chapter:32 カウントダウンの猶予は後、
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「出ていらっしゃい、大丈夫よ」
「この前の人はいないから、おいで?」
「うちも、もうすこーしだけ一緒にいてもいいかの?」
「え?うん……構わない、よね?」
「……そうですね……この街を出るまでは一緒にいた方がいいですね」
「うん、私たちと一緒にいた方が大人も突っかかってこないだろうし」
「どうせ、ここで別れても行った先でまた会うような気がするのじゃ
だったら一緒に行っても行かなくても同じことなのじゃ」
「それ、よくわからない理屈なんだけど」
「きっとユーリたちは「麗しの星」がある方向に向かって進んでおるのじゃ」
理論的に考えるリタにとってはパティのその思考は理解出来ないらしく、頭を掻いた後にやはり理解出来ないと零していた
彼女の言葉を要約したのはユーリ、その言葉の意味はアルシア達と一緒に行きたいという事で間違いなさそうだが、少々言い難そうに一拍置き、言葉を続ける
「……一人で行くより、ユーリたちと行った方が色々と……得なのじゃ」
「来たいならついてこい、今更道連れがひとり増えたって困りゃしねぇよ」
「子どもが一人で旅をしているのも気になってたから、一緒に来て貰うのは嬉しいよ♪」
「じゃの!」
「フレンのヤツ、もうこの街に入ってるんだろうな」
「どうでしょう……」
「いるなら、私たちがベリウスに会うまではいてくれたら良いんだけど…」
「もろもろとっとと片づけて、フレンのヤツを問い詰めなきゃな……」
「その時はわたしも……アルシアと同じ様に連れてってください」
「全部終わったら…三人でフレンの真意を確かめに行こう」
会話も無事終わり、闘技場に備えられた宿屋にて夜を待つ
そして指定された夜、月の光は届かず、ほの暗いアルシア達しかいない空間でいよいよ時は来た
「みんな覚悟はいいか」
「……い、いいよぉ……」
「カロル、大丈夫?」
「あんた震えてるわよ」
「ま、ギルドの大物にして、人魔戦争の黒幕って話だしな」
「なに、相手は同じ人間だ。怖がることはねぇって」
「だ、だって……」
長い歴史を持つギルドの統領、ドンの友人であるベリウスに粗相がない様にと緊張してしまっているカロルとは逆にパティは悠然と佇んでいた
相当の度胸があるパティから、これから真実が語られるかもしれないが逃げようとしないエステルとアルシアに目は行く
「見ろよ、嬢ちゃんもアルシアちゃんも大したもんだぜ」
「……わたしもけっこうもう、いっぱいいっぱいです……」
「無理しなくても良いと思うよ、アルシアも」
「もう後には退けません、退きたくありません
わたし、ちゃんと知りたいんです。自分のことを」
「ここまで来たの。眼前に自分の事を知るチャンスが待ってる…なら私は知りたい
自分が何者なのか、自分が何なのかを…だから逃げないで進むよ」
「良い覚悟ね」
「アルシアは一度決めた事は意地でも曲げないからな、当然って言ったら当然か
それじゃあベリウスに会いに行くぞ」
退かない覚悟を聞き、全員でベリウスから語られるであろう真実へと向かう
やはりベリウスの部屋前ではあの隻眼の男、ナッツが主の部屋を守っていたが何とか自分達を覚えていて貰っており、通してもらおうとしたが…
「そちらは通っても良いが……他の者は控えてもらいたい」
「えー!どうしてですか?」
「あたしらが信用できないっての?」
「申し訳ないがそう言うことになる」
「そんな……」
「何とか…なりませんか…っ?」
「口を開かないシャコガイより、うちらの方が信用できること、間違いないのじゃ」
『よい、皆通せ』
「統領!しかし……」
『良いというておる』
問答を繰り返していた扉の内部から古めかしい口調の女性の声が聞こえた、どうやらベリウスは女性であったらしい
主からの言葉をないがしろにする訳にもいかず、ナッツは渋々了承すると扉の前から引く
「くれぐれも中で見たことは他言無用で願いたい」
「他言無用……?どうして?」
「それが我がギルドの掟だからだ」
「わかった、約束しよう」
「この先に我が主ベリウスはいる」
カウントダウンの猶予は後、
(無知が故に過ちは起こりうる)