chapter:33 嘆傷を知らず輝く星は涙にも似て
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「エステリーゼといいます」
「私はアルシア、…あなたなら何かを知っていると聞いて、ここまで来ました」
「満月の子、陽月の子とはいったい何なのですか?
わたし、フェローに忌まわしき毒と言われました、あれはどういう意味なんですか?」
『ならば、そなたは世界の贄と言った所か』
「!言わないでも分かるんだね…どうか、その言葉の意味を知っているなら…教えて欲しいの」
『ふむ、それを知ったところでそなたらの運命が変わるかは分からぬが…』
「ベリウス、その事なのだけど……」
「ジュディス……?」
「どうしたの?」
漸くベリウスからフェローの示唆した言葉の真意が語られる寸前、ジュディスがまるで顔見知りの様にベリウスの口を止めた
アルシア達の視線が集まる中、何かあるのかと聞くベリウスにフェローの名を出し、会話を続けようとした瞬間、地響きが響き渡った
「なんの騒ぎだよ、いったい」
「こんな時に誰かが乗り込んできた…?って…」
「遂に見つけたぞ、始祖の隸長!魔物を率いる悪の根源め!」
「ティソン!首領!」
地響きを引き起こした相手はカロルが以前加入していた「魔狩りの剣」の何度も顔を見合わせた男達
その二人に気付き、名を呼んだ彼にティソンは嘲笑いを含めた声色でベリウスと会話していたアルシア達を非難し、クリントがベリウスへと声を荒げた
「闘技場で凶暴な魔物どもを飼い慣らす人間の大敵!覚悟せよ、我が刃の錆となれ!」
「カロルの知り合いにしてはガラが悪いのじゃな」
「なんだ、このちっこいのは」
「残念なのじゃ、乱暴者に名乗る名前は持ち合わせておらんのじゃ」
「ふん……名乗れねぇ事情でもあんのか?」
パティと相対していたティソンを見ながら、カロルが違和感に気付く、この場に自分の幼馴染みの少女がいないのだ、それを彼らに疑問として投げかけると闘技場の魔物狩りの指揮をしていると答えた
その答えに続き、「魔狩りの剣」の行動を邪魔する者は人間でも容赦しないと攻撃姿勢を取る、ティソンはカロル達へ、クリントはベリウスへその姿勢を取った
「かかってこないなら、俺から行く!さあ相手になれ、化け物!」
「!ユーリ!」
首領の言葉を引き金にティソンが弾丸の様にベリウスへ特攻するが、その刃がベリウスに届く前にアルシアに名を呼ばれたユーリが弾き飛ばす
そしてその横を通り抜けたティソンはベリウスへと大剣を振り下ろすが、容易く受け止められ、僅かな隙に傍にいたアルシアから腹部を一蹴され、間を広げられた
『陽月の子よ、すまぬな』
「ううん、これくらい…あなたから真実を聞く為にも絶対やらせないよ」
『だがこやつらはわらわが相手をせねば、抑えられぬようじゃ
陽月の子よ、そなたら、そまぬがナッツの加勢にいってもらえぬか』
「あんたは大丈夫なのかよ!?」
「二人相手じゃ、あなたが!」
『たかが人などに後れは取りはせぬ』
「でも…っ」
「わかった、行くぞ!」
「ユーリ…!」
「外の事を鎮めて早く戻って来りゃいい、そうだろ?アルシア」
「!うんっ」
ベリウスを「魔狩りの剣」の手練達がいる場に残すのを心配するアルシアを言葉で引っ張り、慌ただしく部屋を後にナッツの加勢へと急ぐ
部屋を守っていたナッツのいた場まで戻ると、他のギルドメンバー達が傷だらけで倒れてしまっていた、これはナンの仕業であろう
「大丈夫か?」
「……ナッツ様が……闘技場の方々を守るために……「魔狩りの剣」と戦って……お願いします……助けて……」
「しっかりして!」
「い、今、わたしが……」
息が絶え絶えのその男性にエステルが治癒術を…としたが、ユーリは立ち上がり、静かに男性が息を引き取ったのを確認し、首を横に振った
もう少し早く行動していればと後悔を口にするエステルに悔やんでいる時ではないとジュディスが叱咤
「ナッツって人を助けなきゃ……!」
「今はこの人の言っていたことを成し遂げよう、それがこの人への供養だよ」
「ああ、……この上か」
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