chapter:28 蜃気楼先のアポクリファ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「失礼しました……!」
「もしかして……まずかったでしょうか?」
「ううん、全然まずくなかったよ」
「結果オーライだな」
どうやら騎士達はエステルが皇女だと気付き、そう言うと逃げる様にその場を去っていった
騎士達がいなくなったのを見計らい、リタ、カロル、ジュディスもこちらに来ると子供達は口を開いた
「ありがとう、お姉ちゃん、お兄ちゃん」
「坊やたち、お名前は?」
「ぼくはアルフ、妹はライラって言うんだ」
「お父さんとお母さん、どうしたのかしら?」
「んーとね、シッセイカン様の馬車に乗せられて砂漠に連れてかれちゃった……フェローのチョーサするんだって」
「え…?」
「フェローって……!」
「ああ」
「何で執政官が街の人を使ってまで…」
「でもフェローの調査って何をする気よ?」
「それに街の人を利用してってことだよね?ひどくない?」
「こんな感じ、どこかで…」
何故執政官がフェローを調査するのか、線が繋がらずにアルシア達は頭を捻る、そしてアルシアは人を利用するやり口を何処かで見た気がした
言葉が途切れたのを見計らってか、ライラと呼ばれた少女が兄であるアルフへ声をかけた
「ねぇ……お兄ちゃん、お父さんたち探しに行かないの?」
「やめなさい、あなたたちが砂漠に行っても死ぬだけよ」
「えっ」
「ジュディス!」
「え、えっと…お父さんたちが帰ってきて、君達がいないと悲しむよ?だから危険な真似しちゃだめ、そうだなぁ…」
彼女が嘘をつくのは苦手というのは知っているが、あまりに単刀直入するジュディスの言葉にエステルが嗜める様に声を荒げる
アルシアがジュディスの言葉を柔らかくして、アルフ達へ砂漠の危険性を伝えているとこれまたジュディスが今度は意外な言葉をアルフ達へ告げた
「私たちが探すわ、だから砂漠にいってはダメ」
「ほんとに?」
「私、ウソはつかないわ、……いいでしょう?カロル」
「うん、いいよ」
「いやにあっさりしてるわね」
「義をもって事を成せ、ですよね」
「だねっ…だから私達にお父さん達のことは任せて、お家で待ってて?」
「ありがとう!お姉ちゃんたち」
「お礼にこれ、あげる!」
満場一致でアルフ達の父親を探す事を請けるとアルフはジュディスに何かを渡し、ライラを連れ、騎士に見つからぬ様にその場を走り去っていった
ジュディスの手に置かれたそれは…
「……ガラス玉?」
「綺麗だね、あの子達の宝物かな?」
「素敵な宝石だわ」
「仕事の報酬ですね」
「先払いしてもらった分、きっちり働かないとな、カロル」
「そうだね」
「何としてもあの子達の両親、探し出さないとね!」
「……にしても……帝国がフェローの調査、か……」
「一体何のために…」
「さあな、だがアルシアみたいな純粋な思いで探してる訳じゃなさそうだ」
砂漠でのフェロー探しに加えてのアルフ達の両親探し、それと同時に帝国の思惑がやはり気になってしまう
ユーリもアルシアもそれにより、砂漠の方へ抜ける出口へ向かうが二人の異変にエステルが気付き、立ち止まった
「どうしたんです?アルシア、ユーリ」
「いや、ここの執政官は何を企んでるんだろうってな」
「後は帝国も一緒にフェローを探したりするのが気掛かりで…」
「ま、帝国としては姫様を狙う化け物は排除したいだろうけどな、オレもアルシアを狙うフェローは排除したいもんだ」
「え、冗談でもだめだからね…?!」
「でもあいつら、エステルが狙われてることも気付いていないんじゃない?」
「じゃあ何のためよ」
「あたしが知るわけないでしょ」
「外出禁止というのもわからないわね」
「とにかく、まずはコゴール砂漠でしょ」
「ああ、この街のことを調べるにしても帰ってきてからだ」
「早くあの二人の親を助けてやんないと、この暑さでぶっ倒れちまうわよ」
「それだけは避けなきゃ、あの子達の約束は守ってあげないと」
「……そうですね」
「(エステル…?)」
何を差し置いても、執政官や帝国よりも前にフェローに会う、そしてアルフ達の子供を助けなければ
そういう事にはいつも力を入れるエステルが今回に限っては口数少ない、その様子にアルシアは違和感を覚えた
「んで砂漠の中央部はこの先、抜ければいいんだっけ?」
「そうね、おそらくあの子たちの両親が連れていかれたのはそっちの方だと思うわ」
「わかった、行こうぜ」
執政官達への疑問とエステルの事は気掛かりだったが、ユーリの言葉にアルシアは彼の背中を追い、砂漠への道程を歩み出したのだった
蜃気楼先のアポクリファ
(入り乱れる思考は誰の為に体を動かすの?)