chapter:28 蜃気楼先のアポクリファ
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話してすっきりしたのかいつもの笑顔を取り戻したエステルの頭を撫で、彼女を宿で眠る事を催促させ、その背中を見送った
本当は彼女に言ったアルシアの紛失癖は嘘だ、あえて嘘を言ったのはエステルに自分以外の仲間を信じて頼って欲しかったから
どうか、この気遣いが余計ではない様にと苦笑しながらもアルシアも宿に戻り、朝を迎えた
「世話になったな」
「あのぉ……どんな理由があるか存じませんが……やはり砂漠へ行くのはおやめになった方が……」
「サンキュ、でもみんなで考えて出した結論だからな」
「そうですか、ではお約束のものを……」
騎士がいない所為か昨日より口数が多い宿屋の主の説得を有難く受ける、だが行く事を止めないアルシア達へ宿屋の主は水筒を取り出すが大きさに問題が、
「水筒、こんな小さいの!?」
「リタ、この大きさはどうかな?」
「十分じゃない?」
「そうね、砂漠に生えてる、ある種のサボテンは水を多分に含んでるから」
「そう、そこからこまめに水を補給すれば、これで事足りるの、よく知ってるわね」
「二人共物知りだねー…勉強になるなぁ」
「ありがとうございます、助かります」
「いえいえ、それらは差し上げますので遠慮なく使ってください
ここを出て、すぐそこの分かれ道を右に曲がった突き当たりに湖があります、そこで水を汲んでいくと良いでしょう」
「わかった」
「本当にありがとうございます」
「ところでさ、ここにいたあの騎士、何?」
水筒の小ささにはカロル同様に密かに驚きはしたが、ジュディスとリタの知識に納得し、砂漠へ向かう準備は整う
昨日とは違い、カウンターの傍の騎士がいない事にここぞとばかりに直球の質問を宿屋の主へと向けた
「ずっと見張られてて、おっさん緊張しちゃったよ」
「ウソばっかり……」
「……あれは監視です、住民が外から来た方と勝手に話をしないように」
「どうして、そんなことを?」
「理由はわかりませんが執政官命令で私のような商売人以外は外出禁止なのです」
「なるほど……だから街中に住民の姿が見えないんだな」
「何処かの誰かを思い出すね…」
「ここでも執政官が悪巧みしてるのかな」
「つい最近まで執政官なんていなかったのに、とうとうここに来て……」
「そうなんです?」
「ええ、最近ノードポリカで騎士団が動いているとか、遂に騎士団がベリウスの捕縛に乗り出したみたいですね
この街に帝国の執政官が赴任してきたのも、その波紋みたいですね」
「騎士団がベリウスを捕まえるの!?」
「なんでも闘技場の統領が人魔戦争の裏で糸を引いてたらしいですから」
もう一つの目的であり、次の満月の日に出会うと約束したベリウスの捕縛にも驚愕したというのに、人魔戦争にベリウスが関与していたという事が大きな波紋を広げた
どうやらこの街ではそんな噂が囁かれているらしい、だが戦士の殿堂がある限りは帝国も迂闊に手出しは出来ない筈とも続けた所で外から騎士が戻って来てしまった
「………」
「ご利用ありがとうございました」
「え……ちょ……」
「カロル」
「世話になったな、湖に水汲みにいくぞ」
騎士が戻って来た為に宿屋の主も話が出来なくなる、気になる所で話を切られ、狼狽えるカロルを宥め、ユーリが何事もなかった様にその場を終わらせた
宿屋の主に言われた通りの道の先で貰った水筒に水を汲み、準備はこれにて完全に整う
「水も汲んだし、準備OKだね」
「ですね」
「いよいよだね」
「やだよぉ、はなしてよぉ!」
「!」
「アルシア…!ったくしゃーねぇなっ」
自分が通った道で子供の叫び声にアルシアは踵を返し、逸早くそちらへ走っていってしまう、そんな背中をユーリが呆れた様にしながら追い掛けた
道を戻ってみると先程までいなかった二人の子供が二人の騎士に見つかり、行きたがっている道を塞いでいるのが見えた
「外出禁止令を破る悪い子は執政官様に叱っていただかないとな」
「いやだ、ぼくたち、お父さんとお母さんを探しに行くんだよ……!」
「お父さん達がいないなら、私がこの子達のお父さん達と執政官様とかの代わりに叱っておいてあげる」
「よそ者は口出しするな」
「おっと、ウチの奴が面倒かけたな、コイツだけじゃ足りないなら、オレも叱っておいてやるよ」
「ユーリ…!」
「許してあげてください、わたしが直接この子達に代わって執政官に頭を下げます」
「おや……もしや、この方……」
アルシアには目くじらを立てた騎士だったが、エステルの顔を見ると別の騎士が隣の騎士に何かを耳打ちする
その言葉を聞き、顔色は見えないものの耳打ちされた騎士の顔色と姿勢は強張った様な気がした
本当は彼女に言ったアルシアの紛失癖は嘘だ、あえて嘘を言ったのはエステルに自分以外の仲間を信じて頼って欲しかったから
どうか、この気遣いが余計ではない様にと苦笑しながらもアルシアも宿に戻り、朝を迎えた
「世話になったな」
「あのぉ……どんな理由があるか存じませんが……やはり砂漠へ行くのはおやめになった方が……」
「サンキュ、でもみんなで考えて出した結論だからな」
「そうですか、ではお約束のものを……」
騎士がいない所為か昨日より口数が多い宿屋の主の説得を有難く受ける、だが行く事を止めないアルシア達へ宿屋の主は水筒を取り出すが大きさに問題が、
「水筒、こんな小さいの!?」
「リタ、この大きさはどうかな?」
「十分じゃない?」
「そうね、砂漠に生えてる、ある種のサボテンは水を多分に含んでるから」
「そう、そこからこまめに水を補給すれば、これで事足りるの、よく知ってるわね」
「二人共物知りだねー…勉強になるなぁ」
「ありがとうございます、助かります」
「いえいえ、それらは差し上げますので遠慮なく使ってください
ここを出て、すぐそこの分かれ道を右に曲がった突き当たりに湖があります、そこで水を汲んでいくと良いでしょう」
「わかった」
「本当にありがとうございます」
「ところでさ、ここにいたあの騎士、何?」
水筒の小ささにはカロル同様に密かに驚きはしたが、ジュディスとリタの知識に納得し、砂漠へ向かう準備は整う
昨日とは違い、カウンターの傍の騎士がいない事にここぞとばかりに直球の質問を宿屋の主へと向けた
「ずっと見張られてて、おっさん緊張しちゃったよ」
「ウソばっかり……」
「……あれは監視です、住民が外から来た方と勝手に話をしないように」
「どうして、そんなことを?」
「理由はわかりませんが執政官命令で私のような商売人以外は外出禁止なのです」
「なるほど……だから街中に住民の姿が見えないんだな」
「何処かの誰かを思い出すね…」
「ここでも執政官が悪巧みしてるのかな」
「つい最近まで執政官なんていなかったのに、とうとうここに来て……」
「そうなんです?」
「ええ、最近ノードポリカで騎士団が動いているとか、遂に騎士団がベリウスの捕縛に乗り出したみたいですね
この街に帝国の執政官が赴任してきたのも、その波紋みたいですね」
「騎士団がベリウスを捕まえるの!?」
「なんでも闘技場の統領が人魔戦争の裏で糸を引いてたらしいですから」
もう一つの目的であり、次の満月の日に出会うと約束したベリウスの捕縛にも驚愕したというのに、人魔戦争にベリウスが関与していたという事が大きな波紋を広げた
どうやらこの街ではそんな噂が囁かれているらしい、だが戦士の殿堂がある限りは帝国も迂闊に手出しは出来ない筈とも続けた所で外から騎士が戻って来てしまった
「………」
「ご利用ありがとうございました」
「え……ちょ……」
「カロル」
「世話になったな、湖に水汲みにいくぞ」
騎士が戻って来た為に宿屋の主も話が出来なくなる、気になる所で話を切られ、狼狽えるカロルを宥め、ユーリが何事もなかった様にその場を終わらせた
宿屋の主に言われた通りの道の先で貰った水筒に水を汲み、準備はこれにて完全に整う
「水も汲んだし、準備OKだね」
「ですね」
「いよいよだね」
「やだよぉ、はなしてよぉ!」
「!」
「アルシア…!ったくしゃーねぇなっ」
自分が通った道で子供の叫び声にアルシアは踵を返し、逸早くそちらへ走っていってしまう、そんな背中をユーリが呆れた様にしながら追い掛けた
道を戻ってみると先程までいなかった二人の子供が二人の騎士に見つかり、行きたがっている道を塞いでいるのが見えた
「外出禁止令を破る悪い子は執政官様に叱っていただかないとな」
「いやだ、ぼくたち、お父さんとお母さんを探しに行くんだよ……!」
「お父さん達がいないなら、私がこの子達のお父さん達と執政官様とかの代わりに叱っておいてあげる」
「よそ者は口出しするな」
「おっと、ウチの奴が面倒かけたな、コイツだけじゃ足りないなら、オレも叱っておいてやるよ」
「ユーリ…!」
「許してあげてください、わたしが直接この子達に代わって執政官に頭を下げます」
「おや……もしや、この方……」
アルシアには目くじらを立てた騎士だったが、エステルの顔を見ると別の騎士が隣の騎士に何かを耳打ちする
その言葉を聞き、顔色は見えないものの耳打ちされた騎士の顔色と姿勢は強張った様な気がした