chapter:52 抱き止めた一輪の華
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「誰もいないとこでやってくれ、聞いてて恥ずかしいぜ」
「……ショーは終わりだ、幕引きをするとしよう
姫、ひとりずつお仲間の首を落として差し上げるがいい」
術式が消え去ると再びエステルを戦わせようとアレクセイは指示する為にユーリは怒りを露にする
「!! てめぇ……!」
「姫も君たちがわざわざここに来たりしなければ、こんなことをせずにすんだものを
我に返ったときの姫のことを思うと心が痛むよ、ではごきげんよう」
「ユーリ…ッ」
「待てってんだ、アレクセイ!」
嘲笑を込め、片手を胸の前に置くとアレクセイは頭を下げ、アルシアをも連れて行こうとするアレクセイへユーリは切り掛かると同時にアルシアへと手を伸ばす
「ユーリ、いたい、よ…」
「!アルシア…ッ」
「…エステルを……お願い、ね…」
辛そうに眉を潜め、今にも溢れそうな涙を浮かべ呟かれたアルシアの言葉にユーリも同じ様に眉を潜めているとアレクセイと彼が連れて行こうとする彼女を囲む様に風が荒び、剣が届く事はない
「てめえ、戻ってこい!アレクセイ!!」
「くっ……あいつ……!!」
「またアルシアが連れて行かれちゃったよ!」
「!エステル……やめて……!」
背を向けていたユーリへとエステルが再び切り掛かるも再び鍔迫り合いとなってしまう
「っ……だぁっ!!」
「これ以上……誰かを傷つける前に……お願い……」
「今……楽にしてやる」
「ユーリ……」
「「ユーリ!」」
盾を前面に出し、ユーリの体を鋭い突きで貫こうとするエステルの剣を再び彼の剣が受け止めた
彼のその表情には先程のエステルの言動による苛立が表面に出ていた
「いったいお前は何やってんだよッ!!」
「わたし、わたし…いやぁ、もう、もうっ…!」
「ふん!」
苦悶の言動とは裏腹に剣を振るう手には一切の容赦はなく、ユーリ目掛けて炎の柱が立ち上るものの彼はそれを防御し受け流す
「こんな所で本当に死ぬつもりかよ!死んでもいいのか!」
「ええええっ!!」
「オレの目を見ろ、エステルッ!」
エステルからの視線を集め、ユーリは服のポケットからある物を取り出す、それはマンタイクで最初こそアルシアが預かろうとしていたエステルの母の形見
それを目に止めた瞬間、エステルの瞳が微かに揺らぎ、剣を持つ手が下へと落ちる
「そ…れは…っきゃああああああ!」
母の形見で術式で抑圧されていた自我が呼び起こされたのか、エステルの攻撃は鎮まる
固唾を飲んで仲間が二人を見守る中、動きを止めたエステルへとユーリが必死に呼び掛ける、彼女をこちらへ呼び戻すには後もう一押しだ
「帰ってこい、エステル!おまえはそのまま、道具として死ぬつもりか!?」
「わた…わたしは……」
ユーリの言葉に動揺を露にしていたエステルは剣を取り落とし、仲間は息を呑む
言葉を呆然と繰り返す彼女の瞳に光が戻り、その瞳からは涙が一筋伝う
「わたしはまだ人として生きていたい!!」
泣き叫ぶエステルの体からは満月の子の力が放たれ、その力により帝都を覆っていたエアルは消え去ると上空は青く澄み渡る
「はあ……はあ……」
「は……く……」
「やった、エステル、目が覚めたんだね!」
「待って、システムが!?」
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