに歪ませると何処かへ走り去ってしまった
その小さな背中にドンの命を代償にしなくても良い方法がある筈だと叫ぶエステルにレイヴンは今のユニオンと「戦士の殿堂」は一触即発で他の方法を考える時間はない事を告げる
「このままだとユニオンと「戦士の殿堂」の全面戦争になっちまう」
「他の方法を探してる時間はもうないってことなのかの……」
「……」
「……オレもじいさんところ行ってくる」
「私も……行く」
街の中心に位置する広場、そこでは既にドンがその時を静かに待ち構えていた、自分の終わりがすぐそこだと言うのに彼はカロルを気遣う
「しっかりな、坊主。首領なんだろ?」
「でもボクなんて一人じゃ何も出来ない……」
「だったら助けてもらえばいい、そのために仲間がいんだろ?」
「ドン……!」
「仲間を守ってみな、そうすりゃ応えてくれるさ」
「…………」
「ドン!オレも一緒に……!」
「バカ野郎が!」
不祥事を起こした自分も祖父と共にと願うハリーの頬を殴ったのはレイヴンだった
殴られて倒れたハリーを一瞥すると生に引き止めるわけでもなく、彼はドンに別れを告げる、長年共にいたからこそ彼を引き止める等出来ない事を知っているからだろうか
「じいさん、あばよ」
「レイヴン、イエガーの始末頼んだぜ」
「ははっ俺にゃ荷が重過ぎるって」
「おめえにしか頼めねえんだ」
「……ドン」
自分を信じ、自分の意志を継いでもらいたいという強い願いが遺言として耳を通り、心に積もる
次にドンは先程知り合ったばかりのかつての仲間である孫の少女へと視線を移す
「お嬢、街の酒場の倉庫から地下に降りてみろ」
「…………!?」
「そこにアイフリードの名前が掘り込まれた壁がある、おめぇも奴の孫なら奴がどんなことにかかわってどう生きたか、片鱗を見ておくのも悪くねぇだろ」
「…………」
パティに返す言葉は浮かばなかった、だが確かにドンが指し示す言葉は彼女の力となるだろう
丁度交わす会話が途切れた瞬間、「戦士の殿堂」の男達が現れた事によりそれ以上の言葉は続く事は出来なくなり、カロルも離れるを余儀なくされた
「おたくの可愛い孫にゃ、ずいぶん世話になった」
「すまねぇことをした、あのバカ孫もれっきとしたユニオンの一員だ
部下が犯した失態の責任は頭が取る、それがギルドの掟だ。ベリウスの仇、俺の首で許してくれや」
「これが…ギルドの上に立つ者のけじめ…」
「ドン……」
「バカよ、ギルドなんて……どいつもこいつもバカばっか……」
「すまんが誰か介錯頼む」
切腹は介錯人がいなければ事を成せない、最期のドンの願いに周りに集まった者達は尊敬し続けた反動で応えられない
誰も名乗り出る事が出来ないままに一瞬が過ぎた時、アルシアの隣の人物が動きを見せた
「……オレがやろう」
「…!ユ、…っ」
引き止めようとした自分の声を寸出で飲み込み、アルシアは静かにドンへと歩み寄る彼の背中を見つめた
どうして自分が引き止めると思ったのか、自分はドンの強い覚悟を背負う程の強さを持っていないが為に何も出来ずにいただけなのに、そんな自分がどうして、
「おめえも損な役回りだな」
「お互い様だ」
「はっ違いねえ、ユーリ。おめえの将来を見てみたかったがな、俺は先に地獄で休んでるとするぜ」
「あんたが行くのが地獄なら、オレはあんたのところにゃいけそうにないわ」
「ふん、おめぇの減らず口忘れねぇぞ」
「オレもあんたの覚悟忘れないぜ、ドン・ホワイトホース」
最期の会話をユーリと交わしたドンはいよいよその時を迎えた、それが分かったからこそ偉大な存在を失う痛みに周りの者達は名前を呼び上げる
「ドン!」
「てめぇら、これからはてめぇの足で歩け!てめぇらの時代を拓くんだ!いいな!」
それが今までこの街を守り続け、ギルドの者達の道を切り開いてきた偉大な男の辞世の言葉
この日、自らに科した掟にドン・ホワイトホースは最期までギルドの者達の未来を案じながら…潔く散って逝った
誓約の上にて紅涙の反照に彼は伏す
(夕映えにその紅は悲しい程に輝いて、)
その小さな背中にドンの命を代償にしなくても良い方法がある筈だと叫ぶエステルにレイヴンは今のユニオンと「戦士の殿堂」は一触即発で他の方法を考える時間はない事を告げる
「このままだとユニオンと「戦士の殿堂」の全面戦争になっちまう」
「他の方法を探してる時間はもうないってことなのかの……」
「……」
「……オレもじいさんところ行ってくる」
「私も……行く」
街の中心に位置する広場、そこでは既にドンがその時を静かに待ち構えていた、自分の終わりがすぐそこだと言うのに彼はカロルを気遣う
「しっかりな、坊主。首領なんだろ?」
「でもボクなんて一人じゃ何も出来ない……」
「だったら助けてもらえばいい、そのために仲間がいんだろ?」
「ドン……!」
「仲間を守ってみな、そうすりゃ応えてくれるさ」
「…………」
「ドン!オレも一緒に……!」
「バカ野郎が!」
不祥事を起こした自分も祖父と共にと願うハリーの頬を殴ったのはレイヴンだった
殴られて倒れたハリーを一瞥すると生に引き止めるわけでもなく、彼はドンに別れを告げる、長年共にいたからこそ彼を引き止める等出来ない事を知っているからだろうか
「じいさん、あばよ」
「レイヴン、イエガーの始末頼んだぜ」
「ははっ俺にゃ荷が重過ぎるって」
「おめえにしか頼めねえんだ」
「……ドン」
自分を信じ、自分の意志を継いでもらいたいという強い願いが遺言として耳を通り、心に積もる
次にドンは先程知り合ったばかりのかつての仲間である孫の少女へと視線を移す
「お嬢、街の酒場の倉庫から地下に降りてみろ」
「…………!?」
「そこにアイフリードの名前が掘り込まれた壁がある、おめぇも奴の孫なら奴がどんなことにかかわってどう生きたか、片鱗を見ておくのも悪くねぇだろ」
「…………」
パティに返す言葉は浮かばなかった、だが確かにドンが指し示す言葉は彼女の力となるだろう
丁度交わす会話が途切れた瞬間、「戦士の殿堂」の男達が現れた事によりそれ以上の言葉は続く事は出来なくなり、カロルも離れるを余儀なくされた
「おたくの可愛い孫にゃ、ずいぶん世話になった」
「すまねぇことをした、あのバカ孫もれっきとしたユニオンの一員だ
部下が犯した失態の責任は頭が取る、それがギルドの掟だ。ベリウスの仇、俺の首で許してくれや」
「これが…ギルドの上に立つ者のけじめ…」
「ドン……」
「バカよ、ギルドなんて……どいつもこいつもバカばっか……」
「すまんが誰か介錯頼む」
切腹は介錯人がいなければ事を成せない、最期のドンの願いに周りに集まった者達は尊敬し続けた反動で応えられない
誰も名乗り出る事が出来ないままに一瞬が過ぎた時、アルシアの隣の人物が動きを見せた
「……オレがやろう」
「…!ユ、…っ」
引き止めようとした自分の声を寸出で飲み込み、アルシアは静かにドンへと歩み寄る彼の背中を見つめた
どうして自分が引き止めると思ったのか、自分はドンの強い覚悟を背負う程の強さを持っていないが為に何も出来ずにいただけなのに、そんな自分がどうして、
「おめえも損な役回りだな」
「お互い様だ」
「はっ違いねえ、ユーリ。おめえの将来を見てみたかったがな、俺は先に地獄で休んでるとするぜ」
「あんたが行くのが地獄なら、オレはあんたのところにゃいけそうにないわ」
「ふん、おめぇの減らず口忘れねぇぞ」
「オレもあんたの覚悟忘れないぜ、ドン・ホワイトホース」
最期の会話をユーリと交わしたドンはいよいよその時を迎えた、それが分かったからこそ偉大な存在を失う痛みに周りの者達は名前を呼び上げる
「ドン!」
「てめぇら、これからはてめぇの足で歩け!てめぇらの時代を拓くんだ!いいな!」
それが今までこの街を守り続け、ギルドの者達の道を切り開いてきた偉大な男の辞世の言葉
この日、自らに科した掟にドン・ホワイトホースは最期までギルドの者達の未来を案じながら…潔く散って逝った
誓約の上にて紅涙の反照に彼は伏す
(夕映えにその紅は悲しい程に輝いて、)