chapter:31 鋭眼の正義が胸を刺し貫いた夜
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今回の砂漠は探すものもなく、ただ水分だけに気を取れば良かったので比較的早くマンタイクへと戻る事が出来た
充分な休息を取った為か今度はアルシアやユーリ達は倒れる事はなかったが、やはり歳幼いリタとカロルがげんなりと体力を消耗した声で呟いた
「はぁ~……やっと帰ってきた、砂漠はもうこりごりだわ」
「ホントだよ……」
「二人とも、よく頑張ったね…」
「あれ……人が外に出てる……」
「外出禁止令ってのが解かれたのかもね」
「そういう雰囲気じゃなさそうだけど…、ってアイツは…!」
今正に自分達が戻って来た道を見つめる馬車に俯く人々が重い足取りで乗り込んで行く、その人々を見つめる中に奇抜な色の鎧の人物、見間違える筈がなかった
「キュモール……!」
「急いてはことを仕損じるよ」
「うむ、ここは慎重に様子見なのじゃ」
キュモールの存在に気配を荒立てるリタとアルシアを落ち着かせ、彼女達はその馬車に乗り込ませようとされている夫婦らしき人物とキュモールの声に耳を欹てた
「ほらほら早く乗りな、楽しい旅に連れてってあげるんだ、ね?」
「私たちがいないと子どもたちは……!」
「翼のある巨大な魔物を殺して死骸を持ってくれば、お金はやるよ
そうしたら、子どもともども楽な生活が送れるんだよ」
「お許しください!」
「知るか!乗れって言ってんだろう、下民どもめ!さっさと行っちゃえ!」
「…またアイツ、金銭で…!」
「アルシア、落ち着け」
ヘリオードの時と彼は変わっていなかった、平気で金銭で命を買い、自分に従わない者には癇癪を起こし、暴言を吐き散らす
残される子供の命も、巨大な魔物を殺せる程の力を持っていない一般市民の命を何とも思っていないキュモールの声にアルシアは唇を噛み締め、怒りを押し殺している
「私たちもあんなふうに砂漠で放り出されたんです」
「どうして自分で乗って行かないのじゃ」
「わかってるからだろ、この砂漠が危ないって。オレたちがヤバかったみたいに」
「翼のある巨大な魔物ってフェローのことだよね」
「にしてもフェロー捕まえて何しようってんだかね」
「それでどうするのかしら?放っておけないのでしょう?」
「わたしが……」
「今は行かない方がいいと思うのじゃ」
「それに…アイツ、他の騎士と違ってエステルの言葉で態度を改めると思えない」
「あのバカ、お姫様の言うことも聞きゃあしねぇしな」
「……じゃあどうするんです?」
既にもうエステルの性格を知っているのか、ジュディスの問いかけにエステルはキュモールの所に行き、砂漠へ住民を連れて行く事を止めようとしたのだろう
だがユーリとアルシアの言う通り、彼はヘリオードの時と同じく言う事等聞きはしないだろう、打つ手がないかと思われているとユーリが不意にカロルに耳打ちを始めた
ユーリの耳打ちに驚くカロルへ何処からか取り出したのか、ジュディスは今起こす行動に必要なスパナを取り出し、カロルへと手渡した
「危なかったら……助けてよ」
「カロル…ファイトッ」
それを持ち、不安げにそう呟いた彼にユーリ達は無言で指を立て、アルシアは唯一声援を送り、その背中を見送った
「というか…ジュディス、スパナなんてどうしたの?」
「やっぱり拾ったのか?」
「前に落ちてたのを、ね。使うこともあるかと思って」
「……変なの」
「何なのじゃ?」
「ともあれ少年の活躍に期待しようじゃない」
子供を置いていかされようとする夫婦を無理矢理に押し込み、その傍にいた兵士も仕事が遅かった罰でその中へと強いる
馬車の出発が刻一刻と狭まる中でカロルの手が間に合う事を祈る、そして…出発の声が上がったと同時にその馬車の歯車が音を立ててバランスを失った
「これがガキんちょに授けた知恵ってわけね」
「お疲れさん」
「ふーっ……ドキドキもんだったよ」
「流石カロルだねっ」
「でもこれってただの時間稼ぎじゃない」
「これが限度ね、私たちには」
「うちらも旅の途中だからの」
「騎士団に表だって楯突いたらカロル先生、泣いちまうからな」
「俺たち、気付かれる前に隠れた方がいいんじゃなあい?」
「じゃあ前の宿屋で隠れさせて貰おっか」
話の間に入るタイミングを見計らい、夫婦は今回みたいな助けは滅多に来ないことを釘止され、一つ頭を下げるとアルフ達の待っている家へと足早に戻って行った
残されたアルシア達も今キュモールに見つかるとまた面倒になる事が必須なので、アルシアが言った宿屋へと騎士団の目を抜け、向かった
充分な休息を取った為か今度はアルシアやユーリ達は倒れる事はなかったが、やはり歳幼いリタとカロルがげんなりと体力を消耗した声で呟いた
「はぁ~……やっと帰ってきた、砂漠はもうこりごりだわ」
「ホントだよ……」
「二人とも、よく頑張ったね…」
「あれ……人が外に出てる……」
「外出禁止令ってのが解かれたのかもね」
「そういう雰囲気じゃなさそうだけど…、ってアイツは…!」
今正に自分達が戻って来た道を見つめる馬車に俯く人々が重い足取りで乗り込んで行く、その人々を見つめる中に奇抜な色の鎧の人物、見間違える筈がなかった
「キュモール……!」
「急いてはことを仕損じるよ」
「うむ、ここは慎重に様子見なのじゃ」
キュモールの存在に気配を荒立てるリタとアルシアを落ち着かせ、彼女達はその馬車に乗り込ませようとされている夫婦らしき人物とキュモールの声に耳を欹てた
「ほらほら早く乗りな、楽しい旅に連れてってあげるんだ、ね?」
「私たちがいないと子どもたちは……!」
「翼のある巨大な魔物を殺して死骸を持ってくれば、お金はやるよ
そうしたら、子どもともども楽な生活が送れるんだよ」
「お許しください!」
「知るか!乗れって言ってんだろう、下民どもめ!さっさと行っちゃえ!」
「…またアイツ、金銭で…!」
「アルシア、落ち着け」
ヘリオードの時と彼は変わっていなかった、平気で金銭で命を買い、自分に従わない者には癇癪を起こし、暴言を吐き散らす
残される子供の命も、巨大な魔物を殺せる程の力を持っていない一般市民の命を何とも思っていないキュモールの声にアルシアは唇を噛み締め、怒りを押し殺している
「私たちもあんなふうに砂漠で放り出されたんです」
「どうして自分で乗って行かないのじゃ」
「わかってるからだろ、この砂漠が危ないって。オレたちがヤバかったみたいに」
「翼のある巨大な魔物ってフェローのことだよね」
「にしてもフェロー捕まえて何しようってんだかね」
「それでどうするのかしら?放っておけないのでしょう?」
「わたしが……」
「今は行かない方がいいと思うのじゃ」
「それに…アイツ、他の騎士と違ってエステルの言葉で態度を改めると思えない」
「あのバカ、お姫様の言うことも聞きゃあしねぇしな」
「……じゃあどうするんです?」
既にもうエステルの性格を知っているのか、ジュディスの問いかけにエステルはキュモールの所に行き、砂漠へ住民を連れて行く事を止めようとしたのだろう
だがユーリとアルシアの言う通り、彼はヘリオードの時と同じく言う事等聞きはしないだろう、打つ手がないかと思われているとユーリが不意にカロルに耳打ちを始めた
ユーリの耳打ちに驚くカロルへ何処からか取り出したのか、ジュディスは今起こす行動に必要なスパナを取り出し、カロルへと手渡した
「危なかったら……助けてよ」
「カロル…ファイトッ」
それを持ち、不安げにそう呟いた彼にユーリ達は無言で指を立て、アルシアは唯一声援を送り、その背中を見送った
「というか…ジュディス、スパナなんてどうしたの?」
「やっぱり拾ったのか?」
「前に落ちてたのを、ね。使うこともあるかと思って」
「……変なの」
「何なのじゃ?」
「ともあれ少年の活躍に期待しようじゃない」
子供を置いていかされようとする夫婦を無理矢理に押し込み、その傍にいた兵士も仕事が遅かった罰でその中へと強いる
馬車の出発が刻一刻と狭まる中でカロルの手が間に合う事を祈る、そして…出発の声が上がったと同時にその馬車の歯車が音を立ててバランスを失った
「これがガキんちょに授けた知恵ってわけね」
「お疲れさん」
「ふーっ……ドキドキもんだったよ」
「流石カロルだねっ」
「でもこれってただの時間稼ぎじゃない」
「これが限度ね、私たちには」
「うちらも旅の途中だからの」
「騎士団に表だって楯突いたらカロル先生、泣いちまうからな」
「俺たち、気付かれる前に隠れた方がいいんじゃなあい?」
「じゃあ前の宿屋で隠れさせて貰おっか」
話の間に入るタイミングを見計らい、夫婦は今回みたいな助けは滅多に来ないことを釘止され、一つ頭を下げるとアルフ達の待っている家へと足早に戻って行った
残されたアルシア達も今キュモールに見つかるとまた面倒になる事が必須なので、アルシアが言った宿屋へと騎士団の目を抜け、向かった