chapter:35 落ちた時計の砂へと至る道程
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背徳の館へと辿り着く間にすっかり空の陽は落ち、尚かつ館は森の深奥に点在している為に暗がりに支配され妖しげな雰囲気を発している
だが館前は厳重な警護が布かれており、そう簡単に内部に侵入出来ない様にされている、警護に見つからぬ様に身を潜め、それ等を伺う
「どうやらここが背徳の館らしいな」
「すごい警護です……」
「強行突破も無理そうだし、中々入れそうにないね…」
「しばらく様子を伺ってみるがよいのじゃ」
「あんまのん気にもしてられないんだけどねぇ」
「しっ何かもめてるぜ」
「女の子…?」
入口を守っている赤目の男達と言い争っているのはヘリオードやカドスの喉笛でイエガーを幾度となく助けたゴーシュ、ドロワット
彼女達の話に耳を傾け、内容を聞く所によれば、やはりドンはこの館に訪れている様だ
「やっぱじいさん、ここに来てるんだな……」
「ビンゴなのじゃ、話を聞くチャンスなのじゃ……」
「あんたたちは「魔狩りの剣」が竜使いを狙ってるってネタを探りにいったはずだろ?」
「だからテムザ山へ向かう前にドンがここに向かったという情報を得たと言っている」
「そんなの知ったら、ほっとけないでしょ」
「「魔狩りの剣」がジュディを狙ってるだと?」
「もしかして、あの竜…バウルの事で?」
思わぬ情報も彼女達の会話の中で得た所で館内に彼女達が入る事で警備が減った為、その後に便乗しようと行動に転じようとしたが、外の見回りから帰って来た男がアルシア達を見つけてしまう
自分達の存在を他の警備の仲間に知らせようとしたその男をラピードが逸早く足止めして、それを封じた
「ナイスだ!ラピード!どけよ!三散華!」
「うりっ!」
「恨みはないけど…ごめんなさい、閃空裂破!」
「受けちゃえっ!」
ここで倒しておかねば、自分達が館内に侵入する際に追っ手を差し向けられる可能性がある、その可能性を潰す為に男達を攻撃で気絶させたのだ
あれ程の騒ぎを起こした様にも思えるが、他の警備には気付かれていない様子、この隙を狙い、館内へ入ろうと動いた所で何かを考え続けていたエステルが顔を上げた
「どうしてジュディスが「魔狩りの剣」に狙われるんでしょう」
「連中が聖核を探してるんだとしたら、アルシアがさっき言った様に狙いはあの女の乗ってた竜かも
あれが始祖の隸長なら、ベリウスの時みたいに聖核が生まれるのかもしれない……死んだときに」
「連中がベリウス狙ったのはハリーの依頼だからってだけじゃ無いって事か、連中が聖核を欲しがってる可能性は否定できねーな」
「またあんな事が起こるかもしれない、の…?それにそれならジュディスにも危険が…」
「ジュディ姐……」
「ジュディも心配だが、ドンのじいさんの方が先決だろ?あの賑やかな女共も入っていったしな」
「じゃな、ここをさっさと片付けるのじゃ」
「ああ、急ぎますかね」
「そうだね…二つの事を一回で全て出来る訳ないんだから」
頭で分かっていてもやはりジュディスが心配なのはアルシアもエステルと同じ想いだ、だからこそ一つの事を終え、彼女の後を追いたい
それでもエステルは彼女が心配である事を口にし、ドンの問題との間で揺れ動いている、そんな彼女にユーリはいつもの言葉を告げるのだ
「自分で決める、そうだったよな?」
「…ねえエステル、ジュディスはいつだって私と貴女が自分が追っている目的を放ろうとした時にいつも叱って悟らせてくれたでしょう?
私たちが今、目の前の事を放れば…それを知った彼女に怒られるんじゃないかな、離れてても同じ。それに…ジュディスを信じる事だって大切な事だよ」
「アルシア…はい、そうですよね。今ドンを放って、ジュディスに会いにいってもきっと怒られちゃいます
『あなたの目的は何だったの?』って……だからわたしも行きます!」
「……大丈夫よ、あの女なら。強いんだから」
「ふふ、リタもジュディスの事を信じてるんだね」
「う、うっさい!」
「じゃ、とっととドンのじいさん連れ戻そうぜ。やらなきゃいけないことがまた増えたしな」
「はい!アルシア、ありがとうございます…」
「私は思った事を言っただけだから、決めたのはエステルだからお礼はいいの、さっ行こう!」
自分を見つめ、柔らかく微笑むエステルにアルシアもまた元気づける様に夜の中でも明るい笑顔を浮かべたのだった
落ちた時計の砂へと至る道程
(全て遅いなんて思うよりも走り続けて追い付けば良い)
だが館前は厳重な警護が布かれており、そう簡単に内部に侵入出来ない様にされている、警護に見つからぬ様に身を潜め、それ等を伺う
「どうやらここが背徳の館らしいな」
「すごい警護です……」
「強行突破も無理そうだし、中々入れそうにないね…」
「しばらく様子を伺ってみるがよいのじゃ」
「あんまのん気にもしてられないんだけどねぇ」
「しっ何かもめてるぜ」
「女の子…?」
入口を守っている赤目の男達と言い争っているのはヘリオードやカドスの喉笛でイエガーを幾度となく助けたゴーシュ、ドロワット
彼女達の話に耳を傾け、内容を聞く所によれば、やはりドンはこの館に訪れている様だ
「やっぱじいさん、ここに来てるんだな……」
「ビンゴなのじゃ、話を聞くチャンスなのじゃ……」
「あんたたちは「魔狩りの剣」が竜使いを狙ってるってネタを探りにいったはずだろ?」
「だからテムザ山へ向かう前にドンがここに向かったという情報を得たと言っている」
「そんなの知ったら、ほっとけないでしょ」
「「魔狩りの剣」がジュディを狙ってるだと?」
「もしかして、あの竜…バウルの事で?」
思わぬ情報も彼女達の会話の中で得た所で館内に彼女達が入る事で警備が減った為、その後に便乗しようと行動に転じようとしたが、外の見回りから帰って来た男がアルシア達を見つけてしまう
自分達の存在を他の警備の仲間に知らせようとしたその男をラピードが逸早く足止めして、それを封じた
「ナイスだ!ラピード!どけよ!三散華!」
「うりっ!」
「恨みはないけど…ごめんなさい、閃空裂破!」
「受けちゃえっ!」
ここで倒しておかねば、自分達が館内に侵入する際に追っ手を差し向けられる可能性がある、その可能性を潰す為に男達を攻撃で気絶させたのだ
あれ程の騒ぎを起こした様にも思えるが、他の警備には気付かれていない様子、この隙を狙い、館内へ入ろうと動いた所で何かを考え続けていたエステルが顔を上げた
「どうしてジュディスが「魔狩りの剣」に狙われるんでしょう」
「連中が聖核を探してるんだとしたら、アルシアがさっき言った様に狙いはあの女の乗ってた竜かも
あれが始祖の隸長なら、ベリウスの時みたいに聖核が生まれるのかもしれない……死んだときに」
「連中がベリウス狙ったのはハリーの依頼だからってだけじゃ無いって事か、連中が聖核を欲しがってる可能性は否定できねーな」
「またあんな事が起こるかもしれない、の…?それにそれならジュディスにも危険が…」
「ジュディ姐……」
「ジュディも心配だが、ドンのじいさんの方が先決だろ?あの賑やかな女共も入っていったしな」
「じゃな、ここをさっさと片付けるのじゃ」
「ああ、急ぎますかね」
「そうだね…二つの事を一回で全て出来る訳ないんだから」
頭で分かっていてもやはりジュディスが心配なのはアルシアもエステルと同じ想いだ、だからこそ一つの事を終え、彼女の後を追いたい
それでもエステルは彼女が心配である事を口にし、ドンの問題との間で揺れ動いている、そんな彼女にユーリはいつもの言葉を告げるのだ
「自分で決める、そうだったよな?」
「…ねえエステル、ジュディスはいつだって私と貴女が自分が追っている目的を放ろうとした時にいつも叱って悟らせてくれたでしょう?
私たちが今、目の前の事を放れば…それを知った彼女に怒られるんじゃないかな、離れてても同じ。それに…ジュディスを信じる事だって大切な事だよ」
「アルシア…はい、そうですよね。今ドンを放って、ジュディスに会いにいってもきっと怒られちゃいます
『あなたの目的は何だったの?』って……だからわたしも行きます!」
「……大丈夫よ、あの女なら。強いんだから」
「ふふ、リタもジュディスの事を信じてるんだね」
「う、うっさい!」
「じゃ、とっととドンのじいさん連れ戻そうぜ。やらなきゃいけないことがまた増えたしな」
「はい!アルシア、ありがとうございます…」
「私は思った事を言っただけだから、決めたのはエステルだからお礼はいいの、さっ行こう!」
自分を見つめ、柔らかく微笑むエステルにアルシアもまた元気づける様に夜の中でも明るい笑顔を浮かべたのだった
落ちた時計の砂へと至る道程
(全て遅いなんて思うよりも走り続けて追い付けば良い)