chapter:30 エトランゼは当て所もなく
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「やっと少しだが進展があったな」
「本当に少しだけだけどね、それでも私は満足だよ?」
「始祖の隸長に《陽月の子》、か…分からない事だらけだな」
「…ユーリ、フェローは私の力を哀れんでいるだけなんだって」
「デュークがそう言ってたのか?」
「うん、何でだろうね…《満月の子》は忌み嫌って、《陽月の子》は哀れむ…始祖の隸長の基準が良く分からないよ」
「それを知るにはやっぱりフェローに直接会って聞くしかないんだろうな」
「そうだね…」
「…何か気掛かりでもあんのか?」
賢人の屋敷から二人で歩き、水辺にて、今までの旅の中で知った情報を交えながら話しているとアルシアは柵にもたれ掛かり、声のトーンを落とす
気掛かりがあるのかと聞きながら、ユーリは彼女の隣に同じ様にもたれかかると苦笑を交えた返答を貰った
「フェローには会いたい、でも…始祖の隸長が哀れむ程…同情を浮かべる程に私の力は強力すぎて、自分の命も滅ぼす様なものなのかって
今更真実から目を反らして、下町に帰るとは言わないよ?でも…正直前よりもフェローに会う事が怖くなってる私がいる」
「…怖くなったって事は前より真剣に自分と見向かってるって事だろ」
「ユーリ…」
「良いんじゃねぇの?怖く思っててもアルシアは真実から目を反らさない、下町には帰らないって意志があるんだからよ
オレが一緒に背負ってやる、アルシアの恐怖も、真実を知った後の事もな」
「…本当に優しいね、ユーリは、うん、何だか元気出た!」
「そりゃ良かった、空回りじゃないだろうな?」
「勿論!…本当にありがとう、ユーリ」
「どう致しまして」
少し背を押しただけで彼女はガッツポーズを浮かべ、満面の笑顔を自分に向ける、大した強さだと毎度の事ながら感心してしまう
だがアルシアに言った事はユーリの本心だ、真実を知った後に挫折しても支える、それが彼女に対する一つの愛情の表現だと知っていたから
宿屋で体を休め、砂漠を越える為に万全な体調を取り戻した翌日
「おせーぞぉ」
「悪ぃ悪ぃ」
「もう、あんなに起こしたのに起きないんだから…」
「何?!青年、アルシアちゃんにモーニングコールされたなんて…羨ましい!」
「……あんたらも帰るんだな」
レイヴンからの妬み台詞を聞きながらも、ユーリはあえてスルーし、一緒に合流していたアルフ達の両親を気に掛けた
「おかげさまで体力も回復しましたし、もし砂漠を越えられるのなら、皆さんとご一緒しようかと……」
「じゃ、はぐれないようにね」
「で、ボクたちはこれからどうする?」
「あたしはカドスの喉笛のエアルクレーネにいくわ、始祖の隸長も気になるけどね」
「俺様はベリウスに手紙を渡さないとなぁ」
昨夜の月は新月寸前の欠けた月、レイヴンがベリウスと約束した日にちが迫っている
そんな彼にカロルはテンションを高くし、一緒に赴き、ドンと双璧と言われるベリウスに会いたいと申し出、カロルの目的地もノードポリカになりそうだ
「オレもノードポリカか、マンタイクの騎士団の行動、フレンに問いたださなきゃな
ま、ノードポリカにまだいれば、の話だけど」
「いると良いけど…探すのも大変だし、フェロー探しはその後にでも出来るから、ユーリ達と行くよ、エステルは?」
「わたしは……始祖の隸長が《満月の子》を疎む理由を知りたいです。だからアルシアも言う様にフェローに会わないと……」
「アルシアも気になるのはわかるけど、フェローに会うぐらいなら何か別の方法を探した方がいいわ」
「そうだな……砂漠を歩いてフェローを探すのはちっと難しそうだぜ」
「確かに…また皆が倒れちゃう可能性もあるもんね…どうしよう…」
「だったらみんなでノードポリカに向かうのはどう?始祖の隸長に襲われた理由……それがわかればいいんでしょ」
「え、ええ……」
「うん…」
「ベリウスに会えば、わかると思うわ」
砂漠に住むというフェローを探すにはリスクが高過ぎる、他の手を考えるアルシア達へジュディスはそう告げる、幸いにもエアルクレーネもノードポリカへ向かう道程で確認出来る事だ
だがベリウスが始祖の隸長の思惑を知っているということは闘技場と彼らは何かしらの関係があるのか、イエガーは確かにその様なことを示唆していた気がする
「ま、ベリウスに会いに行くのなら、途中でカドスの喉笛通るわけだし、魔導少女にとっても都合いいわな」
「だな、じゃあノードポリカを目指すか」
「うん、まずはマンタイクに戻ろう」
「パティは……」
「確かノードポリカにはパティをよく思ってない人が……」
「平気なのじゃ、あんなのは相手にしなければいいだけなのじゃ。さっさと海に出れば問題ないのじゃ」
「パティは強いね」
「それなら…………一緒に来るか?」
「のじゃ」
対応を知っているパティも変わらずこのまま、目的地も決まり、ヨームゲンを出て行く中でエステルが一人空を見上げ、動かずにいたのでユーリとアルシアが近寄る
「ベリウスに会えるのは新月の夜でしたっけ」
「時間があまりないね…」
「ああ、ベリウスに会うなら急がないと。新月過ぎて、また一月待たされるのはゴメンだしな」
「それじゃあ行こっか」
エトランゼは当て所もなく
(辿り着いたと思えば、そこはゴールでなく、)