chapter:29 高らかな声と凛とした背中を携え
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「これ何だ?」
「アイフリードが隠した宝なのじゃ」
「これが……?」
「でもよく砂の中の宝物なんか見つけることできたね」
「冒険家の勘はイルカの右脳よりも鋭いのじゃ」
「勘?非科学的~」
「あら、侮れないわよ、勘って」
「まさかそれか?探してたお宝ってのは」
「違うのじゃ、これはガラクタなのじゃ。それにうちはお宝を見つけるのが目的ではないのじゃ」
「パティが見つけたいのは自分の記憶、だよね?」
「そうなのじゃ、そのためには祖父ちゃんのお宝の「麗しの星」を見つけるのじゃ」
その肝心のパティ自身の記憶は未だ戻って来ていない様で眉を顰めていた
だが直ぐに眉間の眉の力を弱め、笑みを浮かべる、どうやら彼女は本当に立ち直りが早く元気な子の様だ
「ねぇ、こんなところでおしゃべりしてたら、行き倒れになるわよ」
「……だな」
「パティはまだ旅を続けるんでしょう?だったら一緒に行こ?」
「む?宝探しの続きがあるんじゃがの」
「ごちゃごちゃ言わないでついてくる」
ここに彼女を放っていけば、再び砂漠に生き埋めになりそうだ、そしてこんな砂漠のど真ん中で子供を置いて行ける訳もなく、そんな訳でパティも一緒に砂漠を進む事に
パティを連れ、砂漠を歩き進んでいると再びカロルがオアシスを見つけた時と同じ様に声を上げた
「あそこにいるのは……!」
「もしかして、あの人達が…!」
「行くぞ!」
「だ、大丈夫!?」
「エステル、疲れてると思うけど…お願い、出来る?」
「だいじょうぶです、アルシアの頼みなら尚更…!」
岩の陰部分に微かに砂に被られている男女、彼らに駆け寄り、その意識がない事を確認したアルシアに頼まれ、尚かつ倒れている人間を放っておけないエステルが治癒術を展開
彼女の治癒術のおかげでか、男女は意識を取り戻し、乾いた口を開いた
「うぅっ……あ、あなた方……」
「楽になりました?」
「ああ……妻は、妻は……」
「この人、かな……?ここにいるよ」
夫と見られる男性の隣に倒れていた女性にもエステルが治癒術で女性の意識を取り戻させた
「まだじっとしていてください」
「何かしてほしいこと、ある?」
「み、水を……」
「水ね、はいこれ」
脱水状態の男女にアルシア達が水筒を渡せば、彼らはあっという間にその中にあった水を飲み干してしまった
「はあ……あれ、もうおしまいか」
「少し物足りないわね」
「でも……ありがとうございます」
「あなた方のおかげで助かりました」
「主にエステルとカロルのおかげだね」
「いえ、そんな……」
少々水筒の中身を物足りなさそうに見つめていた男女だが、直ぐに立ち上がると自分達を見つけてくれたアルシアへ頭を下げた
二人を助けたのはエステルとカロルだと言うアルシアの言葉にエステルが照れくさそうに笑うが、ユーリが現実に引き戻す言葉を二人へ送った
「安心するのは生きて帰れてからだ」
「なに、なんとかなるのじゃ」
「この状況でその台詞言えるなんて、あんた上等だわ」
「お礼を……といっても、今は何も持ち合わせがなくて……」
「ああ、いいっていいって、そんなの」
「いえ、そういうわけには行きません。ぜひ、お礼にマンタイクまで取りに来て下さい」
「マンタイク……?」
「あなたたち、もしかしてアルフとライラの両親かしら?」
「え、ええ、そうです!」
「もしかして、マンタイクであの子たちに……?」
マンタイクの住人、そして夫婦ということで一つの可能性が浮き彫りになる、そしてその可能性をジュディスが二人へと隠す事なくぶつけ、可能性が確定した
子供達が心配している事を伝えると、夫婦達は尚更顔を青ざめ、子供達の為に早く帰らなければという焦りが先走りし出した
「ああ……こうしちゃいられない、早く戻らないと……」
「焦らないで、二人だけで帰れると思う?」
「そ、それは……無理です……ね」
「あの子達には私達がお母さん達を見つけてくるって言ってるから、マンタイクで待っててくれているよ」
「ちょっと落ち着いて、ね」
「そうなのじゃ、少しこの辺りで横になるのじゃ」
「ちょっとパティ、それは落ち着き過ぎ……」
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