chapter:45 眠る前の独りの涙
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「穢れなき汝の清浄を彼の者に与えん…スプラッシュ!」
「ぐぅお!見事……!」
「嵐月!月光!ふっ!あなた…まさかここで死ぬつもりなのかしら?」
「戦場ではいつだって死ぬ覚悟。故に手は抜かぬ!さよならだ」
「出でよ、神聖なる眷属…ルミナンサイス!」
「クランキーボム!リスキーベッド!うちらのことが、嫌いになったのか?」
「好きも嫌いもない、俺は命令に従うのみ」
「そうかよ…なら飛ばしていきますか!腹ぁ括れよ!天狼滅牙!これで決める!
閃け、鮮烈なる刃!無辺の闇を鋭く切り裂き、仇為すモノを微塵に砕く!決まった!漸毅狼影陣!」
「ようやく、か…」
宙の戒典から伝わる力を受け取り、ユーリはシュヴァーンの懐に飛び込み、四方八方から彼を容赦なく切り刻むとシュヴァーンはその場に膝をつく
お互いに満身創痍だと言うのにシュヴァーンは着いていた膝を上げるとユーリと再び剣を交わし始める、だが不意に彼は微笑み、剣を持つ手を緩める
それを見ていたというのに一度振りかぶった手は止まらず、そのまま宙の戒典は戦意を失った彼を一閃
「ぐぅ」
「なっ!」
「これは!?」
切り裂かれた部位から露になったのは心臓部位で赤々と輝く魔導器、先程の奥の手はこの魔導器から放たれたものであったのだろう
「ふ……今の一撃でもまだ死なないとは……因果な体だ……」
「な、なによ、これ魔導器……胸に埋め込んであるの!?」
「……心臓ね、魔導器が代わりを果たしてる」
「……自前のは10年前になくした」
「10年前って……人魔戦争?」
彼は10年前のその戦争で死んだが、アレクセイが彼の心臓に魔導器を納めた事により生き返らせたという
アレクセイが持っていたという事は彼の魔導器もヘルメス式、だがバウルがそれに気付かなかった事をジュディスは不振に思っているとシュヴァーンがそれに答える
「多分、こいつがエアルの代わりに俺の生命力で動いているからだろう」
「……生命力で動く魔導器、そんな……」
少なからずショックをリタが隠しきれずにいると神殿全体が再び揺れ始め、入り口が今の振動で崩れた瓦礫によって塞がれ、ユーリ達はこの場に閉じ込められてしまった
「大変じゃ!閉じ込められたのじゃ!」
「……アレクセイだな、生き埋めにするつもりだ」
「馬鹿な、あなたがいるのに」
「今や不要になったその剣さえ始末できればいい、そう言うことだろう」
「それでアルシアとエステル使って、デュークを誘き寄せたって訳か
つくづくえげつない野郎だぜ」
「ちょっと、おっさん!なんでそんなに落ち着いてんのよ!」
「俺にとってはようやく訪れた終わりだ」
「初めから……ここを生きて出るつもりがなかったのね」
「シュヴァーン隊長……」
最初からここで最期を迎えようという意志を秘め、生きようという意志を失いうなだれ、座り込んだままのシュヴァーンの肩をユーリは激しく揺らし、声を荒げる
「一人で勝手に終わった気になってんじゃねぇ!オレたちとの旅が全部芝居だったとしてもだ
ドンが死んだときの怒り、あれも演技だってのか?最後までケツ持つのがギルド流……ドンの意志じゃねぇのか!最後までしゃんと生きやがれ!」
「……ホント、容赦ねえあんちゃんだねえ」
シュヴァーン、自分達が知るレイヴンの口調となるといつもの変形弓を取り出し、塞がっていた入り口目掛けて放ち、退路を確保する
そこに追い打ちをかける様に神殿が振動するとユーリ達がいる天井が崩れ落ちる
…その崩れ落ちてきた天井は自身の魔導器、生命力を最大限に使い、尚かつ頭から血を流すレイヴンが支えていた
「レイヴン!?」
「ちょっと!生命力の落ちてるあんたが今、魔導器でそんな事したら!」
彼の行動に驚き、声を荒げる彼らにレイヴンは微笑むと長くは保たない事を告げ、早く脱出する様に促す
「おっさん!」
「シュヴァーン隊長!」
「アレクセイは帝都に向かった。そこで計画を最終段階に進めるつもりだ
あとは……おまえたち次第だ」
「レイヴン!レイヴン!!」
「……行くぞ、カロル」
「でも!」
「行くんだ!」
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