chapter:29 高らかな声と凛とした背中を携え
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「風よ起これ、サッと吹いてサッと斬れ…ウィンドカッター!」
「さっきの様にはもう行かないわよ!狂気と強欲の水流、旋嵐の如く逆巻く!タイダルウェイブ!」
レイヴンが起こしたカマイタチ、そしてリタが起こした大津波にアウトブレーカーは再び倒れ、分が悪いと感じたのか口内から球体を取り出し、天候を逆転させようとするが…
「如月!」
「飛燕連斬!」
ジュディスとアルシアが三度目はないと言う様に球体目掛けて、武器を振り下ろす、二人の容赦ない攻撃に球体とアウトブレーカーはその場に意地出来ずに倒れ、球体は二度とその役目を果たせない様になった
「はぁっ!ぶっ飛べ!」
ユーリの攻撃が痛手となったのか、アウトブレーカーは悲鳴の様な声を上げ、その場から姿を消した
何とか撃退したものの派手に動き回った所為でアルシア達の体力は限界に来ていた
「消えた……?」
「何か降って来たけど…」
「これは……?」
空から橙色のグラデーションがかった鳥にしては大きな一枚の羽根をエステルが掴み、それをアルシアが覗きこんだ、だが…
「はあ……ボク、もうだめ……」
「リタ……カロル……」
「エステルッ!」
「サザエのつぼ焼き……よりも……グツグツグラグラ熱……」
「パティ!ジュディス…ッ」
「さすがの俺様も、もう限界……」
「……こりゃ、やべぇ……」
「皆…!」
カロルを筆頭に次々と自分の目の前で仲間が倒れていく、その姿にアルシアは涙を浮かべてしまう
彼女が今も立っていられるのはカドスの喉笛で倒れ、十分過ぎる休息を取ったから
「(私、が何とかしなきゃ…今度は私が皆を…!)!あれ、は街…?」
ここで自分までも倒れる訳にはいかない、弱気になっては皆の命を危ぶまれる、カドスの喉笛の時は自分が助けて貰った
ならば今度は自分が皆を助ける番、そして目の前には幸いにも街らしき陰もある、あそこに行き、助けを呼ぼう、そう思い、走り出そうとすると大きな陰が自分を覆う
「…!?」
目の前にはカドスの喉笛で自分が倒れる寸前に見た、あの大きな魔物がその瞳でアルシアを見つめていた
「今はあなたの相手をしている暇がないの…皆を助けられるのは私だけだと思う…!だから…そこをどいて」
『…』
「アルシア…良い、から…」
霞む視界の中で自分達を庇い、巨大な魔物へ必死に訴えかけるアルシアの声とその背中を見ながら、その手を掴もうとしたユーリも暑さに意識を奪われた…
高らかな声と凛とした背中を携え
(少女は彼らの盾になると声を上げた)