chapter:34 惜しみなく奪い尽くすは悲涙の波
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今まで自分の力で多くの傷付いた人々を、戦いの最中にはアルシア達の傷を癒したこの力が初めて死を生んだ、その事にエステルは一種のパニックを起こしてしまっている
かける声すらも見つからずに黙り込んでしまうアルシアの隣でユーリが無言で自分の剣を抜き、躊躇いなく自分の腕を傷付けたもので二人は目を見開く
「ユーリ…?!」
「な、何するんですか!?」
突然の自傷に驚き、エステルは慌てて立ち上がると治癒術でその傷を癒す
「ちゃんと救えたじゃねぇか」
「え……?あ、わたし……」
「行くぞ」
「進まなきゃ、辛くても」
「……はい」
「待て!」
条件反射でユーリの傷を癒した事に自分が一番驚くエステルだが、その瞳には再び歩き出す活力が取り戻されていた
そんな彼女の瞳を見つめながら微笑むアルシアはその手を引きながら、ジュディス達と合流し、闘技場の外に出るがそこはすでに騎士達が駐在していた
「こりゃ完全に騎士に制圧されてんな」
「港から海に出るしかないわね」
「港も封鎖されてるんじゃ?」
「カドスの喉笛だって封鎖されてんのよ、だったらいちかばちか港の包囲網に突っ込むのよ!」
「そっか、海に逃げた方がまだマシだもんね」
「そういうこった。パティ、悪いがまた操船頼めるか?」
「うむ任せるのじゃ、うちの腕の見せ所じゃな。駆動魔導器がちゃんと新しくなってるといいがの」
「上等よ、魔導器の面倒はあたしが見るわ!」
「あれ…ねえ、おじ様はどこ?」
「え?あれ、おっさんは……?」
この大陸に逃げ場はない事を知り、港へ逃げる段取りを語っている中でアルシアを始めに漸くレイヴンの姿がない事に気付く
だが彼はいつも知らぬ内に戻って来ているもの、再び再会出来る事を確信していると後ろから追い掛けて来たソディアの声が呼び止めた
「ユーリ・ローウェル、アルシア・メリアーシェ、そこまでだ!」
「エステリーゼ様もお戻りください、フレン隊長が心配してます」
「……わ、わたしは……」
「リタ?!」
「エステルは帰らないし、アルシアも捕まらないわよ!」
再びエステルを動揺させる言葉をかけてくるウィチルとソディアへリタは前に出、術式を組み立てると炎球を二人へとぶつける
だがそれがぶつかったのは二人でなくリタと同じ術式を組み立て、発現させたウィチルの炎球、その二つはぶつかり合うと大きな爆発と煙が沸き立つ
その隙を狙い、ユーリのかけ声を合図にアルシア達は港の方へと駆け出す、だが港の入り口にはやはり彼が待ち構えていた
「フレン……」
「こっちの考えはお見通しってわけ」
「エステリーゼ様と手に入れた石を渡してくれ」
「……フレン、どうして聖核のことを……」
「騎士団の狙いもこの聖核ってわけか」
「「魔狩りの剣」も欲しがってた……」
「これが…デュークの言っていた言葉の意味…?」
「うむ、ヨームゲンの兄ちゃんが言うとった……聖核は人の世に混乱をもたらす、と……やっぱり……」
暗い影を落とし、月光を背から受けている為にフレンの表情は見えない
後ろからの足音にパティとジュディスが武器を構えながらも振り返ると追って来たソディアとウィチルがアルシア達を挟み撃ちにしていた
「渡してくれ」
依然表情が伺えないフレンはノール港以来に向けなかった剣をユーリ達に抜こうと手をかける
「うそっ本気?」
「…こんなの…フレンのやりたかった事と矛盾してるじゃない…!力で抑えつける騎士団を中から変えたくて…騎士になったんでしょ…っ?」
「……」
「おまえ、なにやってんだよ。街を武力制圧って冗談が過ぎるぜ
任務だがなんだか知らねえけど、力で全部押さえ付けやがって」
「隊長、指示を!」
ジュディスと睨み合いを続けるソディアの指示を求める声が一時ユーリの言葉を掻き消すがそれでも彼は言葉を続ける
かける声すらも見つからずに黙り込んでしまうアルシアの隣でユーリが無言で自分の剣を抜き、躊躇いなく自分の腕を傷付けたもので二人は目を見開く
「ユーリ…?!」
「な、何するんですか!?」
突然の自傷に驚き、エステルは慌てて立ち上がると治癒術でその傷を癒す
「ちゃんと救えたじゃねぇか」
「え……?あ、わたし……」
「行くぞ」
「進まなきゃ、辛くても」
「……はい」
「待て!」
条件反射でユーリの傷を癒した事に自分が一番驚くエステルだが、その瞳には再び歩き出す活力が取り戻されていた
そんな彼女の瞳を見つめながら微笑むアルシアはその手を引きながら、ジュディス達と合流し、闘技場の外に出るがそこはすでに騎士達が駐在していた
「こりゃ完全に騎士に制圧されてんな」
「港から海に出るしかないわね」
「港も封鎖されてるんじゃ?」
「カドスの喉笛だって封鎖されてんのよ、だったらいちかばちか港の包囲網に突っ込むのよ!」
「そっか、海に逃げた方がまだマシだもんね」
「そういうこった。パティ、悪いがまた操船頼めるか?」
「うむ任せるのじゃ、うちの腕の見せ所じゃな。駆動魔導器がちゃんと新しくなってるといいがの」
「上等よ、魔導器の面倒はあたしが見るわ!」
「あれ…ねえ、おじ様はどこ?」
「え?あれ、おっさんは……?」
この大陸に逃げ場はない事を知り、港へ逃げる段取りを語っている中でアルシアを始めに漸くレイヴンの姿がない事に気付く
だが彼はいつも知らぬ内に戻って来ているもの、再び再会出来る事を確信していると後ろから追い掛けて来たソディアの声が呼び止めた
「ユーリ・ローウェル、アルシア・メリアーシェ、そこまでだ!」
「エステリーゼ様もお戻りください、フレン隊長が心配してます」
「……わ、わたしは……」
「リタ?!」
「エステルは帰らないし、アルシアも捕まらないわよ!」
再びエステルを動揺させる言葉をかけてくるウィチルとソディアへリタは前に出、術式を組み立てると炎球を二人へとぶつける
だがそれがぶつかったのは二人でなくリタと同じ術式を組み立て、発現させたウィチルの炎球、その二つはぶつかり合うと大きな爆発と煙が沸き立つ
その隙を狙い、ユーリのかけ声を合図にアルシア達は港の方へと駆け出す、だが港の入り口にはやはり彼が待ち構えていた
「フレン……」
「こっちの考えはお見通しってわけ」
「エステリーゼ様と手に入れた石を渡してくれ」
「……フレン、どうして聖核のことを……」
「騎士団の狙いもこの聖核ってわけか」
「「魔狩りの剣」も欲しがってた……」
「これが…デュークの言っていた言葉の意味…?」
「うむ、ヨームゲンの兄ちゃんが言うとった……聖核は人の世に混乱をもたらす、と……やっぱり……」
暗い影を落とし、月光を背から受けている為にフレンの表情は見えない
後ろからの足音にパティとジュディスが武器を構えながらも振り返ると追って来たソディアとウィチルがアルシア達を挟み撃ちにしていた
「渡してくれ」
依然表情が伺えないフレンはノール港以来に向けなかった剣をユーリ達に抜こうと手をかける
「うそっ本気?」
「…こんなの…フレンのやりたかった事と矛盾してるじゃない…!力で抑えつける騎士団を中から変えたくて…騎士になったんでしょ…っ?」
「……」
「おまえ、なにやってんだよ。街を武力制圧って冗談が過ぎるぜ
任務だがなんだか知らねえけど、力で全部押さえ付けやがって」
「隊長、指示を!」
ジュディスと睨み合いを続けるソディアの指示を求める声が一時ユーリの言葉を掻き消すがそれでも彼は言葉を続ける