chapter:48 勇気は救いとなり、少年の手に
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「うわ、ユ、ユーリ!?」
「くっ……!」
「……まさかエアルクレーネを狩りに使う魔物がいるなんて」
「うちとしたことが……こんなの、知らんかったのじゃ……」
「カロル、逃げろ!」
「そ、そんな!みんな食べられちゃうよ!」
「一人で勝てる相手じゃねぇだろうが!」
「でも!! ひっ……!!」
振り絞られた声に狼狽えていたカロルに気付いたバイトジョーは彼の方へ飛行し、より遠くへと追い立てると再びユーリ達の元へ戻り、尚エアルクレーネの活動を活発化させていく
だがその背後には己の武器を手に持ったカロルは仲間達を助けようと力を抜けば、今にも崩れ落ちそうな足を、勇気を奮い立たせていた
「ボクがやらなきゃ……今やらなきゃ……」
「カロル!!」
「今やらなくていつやるんだぁ!!」
武器を掲げたカロルの声に反応したバイトジョーが振り向き、カロルは果敢に魔物へと駆け出した
「やあああ!! 鬼神千裂ノック!」
白球をバイトジョー目掛けて打ち出すもそれを悠々と回避したバイトジョーの周りにエアルが収集し術式が構築され、カロルの足下から氷塊が飛び出す
それを回避する為に後ろへと飛び退いたカロルは転倒してしまい、氷塊が砕けると同時にバイトジョーも彼を見下す
「ち、ちょっと油断したかな…剛招ビート!風風レボリューション!!」
真上に飛び上がり、バイトジョー目掛けてハンマーと共に縦回転の攻撃を仕掛けたカロルが地面に着地すると同時にバイトジョーは地面に潜り、背ビレでその体を吹き飛ばす
攻撃を受け続けるカロルは蓄積されたダメージに体をふらつかせるもハンマーを握る手も、その場に立つ足の力も緩めなかった
「み、みんなを守るんだ。逃げるもんか……!」
再びバイトジョーに立ち向かって行くもカロルの手からハンマーが空中へと飛び立ってしまう、戦う術を失ってしまったカロルはボロボロになりながらもユーリ達を気遣う
その姿に溜まらずジュディスとユーリが逃げる様に、戦う事を止める様に訴えの叫びを上げた
「カロル!もう無茶はやめなさい!」
「見てられねぇ!頼むから逃げろ!」
「それ以上やったら、死んでしまうのじゃ……!」
「だ、大丈夫だから……」
「大丈夫なわけないじゃない!」
「大丈夫なんだよ。だって、みんながいるもん」
「カロル……おまえ……」
「ボクの後ろにはみんながいるから
ボクがどんだけやられてもボクには負けはないんだ」
「動けよ、くそ!このままじゃガキんちょが……」
出会った当初は彼は魔物から、自分を蝕む危機から逃げる様な臆病な少年だった、その少年が今はこうして仲間を守る為に、仲間に背を託し戦場に立っていた
少年の目の前にはバイトジョー、そして一本の大剣、一瞬の思考の中ではじき出した考えに従う為にカロルはその大剣へと駆け出し、バイトジョーはそれを阻止する形でカロルへと特攻する
ユーリ達の目の前で大剣の柄にカロルの手が触れた瞬間と同じくしてバイトジョーがその小さな体を空へと弾き飛ばした
「カロル!!」
「!……あの子」
弾き飛ばされながらもカロルは空中で体勢を立て直すと大剣の切っ先を無防備なバイトジョーの体に定め、重力を味方につけた
「ボクの勝ちだ!!」
大剣の切っ先はバイトジョーの角を傷付け、その弾みでエアルクレーネの活動は止まる、それは仲間を守り続けたカロルの意志と勇気が報われた瞬間であった
自由になったユーリ達は直ぐさまにカロルへと駆けつけ、彼を守る様に、今度は自分達がカロルに報いる番だとバイトジョーの前に立ち塞がる
「まったくとんでもないことする少年だねえ、生きてるかぁ?」
「みんな!」
「悪ぃ、ちょっと道が混んでてな。いけるか?」
「も、もちろんだよ!」
「よし、食らった分、倍返しにしてやろうぜ!」
勇気は救いとなり、少年の手に
(その直心、救いの剣)