chapter:30 エトランゼは当て所もなく
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「……三年、ね。そりゃ心配するわな」
「なんか色々話がおかしくない?」
「なんだか話が噛み合ってませんね」
「千年の間違いじゃないん?」
「それじゃ彼女、何歳?」
「三年前にも千年前と同じことがあったのじゃ、たぶん」
「歴史は繰り返すとは言うけど、それはどうよ」
「話だけじゃない、この街自体…私達と噛み合ってない気がする…」
「その賢人様、この街にいるのでしょう?どこにいるのかしら?」
ユイファンもそうだが、ヨームゲンというこの街そのものが自分達とは明らかに何かが違う、その違和感と疑問の中で冷静なジュディスの言葉に賢人様は街の一番奥の家にいると返された
ここで自分達が議論を繰り返しても、答えは出ない、彼女の会話に良く出ていた賢人様に話を聞くのを目的に、そして『澄明の刻晶』を渡しに行く事に
「邪魔するぜ」
「!待って、ユーリ!その人…」
「!」
「え……この人が……?」
「あんたは……」
「誰なのじゃ?」
「ここに来るまで、何度か会ったってだけだよ」
賢人の屋敷、そこにはユイファンが語ったジュディスの様なクリティア族がいる訳でもなく、何度か旅の中で出会い、アルシアを助けてくれたこともあったデュークの姿
「おまえたち……どうやってここへ来た?」
「どうやってって、足で歩いて砂漠を越えて、だよ」
「……なるほど……だが一体……?」
「?」
「いや……ここに何をしに来た?」
「(今、こっち見られた…?)」
「こいつについて、ちょっとな」
「わざわざ、悪いことをした」
「いや……まあなりゆきだしな」
「そうか……だとするなら奇跡だな」
一先ずはデュークが賢人とは分からないが、ユーリは手に持っていた『澄明の刻晶』を手渡す事に
それを見て、リタが先程のユイファンとの会話での賢人の言葉を思い出し、デュークへ一歩近付き、鋭く言葉を放つ
「あんた、結界魔導器作るって言ってるそうじゃない。賢人気取るのもいいけど、魔導器を作るのはやめなさい
そんな魔核じゃない怪しいもの使って、結界魔導器を作るなんて……」
「魔核ではないが魔核と同じエアルの塊だ、術式が刻まれていないだけのこと」
「術式が刻まれていない魔核……?どういうこと!?」
「一般的には《聖核》と呼ばれている、『澄明の刻晶』はその一つだ」
「これが《聖核》……!?」
「おっさんが探してるお宝かの?」
今まで探していたものはつい手元にあった、その事にレイヴンだけでなくアルシア達が驚く中でデュークは丁寧な手付きで『澄明の刻晶』改め《聖核》を床に置いた
そして彼は続けて、自分が賢人ではないとはっきりさせ、本当の賢人は死んだ事を単調に伝えた
「そりゃ困ったな、そしたら、そいつ、あんたには渡せねぇんだけど」
「そうだな、私には、そして人の世にも必要ないものだ」
「!な、何するの?!」
「あ~何すんの!待て待て待て!」
自分にも世界にも必要ないと再び単調に言うとデュークは自分の剣を手に、レイヴンの制止の言葉も聞かず、術式を展開させ、いつぞやで見た現象と同じものを発生させた
光の様な竜巻が止んだ後には《聖核》は跡形も無く消え去っていた、《聖核》の事で頭を抱えるのはレイヴン、そしてデュークが起こした現象にリタは食いつく
「《聖核》は人の世に混乱をもたらす、エアルに還した方がいい」
「……エアルに還す?今の、本当にそれだけ……」
「おいおい、だからって壊すことはねぇだろ」
「せっかくのお宝に乱暴なことをする御仁なのじゃ」
「『澄明の刻晶』は……いえ《聖核》はこの街を魔物から救うために必要なものだったんじゃないんです?」
「この街に結界も救いも不要だ、ここは悠久の平穏が約束されているのだから」
「え…?」
「確かにのどかなとこだけどな」
「でもフェローのような魔物も近くにいるんですよ」
「フェローが襲うとは分からないけど、それでも用心に越した事は…」
「なぜ、フェローのことを知っている」
「そりゃ、こっちの台詞だ、あんたも知ってんだな」
フェローの事をどうやらデュークは知っている様でエステルとアルシアの言葉に食いつく、が彼は逆に墓穴を掘った
ユーリに言葉の深追いをされ、彼は黙り込んでしまう、そんな黙り込んだデュークに一歩近付き、アルシアは逃がさない様に見据える
「フェローの事で知っている事があったら…教えてくれない?」
「わたし、フェローに忌まわしき毒だと言われました」
「私は世界の贄と言われたの、この単語を告げられたから…私たちはフェローを知っている」
「……なるほど」
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