chapter:51 汚れきった白と屈託の無い黒
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帝都についてからの苛立も消え失せ、安心した雰囲気のユーリの様子に感情が敏感に取れる子供達であるカロル、パティも同じ様に安心した様だ
和やかな雰囲気の中、きょろきょろと辺りを見渡しているハンクスは痺れを切らしたのか口籠りながらも見当たらない少女の名を口にした
「ユーリ、アルシアの姿が見えんようじゃが……どうかしたのか」
「……ちょっと、な。今から助けに行くとこなんだ」
「助けに…?何かに巻き込まれたんか?」
「話せば長くなるから今はそこまでしか言えねぇ
心配すんなって、ちゃんと助け出して一緒に帰ってくる」
「……おまえら、元団長閣下を見なかったか?」
未だに泣き続けているルブランはレイヴンからの問いかけに姿勢を正すものの、彼らからアレクセイを見かけてはいない、という返答が返って来た
「ただ外で親衛隊の話し声でなにやら御剣の階梯のことを」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるってことね」
「煙と極悪人は高いところに昇りたがるんじゃな」
「問題は御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね、仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す!術式ならリタがいる、大丈夫だよ!」
「だな。じいさん、あんたらはこのままここで隠れててくれ。行くぜ!」
ルブラン達に下町の者達を任せ、御剣の階梯を目指し歩き出した所で再度下町の面々が無事だった事を祝福する
後はアレクセイからエステルとアルシアを助け出す事で全て解決する、そこで下町の面々が助かる引き金となった彼らも賛美する流れに
「おっさんの部下が始めて仕事らしい仕事をしたわね」
「だから、もう俺様の部下じゃないっての」
「あいつら、おっさんを見るときの目が輝いてるのじゃ」
「あんなに尊敬されているのに出てくるなんて酷い人ね」
「な~んか、今度はおっさんが釈然としない気持ちになったんだけど」
不貞腐れるレイヴンをそのままに親衛隊が数多く配置された中を抜け、謁見の間と呼ばれる玉座がある部屋に辿り着く
そこには親衛隊の姿は見えず、玉座の左右にシンメトリーに伸びる階段と月の満ち欠けを沸騰させる壁画が出迎える
「ようやく来ましたね」
人影が見当たらない為に油断していたユーリ達の背後から自分達を待ち受けていたかの様にクリティア族の女性が現れる、その女性には見覚えがあった
カルボクラムで騎士団に捕まり、ヘリオードで尋問されていた彼らの前にアレクセイと付き添い現れたのが初対面だった
「クリティア族!?いえ、あなたは確か……」
「帝国騎士団特別諮問官クローム、……要するにアレクセイの秘書殿よ」
「アレクセイの……ってことは!?」
「敵!?」
敵対心を露にするリタ、パティ、カロルの前でクロームと呼ばれた女性は静かに首を横に振り、違うと彼らの言葉を否定した
「いいえ違います。……少なくとも今は」
「引っかかる言い方だな、悪ぃがこっちは急いでんだ。戦うか、でなきゃ後にしてくんねえかな」
「誰がためにあなたたちは戦うのですか?」
「え?」
「あの哀れな娘達のためですか」
「哀れだとかあんたに言われる筋合いなんかない!」
「回りくどいねぇ、何が言いたいのよ?」
「あの人があなたたちに何を見たのか分かりませんが……あなたたちがあの人を止めてくれるのを願っています」
真意を最後まで彼らに晒さず、意味深な言葉を残し、クロームはその場を後にしてしまった
その言葉通りにアレクセイの元へ向かおうとするユーリ達の邪魔をする訳でない彼女にリタは不服そうに腕組みをし、意味が分からないと率直な意見を零す
彼女の言葉から推測するに「あの人」というのは今はアレクセイだと思われるが、真意はやはり見えずじまい
「ま、考えても仕方ねぇ」
「そうね。もう、この先に二人は居るのだから」
「のじゃ、止めるなんて生ぬるい。ぶっ倒すのじゃ」
「あとはぶっつけってとこかねぇ?」
「そう言うこった、行くぜ!」
彼らが歩き出す背後でジュディスはクロームがいなくなった先を見返っていた、その瞳には疑念と彼女の正体を見透かそうとしているかの様に…
玉座の背後にある御剣の階梯に続く道はレイヴンが言っていた様に確かに仕掛けが施され、堅く閉ざされていた
【正しきは一から四、前から後ろ、闇から光である
誤りは災いの元……】
その言葉に連動する城内にある月をイメージさせる床画に設置された計四体の女神像の仕掛けを解いて行くと壁画にも変化が起こり、謁見の間へ戻ると仕掛けは解除されていた
仕掛けの先の階段の先には長い螺旋状の坂が待ち構えており、道の終着点には依然として球体状の術式に捕われたアルシアとエステルが捕われ続けている
エステルが捕われた球体は彼らと背を向ける形になっており、表情が見えないがアルシアは青白い顔で気を失っている姿を確認出来た、その口の端には微かに血の跡が
ユーリ達が現れたにも関わらず、アレクセイは動揺もせず、逆に煩わしそうに面持ちを変えた
和やかな雰囲気の中、きょろきょろと辺りを見渡しているハンクスは痺れを切らしたのか口籠りながらも見当たらない少女の名を口にした
「ユーリ、アルシアの姿が見えんようじゃが……どうかしたのか」
「……ちょっと、な。今から助けに行くとこなんだ」
「助けに…?何かに巻き込まれたんか?」
「話せば長くなるから今はそこまでしか言えねぇ
心配すんなって、ちゃんと助け出して一緒に帰ってくる」
「……おまえら、元団長閣下を見なかったか?」
未だに泣き続けているルブランはレイヴンからの問いかけに姿勢を正すものの、彼らからアレクセイを見かけてはいない、という返答が返って来た
「ただ外で親衛隊の話し声でなにやら御剣の階梯のことを」
「御剣の階梯?」
「うちらが吹っ飛ばされた、あの高ーい高いアレよ」
「まだそこにいるってことね」
「煙と極悪人は高いところに昇りたがるんじゃな」
「問題は御剣の階梯ってえらーい人しか入れないのよね、仕掛けがあんの」
「仕掛けならボクが外す!術式ならリタがいる、大丈夫だよ!」
「だな。じいさん、あんたらはこのままここで隠れててくれ。行くぜ!」
ルブラン達に下町の者達を任せ、御剣の階梯を目指し歩き出した所で再度下町の面々が無事だった事を祝福する
後はアレクセイからエステルとアルシアを助け出す事で全て解決する、そこで下町の面々が助かる引き金となった彼らも賛美する流れに
「おっさんの部下が始めて仕事らしい仕事をしたわね」
「だから、もう俺様の部下じゃないっての」
「あいつら、おっさんを見るときの目が輝いてるのじゃ」
「あんなに尊敬されているのに出てくるなんて酷い人ね」
「な~んか、今度はおっさんが釈然としない気持ちになったんだけど」
不貞腐れるレイヴンをそのままに親衛隊が数多く配置された中を抜け、謁見の間と呼ばれる玉座がある部屋に辿り着く
そこには親衛隊の姿は見えず、玉座の左右にシンメトリーに伸びる階段と月の満ち欠けを沸騰させる壁画が出迎える
「ようやく来ましたね」
人影が見当たらない為に油断していたユーリ達の背後から自分達を待ち受けていたかの様にクリティア族の女性が現れる、その女性には見覚えがあった
カルボクラムで騎士団に捕まり、ヘリオードで尋問されていた彼らの前にアレクセイと付き添い現れたのが初対面だった
「クリティア族!?いえ、あなたは確か……」
「帝国騎士団特別諮問官クローム、……要するにアレクセイの秘書殿よ」
「アレクセイの……ってことは!?」
「敵!?」
敵対心を露にするリタ、パティ、カロルの前でクロームと呼ばれた女性は静かに首を横に振り、違うと彼らの言葉を否定した
「いいえ違います。……少なくとも今は」
「引っかかる言い方だな、悪ぃがこっちは急いでんだ。戦うか、でなきゃ後にしてくんねえかな」
「誰がためにあなたたちは戦うのですか?」
「え?」
「あの哀れな娘達のためですか」
「哀れだとかあんたに言われる筋合いなんかない!」
「回りくどいねぇ、何が言いたいのよ?」
「あの人があなたたちに何を見たのか分かりませんが……あなたたちがあの人を止めてくれるのを願っています」
真意を最後まで彼らに晒さず、意味深な言葉を残し、クロームはその場を後にしてしまった
その言葉通りにアレクセイの元へ向かおうとするユーリ達の邪魔をする訳でない彼女にリタは不服そうに腕組みをし、意味が分からないと率直な意見を零す
彼女の言葉から推測するに「あの人」というのは今はアレクセイだと思われるが、真意はやはり見えずじまい
「ま、考えても仕方ねぇ」
「そうね。もう、この先に二人は居るのだから」
「のじゃ、止めるなんて生ぬるい。ぶっ倒すのじゃ」
「あとはぶっつけってとこかねぇ?」
「そう言うこった、行くぜ!」
彼らが歩き出す背後でジュディスはクロームがいなくなった先を見返っていた、その瞳には疑念と彼女の正体を見透かそうとしているかの様に…
玉座の背後にある御剣の階梯に続く道はレイヴンが言っていた様に確かに仕掛けが施され、堅く閉ざされていた
【正しきは一から四、前から後ろ、闇から光である
誤りは災いの元……】
その言葉に連動する城内にある月をイメージさせる床画に設置された計四体の女神像の仕掛けを解いて行くと壁画にも変化が起こり、謁見の間へ戻ると仕掛けは解除されていた
仕掛けの先の階段の先には長い螺旋状の坂が待ち構えており、道の終着点には依然として球体状の術式に捕われたアルシアとエステルが捕われ続けている
エステルが捕われた球体は彼らと背を向ける形になっており、表情が見えないがアルシアは青白い顔で気を失っている姿を確認出来た、その口の端には微かに血の跡が
ユーリ達が現れたにも関わらず、アレクセイは動揺もせず、逆に煩わしそうに面持ちを変えた