chapter:49 生憎、シニシズムは生きている
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ユーリの様子が可笑しかったのは下町の彼らがいない事を心配してのものだったらしい、その事を口にしなかったのはアルシアとエステルの救出、そして倒れたカロルという心配事がある仲間への配慮からだった
様子が可笑しかった事を打ち明け、宿屋へと立ち入ると店主が愛想よく自分達を出迎えてきた
「いらっしゃい、ようこそ宿屋デネボラへ。お代は結構でさ」
「へ?なんで?」
「たぶん、うちらがお金を全然持ってないように見えたのじゃ」
「いやそれがね、今、長の家に国のお偉いさんが来てんだけど、そのお達しでさ
金は国が払うから、誰でもただで泊めてやれって」
「避難してきた人たちのためってことかしら」
「状況が状況だけに少々気が退けるけどもおかげでウチは大繁盛さね」
「帝国にしちゃ粋な計らいだな」
「それじゃ部屋なんて空いてないんじゃないの?」
「ちょうどひと部屋ある。運がいいよ、あんたたち」
「ならばその部屋、私が借りてやろう」
話がトントン拍子で決まって行く中で話を聞きつけた帝都から避難してきた貴族の夫婦が割って入ってくる
こちらには一刻も早く休ませたい存在がいる為にレイヴンも横入りは勘弁してくれ、とそれとなく諭そうとするも貴族はどこでも上からの目線を自分達と同じ高さにしようとはしない
「無論ただとは言わん、本来の十倍の額を払ってやるぞ
おまえたちにも同じ金額をやろう、それなら文句なかろう?」
「おいこら……」
「いやー申し訳ない!帳簿よーく見たら、空き部屋は勘違いでしたわ。すんませんね、どーも」
「なんだと!?!?……ええい、これだから田舎は……」
「あなた、さっさとノール港からヘリオードに参りましょ」
「まったくだ、こんな小汚い宿、泊まってやるだけでありがたく思えというに……」
「ノール港には行けないと思うぞー……っと」
金銭で片をつけようとする男に苛立った様子で食いつこうとするユーリの声に店主の明るい声が覆い被り、軽い謝罪を貴族の夫婦に送る
あくまで自分達よりも位が低い店主達にぶつくさ文句を言いながら、外へ出て行く夫婦をレイヴンの言葉が見送り、完全にその姿が見えなくなった所で店主は再度話をやり直す
「さてお待たせしましたね、お客さん。部屋は上がって正面だ」
「はえ?空いてないって……」
「いいのかよ、商売だろ?」
「ああ、いいんだいいんだ。ああいう手合いは鼻持ちならん
それにあんたたち、ハルルの樹を救ってくれた人たちだろ?このくらいのことはさせとくれ、ごゆっくり!」
店主の心意気によって通された部屋の外はいつの間にか夜の暗がりに包まれ、ベッドに寝かされたカロルは深い眠りにつき、疲労の回復に努めている
帝都の情報はハルルに流れ込んだ避難民達を見た事で聞き込まずとも自然と把握する事が出来た
「あの避難民……帝都は大変な状況のようね」
「アレクセイの大将、一体なにをしでかすつもりなんだか」
「……アレクセイは絶対、許せんのじゃ……」
「アレクセイなんてどうでもいい……アルシアとエステルよ、あたしは二人を助けたい」
「そうね、でもそのためにはアレクセイを何とかしないと
それにこのままじゃ無策すぎるわ、またノール港まで飛ばされる訳にはいかないもの」
「「…………」」
今すぐにでも帝都に乗り込み、アルシアとエステルを救出に向かいたい想いが先走っていたユーリとリタはジュディスの正論に黙り込んでしまい、空間は静寂が支配する
熱を出し寝込んでいるカロルを伺うレイヴンはカロルが回復するまでは動けないのだから、この際情報を集めてきたらいいのではとユーリ達へ提案する
何もせずにいるよりはマシと判断し、更に店主から帝都のお偉いさんとやらが長の家にいる事を耳にしていたユーリ達は部屋を出ようとするも微動だにしないレイヴンをユーリは訝しむ
「……おっさん?」
「誰か少年の面倒見るやつがいるっしょ?引き受けるから行っといで」
熱を発するカロルを一人にする訳にも行かず、その言葉に甘え、室内に二人を残し、ユーリ達は長の家へ足を運ぶと丁度家屋からヨーデルが二人の側付きと共に出てくると彼は素早くユーリ達に気付いた
「!……みなさん、無事だったんですね」
「なるほどな、あんただろ?宿屋をタダで解放させたのは」
「なんだね君は、無礼であろう。この方をどなたと……」
ヨーデルに対して敬意を評しない口調のユーリを嗜めようとする側付きの口をヨーデルは閉ざさせると再度ユーリと見向かうと宿屋の無料開放は身一つで逃げ出してきた人々への配慮であり、国の一つの役目からだと応えた
その返答に興味がない様に流すとここに来た理由である帝都の様子を彼へと訪ねるとヨーデルは悲痛な面持ちを俯かせ、何とか言葉を振り絞る
様子が可笑しかった事を打ち明け、宿屋へと立ち入ると店主が愛想よく自分達を出迎えてきた
「いらっしゃい、ようこそ宿屋デネボラへ。お代は結構でさ」
「へ?なんで?」
「たぶん、うちらがお金を全然持ってないように見えたのじゃ」
「いやそれがね、今、長の家に国のお偉いさんが来てんだけど、そのお達しでさ
金は国が払うから、誰でもただで泊めてやれって」
「避難してきた人たちのためってことかしら」
「状況が状況だけに少々気が退けるけどもおかげでウチは大繁盛さね」
「帝国にしちゃ粋な計らいだな」
「それじゃ部屋なんて空いてないんじゃないの?」
「ちょうどひと部屋ある。運がいいよ、あんたたち」
「ならばその部屋、私が借りてやろう」
話がトントン拍子で決まって行く中で話を聞きつけた帝都から避難してきた貴族の夫婦が割って入ってくる
こちらには一刻も早く休ませたい存在がいる為にレイヴンも横入りは勘弁してくれ、とそれとなく諭そうとするも貴族はどこでも上からの目線を自分達と同じ高さにしようとはしない
「無論ただとは言わん、本来の十倍の額を払ってやるぞ
おまえたちにも同じ金額をやろう、それなら文句なかろう?」
「おいこら……」
「いやー申し訳ない!帳簿よーく見たら、空き部屋は勘違いでしたわ。すんませんね、どーも」
「なんだと!?!?……ええい、これだから田舎は……」
「あなた、さっさとノール港からヘリオードに参りましょ」
「まったくだ、こんな小汚い宿、泊まってやるだけでありがたく思えというに……」
「ノール港には行けないと思うぞー……っと」
金銭で片をつけようとする男に苛立った様子で食いつこうとするユーリの声に店主の明るい声が覆い被り、軽い謝罪を貴族の夫婦に送る
あくまで自分達よりも位が低い店主達にぶつくさ文句を言いながら、外へ出て行く夫婦をレイヴンの言葉が見送り、完全にその姿が見えなくなった所で店主は再度話をやり直す
「さてお待たせしましたね、お客さん。部屋は上がって正面だ」
「はえ?空いてないって……」
「いいのかよ、商売だろ?」
「ああ、いいんだいいんだ。ああいう手合いは鼻持ちならん
それにあんたたち、ハルルの樹を救ってくれた人たちだろ?このくらいのことはさせとくれ、ごゆっくり!」
店主の心意気によって通された部屋の外はいつの間にか夜の暗がりに包まれ、ベッドに寝かされたカロルは深い眠りにつき、疲労の回復に努めている
帝都の情報はハルルに流れ込んだ避難民達を見た事で聞き込まずとも自然と把握する事が出来た
「あの避難民……帝都は大変な状況のようね」
「アレクセイの大将、一体なにをしでかすつもりなんだか」
「……アレクセイは絶対、許せんのじゃ……」
「アレクセイなんてどうでもいい……アルシアとエステルよ、あたしは二人を助けたい」
「そうね、でもそのためにはアレクセイを何とかしないと
それにこのままじゃ無策すぎるわ、またノール港まで飛ばされる訳にはいかないもの」
「「…………」」
今すぐにでも帝都に乗り込み、アルシアとエステルを救出に向かいたい想いが先走っていたユーリとリタはジュディスの正論に黙り込んでしまい、空間は静寂が支配する
熱を出し寝込んでいるカロルを伺うレイヴンはカロルが回復するまでは動けないのだから、この際情報を集めてきたらいいのではとユーリ達へ提案する
何もせずにいるよりはマシと判断し、更に店主から帝都のお偉いさんとやらが長の家にいる事を耳にしていたユーリ達は部屋を出ようとするも微動だにしないレイヴンをユーリは訝しむ
「……おっさん?」
「誰か少年の面倒見るやつがいるっしょ?引き受けるから行っといで」
熱を発するカロルを一人にする訳にも行かず、その言葉に甘え、室内に二人を残し、ユーリ達は長の家へ足を運ぶと丁度家屋からヨーデルが二人の側付きと共に出てくると彼は素早くユーリ達に気付いた
「!……みなさん、無事だったんですね」
「なるほどな、あんただろ?宿屋をタダで解放させたのは」
「なんだね君は、無礼であろう。この方をどなたと……」
ヨーデルに対して敬意を評しない口調のユーリを嗜めようとする側付きの口をヨーデルは閉ざさせると再度ユーリと見向かうと宿屋の無料開放は身一つで逃げ出してきた人々への配慮であり、国の一つの役目からだと応えた
その返答に興味がない様に流すとここに来た理由である帝都の様子を彼へと訪ねるとヨーデルは悲痛な面持ちを俯かせ、何とか言葉を振り絞る