chapter:48 勇気は救いとなり、少年の手に
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ノール港ではザーフィアス方面の空の異変に気付いた者達が肩を寄せ合い、不安げにざわめいていた
何が起こっているのか、天変地異の前触れなのか…多くの憶測が飛び交う中で満身創痍のユーリ達が港へ立ち入り、その声を耳にした
「大変な騒ぎね、無理もないけれど」
「帝都の方も大騒ぎだろうな」
「あんたら、どっから来たんだ?なんか聞いたりしてないか?」
「いや、オレたちは……」
「あんたたち、どうしてここに」
港外から訪れたユーリ達へと人込みの中から男性が駆け寄り、何か聞かなかったのかと声をかけてきた
それに答えを持ち合わせておらず、口籠るユーリ達にヘリオードでキュモールによって強制労働を強いられていたティグルが現れ、彼らの満身創痍っぷりに目を見開いた
「ひどい有様じゃないか!何があったんだ?」
「あんたか、ちょっと色々あってな。いい医者を知らないか?」
「ああ、知らないことはないが……」
「んじゃ悪いけども宿屋まで連れてきてくんない?俺ら、もう歩くのもくたびれて……」
「わかった、待っててくれ」
ティグルに医者の手配を任せ、ユーリ達は最初の男にそこそこの言葉を交わし、宿屋で一室を取り、程なくして現れた医者の手当を受けた
「……どうもありがとうございました、先生」
診察と治療を終えた医者は一つ頭を下げると部屋を後にし、医者を手配したティグルはこれまたヘリオードに仮移住していた自分の妻と子供も連れてきていた
「助かったよ、ヘリオードから戻ってきてたんだな」
「はい、あの時はお世話になりました。あら、あなたもこの方たちと一緒に?」
「のじゃ」
「なんだ?知ってるのか?」
「ポリーを送り届けた時に一宿一飯のご恩なのじゃ」
「ああ……ラゴウの屋敷を出た後な……」
「ノールも執政官が代わったおかげで前よりは随分と暮らしやすくなったと思ってたのに、今度はあの空だ」
どうやらティグルの後に話を続けたポリーの話によると自分達がここに来る少し前に巨大な音がこの近辺に響き、微かな地震が襲ったという、それはきっとヘラクレスから放たれた主砲の所為だろう
その事を知らないノール港の役人達はそちらの方面へと何があったのか知る為に様子見に出向いているという事だった
ふとユーリ達を見渡していたポリーはきょとり、とした様子で純粋に、だが今の彼らには鋭い問いかけを投げかけてきた
「ねえねえ、あのお姉ちゃんたちは?いないの?」
「!」
「そういえばあの子たちならあんたたちの怪我も治せるだろうに、どうしたんだ?」
アルシア達がいない理由を言えずに口を噤んでしまうユーリ達に代わり、彼女達がいない状況を作った彼が代弁する、自身を嘲笑いながら
「……ある馬鹿野郎がさぁ、悪い奴に渡しちまってね。それで今、追いかけてんのよ」
「……」
「そうか……悪いこと聞いたみたいだな」
「ごめんなさいね、今日はちょっとお休みなの」
「ええー、そうなんだ……」
「大丈夫よ、今度また来る時はちゃんと一緒にいるから」
「本当!?よかった!」
「とにかく今はゆっくりやすむといいよ」
ベッドに座っていた腰を上げたジュディスの言葉に心底残念そうに俯くポリーに寝ていたと思われたリタも体を起こし、ポリーを励ます言葉を送る
彼女の言葉に先程の様子から一変、嬉しそうに両腕を上げ、その場で跳ねるのをティグルが宥めたのを皮切りにユーリは状況を知る為にラピードと共に宿屋を出た
空を見上げる彼の脳裏に浮かぶのは大量の暴走したエアルが行き着く先にいる彼女、その彼女が放った言葉だった
―ユーリ……お願い、私を……―――殺して…
「簡単に自分の命を蔑ろにしやがって…」
摩擦していく彼女の心の中で唯一残った想いの言葉は今も尚自分の胸を貫き続けるものでユーリは苛立った様子で眉を潜めた
そんな彼の視界に新しい執政官らしき人物へと秘書の様相をした男が焦燥の声色で状況を説明していたが、焦っている為か会話の内容は筒抜けだった
何が起こっているのか、天変地異の前触れなのか…多くの憶測が飛び交う中で満身創痍のユーリ達が港へ立ち入り、その声を耳にした
「大変な騒ぎね、無理もないけれど」
「帝都の方も大騒ぎだろうな」
「あんたら、どっから来たんだ?なんか聞いたりしてないか?」
「いや、オレたちは……」
「あんたたち、どうしてここに」
港外から訪れたユーリ達へと人込みの中から男性が駆け寄り、何か聞かなかったのかと声をかけてきた
それに答えを持ち合わせておらず、口籠るユーリ達にヘリオードでキュモールによって強制労働を強いられていたティグルが現れ、彼らの満身創痍っぷりに目を見開いた
「ひどい有様じゃないか!何があったんだ?」
「あんたか、ちょっと色々あってな。いい医者を知らないか?」
「ああ、知らないことはないが……」
「んじゃ悪いけども宿屋まで連れてきてくんない?俺ら、もう歩くのもくたびれて……」
「わかった、待っててくれ」
ティグルに医者の手配を任せ、ユーリ達は最初の男にそこそこの言葉を交わし、宿屋で一室を取り、程なくして現れた医者の手当を受けた
「……どうもありがとうございました、先生」
診察と治療を終えた医者は一つ頭を下げると部屋を後にし、医者を手配したティグルはこれまたヘリオードに仮移住していた自分の妻と子供も連れてきていた
「助かったよ、ヘリオードから戻ってきてたんだな」
「はい、あの時はお世話になりました。あら、あなたもこの方たちと一緒に?」
「のじゃ」
「なんだ?知ってるのか?」
「ポリーを送り届けた時に一宿一飯のご恩なのじゃ」
「ああ……ラゴウの屋敷を出た後な……」
「ノールも執政官が代わったおかげで前よりは随分と暮らしやすくなったと思ってたのに、今度はあの空だ」
どうやらティグルの後に話を続けたポリーの話によると自分達がここに来る少し前に巨大な音がこの近辺に響き、微かな地震が襲ったという、それはきっとヘラクレスから放たれた主砲の所為だろう
その事を知らないノール港の役人達はそちらの方面へと何があったのか知る為に様子見に出向いているという事だった
ふとユーリ達を見渡していたポリーはきょとり、とした様子で純粋に、だが今の彼らには鋭い問いかけを投げかけてきた
「ねえねえ、あのお姉ちゃんたちは?いないの?」
「!」
「そういえばあの子たちならあんたたちの怪我も治せるだろうに、どうしたんだ?」
アルシア達がいない理由を言えずに口を噤んでしまうユーリ達に代わり、彼女達がいない状況を作った彼が代弁する、自身を嘲笑いながら
「……ある馬鹿野郎がさぁ、悪い奴に渡しちまってね。それで今、追いかけてんのよ」
「……」
「そうか……悪いこと聞いたみたいだな」
「ごめんなさいね、今日はちょっとお休みなの」
「ええー、そうなんだ……」
「大丈夫よ、今度また来る時はちゃんと一緒にいるから」
「本当!?よかった!」
「とにかく今はゆっくりやすむといいよ」
ベッドに座っていた腰を上げたジュディスの言葉に心底残念そうに俯くポリーに寝ていたと思われたリタも体を起こし、ポリーを励ます言葉を送る
彼女の言葉に先程の様子から一変、嬉しそうに両腕を上げ、その場で跳ねるのをティグルが宥めたのを皮切りにユーリは状況を知る為にラピードと共に宿屋を出た
空を見上げる彼の脳裏に浮かぶのは大量の暴走したエアルが行き着く先にいる彼女、その彼女が放った言葉だった
―ユーリ……お願い、私を……―――殺して…
「簡単に自分の命を蔑ろにしやがって…」
摩擦していく彼女の心の中で唯一残った想いの言葉は今も尚自分の胸を貫き続けるものでユーリは苛立った様子で眉を潜めた
そんな彼の視界に新しい執政官らしき人物へと秘書の様相をした男が焦燥の声色で状況を説明していたが、焦っている為か会話の内容は筒抜けだった