chapter:30 エトランゼは当て所もなく
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「……うっ」
「!ユーリ?!」
「…アルシア?」
「良かった…ずっと寝てて心配したよ」
体に灯った熱が未だに気怠さを発するが、自分を覗き込み、漸く安堵した様に微笑むアルシアの為にもユーリは起き上がる
隣を見れば、自分と同じ症状であろうカロルとリタがぐったりとした様子で寝入っていた
「確か、砂漠で……天国ってわけじゃなさそうだな……、!アルシア、お前あの後、大丈夫だったのか?」
「え?あの後…?」
「オレ達が一斉に倒れた後のことだよ」
「…それが…私も良く分からないの、砂漠から見えた街に助けを呼びに走っていた途中で意識を失って…気付いたらここに」
「そうか…」
―倒れた時、確かにアルシアの前に魔物が現れたのを見た、けどこの様子じゃ、嘘をついてる様子じゃねぇし…
あの時の魔物は幻覚だったのか…?
長年一緒にいるアルシア、そんな彼女の嘘は直ぐに分かる程に単純だが、今回は嘘をついていないのが寝起きのユーリでも察しがついた
倒れていた本の時間、一体何があったのか…アルシア自身も分かっていない様子、それに彼女が自分達をここに運んだという訳ではない様だ
「そういえば、ここは……どこだ?」
「その話なら外にエステルとジュディスにパティがいるから、そこで話そう?カロルとリタはまだ辛そうだし…」
「ああ、そうだな…、アルシアが無事で良かった」
「えへへ…ありがと、私もユーリが目を覚ましてくれて良かったよ!」
お互いの無事を確認し、微笑み合うユーリとアルシアはカロルとリタをその場に残し、エステルとジュディスがいるという外へ
どうやらユーリ達が眠っていた場所は宿屋の様だった、そして街は何処か古風に、今まで見てきた街の様な風貌ではなかった、まるで時間の中に置き去りにされている様だ
「おはよう」
「おはようさんのチューはいらんかの?」
そんなパティのいつも通りの言葉にユーリは返答せずにその頭を撫で、アルシアと共に橋梁で涼んでいたジュディスとエステルへ歩み寄る
「あ、ユーリ、もう大丈夫ですか?」
「ああ、おまえらこそ大丈夫なのか?」
「ええ、とりあえずは」
「オレら砂漠でぶっ倒れたよな?それが何で街にいるんだ?アルシアだと思ったら、違うって言うしよ」
「私は助けを呼びに行った途中で倒れちゃったから…何か…ごめん」
「何、アルシアはうちらの為に頑張ってくれたのじゃ!謝らないでいいのじゃ」
「アルシアではない誰かが助けてくれたようだけれど……」
「誰だかわからないんです」
「あんなスナスナなところを通りがかって、うちら全員を助けるような奇特な奴は誰かの」
エステルもジュディス、そしてパティにも自分達を助けてくれた人物というのは分からず終いである
一体誰が自分達を助け出したのか…きっとこの街の住民であるのは間違いないだろう、首を傾げているとふとジュディスが話題を微かに反らす
「見付け出してお礼しないとね、それにわたし達が起きるまで最初に目を覚まして、看病をしていてくれたアルシアにもね」
「ジ、ジュディス!」
「ふふ、言っちゃだめだったかしら?」
「本当なのか?アルシア」
「う…せ、せめて助けを呼べなかった分、皆に何かしたくて…勝手にしただけだから、お礼なんていらないよ」
「でもアルシアのおかげでこうして早く目が覚めました、ありがとうございます、アルシア」
「わたしもお礼を言っておくわ、ありがとう」
「お礼はいらないって言ったばかりなのに…もう」
エステルとジュディスからの感謝の気持ちを貰い、アルシアは照れくさそうにしながらも恥ずかしそうな苦笑を浮かべた
そんな彼女の微笑ましい姿を見て、つい笑みが浮かぶユーリ、ふと助け出した夫婦がいない事に気付けば、彼らも命の恩人は見ておらず、今は街を見て廻っているとのこと
「……そう言えば、あれは幻だったのかな……」
「ん?」
「何のことです?」
「いや……気を失う前にカドスでエアルの暴走をおさめたあのでっかい魔物を見たんだけど……」
「本当ですか?」
「ああ……見てないのか、エステル」
「ええ、わたしは見てません」
「だとするときっとその魔物が助けてくれたのじゃ、たぶん」
「魔物がわたしたちを……?まさか」
「幻、か……?アルシアの前に現れた様に見えたんだが…アルシアも見てないか?」
「ごめん、私も見てない…」
どうにもあの魔物が本当にいたか気になってしまうが、見ていたのはユーリだけ
疑うという訳ではないが、一応アルシアの言動にも気に掛けてはみるが彼女も最初の答え通り、本当に魔物は見ていない様だ
「そうか…んで?ここはどこで、なんて街なんだ?」
「それは優しいおじさんが調べてくれているわ」
「優しい……?ああ、おっさんね」
「おじ様、進んで聞き込みに行ってくれたんだよ!」
「それは多分アルシアにいいとこ見せようと張り切ったんだろ」
「ん?」
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