chapter:22 不透明オルタナティブ迷宮
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「はい、次はこれ」
「え……何?」
「騎士の格好してた方が動き易いでしょ」
「オレがか?」
「この中では一番ユーリが的確だと思うけど…あ、私はもう勘弁してね?」
色仕掛け作戦が終わり、やっとの思いであの服からいつもの服に着替えてくるとジュディスが先程の騎士の甲冑を剥いでいた
嫌がる素振りを見せながらもアルシアから言われてしまい、ユーリは溜息をつきながらも甲冑を手にとると騎士団服を身に纏う
その直後、狙っていたかの様な絶妙なタイミングで一人の騎士が慌てた様子でこちらに近付いて来た
「おい!何こんな所で油売ってんだ!」
「お?どうした?」
「詰め所が大変なことになってるんだぞ!」
「何だ、大変なことって」
「捕まえてた魔導士が暴れてんだ。ほら、早く来い!」
「了解っ!ちょっくら行ってくるわ」
「気をつけてねー」
アルシアからの声援を背に受けながら、ユーリは連れに来た騎士の後を追って、詰め所へ
そこで目にしたのは怒り心頭の火球を腰が引けた騎士達に撃つ、ダングレストで別れた筈のリタの姿、その後アルシア達が現れた事で彼女の身柄はこちらに渡されたのだった
「落ち着きました?」
「ええ……」
「それでリタはどうしてこんなところに?」
「確かエアルクレーネを見て回るって…」
「ここの魔導器が気になったから、調査の前に見ておこうと思って寄ったの」
「で、余計なことに首を突っ込んだと。面倒な性格してんな」
「それをユーリが言っちゃうんだ…」
普段の行動が今回はリタになっただけで思わず、アルシアは雨音に掻き消される程の声量で突っ込んでおいた
「一体何に首を突っ込んだんですか?」
「夜中こっそりと労働者キャンプに魔導器が運び込まれてたのよ、その時点でもう怪しいでしょ?」
「それでまさか、こそこそ調べまわってて捕まったってわけか」
「違うわ、忍び込んだのよ」
「(リタ、そこで態々言い換える必要あったのかな…)」
「……で、捕まったんだ」
「だって怪しい使い方されようとしてる魔導器ほっとけなかったから
そしたら街の人が騎士に脅されて無理矢理働かされててさ」
先程までのある種の穏やかな近況報告の話から一変、リタの言葉によってアルシア達は目を見開き驚いた
そのキャンプでポニーの父親であるティグルも無理矢理労働を強いられているのだろう、騎士の間違った在り方にエステルは怒り心頭の様だ
「それでお前が見た魔導器ってのは?」
「兵装魔導器だった、かき集めて戦う準備してるみたいよ」
「まさか……またダングレストを攻めるつもりなんじゃ!?」
「カロルのその仮説、一理あるかも…」
「でもどうして?友好協定が結ばれてるって言うのに……」
「キュモールの奴だろ、きっとギルドとの約束なんて屁とも思ってないぜ」
「折角戦いが治まったっていうのに、また蒸し返そうとしてるなんて…」
「ユーリとアルシアの知ってる人なの?」
「お前も前に一度会ってるだろ、カルボクラムで」
「ああ、あのちょっと気持ち悪い喋り方する人だね」
ジュディスを除く全員がキュモールに会ってる事が判明すると今まで遠くで会話を聞いていたジュディスがこちらへ向かって来る
「ここで話し込むのもいいけれど、何か忘れてないかしら?」
「そうだ!ティグルさん達を助け出さなきゃ」
「それから強制労働を止めさせて、集めてる魔導器を捨てさせて……ええと……」
「魔導器は捨てちゃだめ、ちゃんと回収して管理しないと」
「捨てたものをまたキュモールの部下達が見つけたら、同じ事が起こるかもしれないしね」
「じゃあ回収のためにアスピオの魔導士に連絡を……」
「待って、慎重に行こうってば……」
「でも……」
「焦らずに、ね?」
「取り敢えず一つずつ片付けていこうぜ」
「は、はい」
「それじゃあ当初の予定通り、下へ行こう」
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