chapter:77 星の受け皿は白く艶やかに
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「精霊…?愚かな!始祖の隷長たちも、どうしてそんな不確実な話に乗った!?」
「不確実なんかじゃない、現に始祖の隷長を精霊化することが出来た!」
「決して非現実的なことじゃありません!」
「みんなで願えば、理想は形になる…」
「世界の変化を拒まないでください!」
「世界はあるべき形になろうとしてるのよ!」
その先駆けが始祖の隸長による精霊への羽化だったとアルシア達は信じている
彼が身を寄せてきた彼らでさえも、古き掟という殻を脱ぎ捨て、世界の変化を受け入れた
「あんたは思い出に縋ってるだけだ!」
「彼との思い出があなたを縛っている…可哀想な人」
「これは世界のみんなが、お互いのためを想って出した結論なんだ!だから邪魔しないで!」
「このままじゃ、世界が変化してもあなた一人が過去に取り残される……私はそんなこと、させたくない!」
「私一人が頑迷だというのか…!?いや間違ってなどいない、私は全力でお前らの思惑、排除する!」
あくまで今、そして過去の世界を守る最後の砦となろうとするデューク、その行動こそが過去に縛られているとも気付かずに
刹那に過った迷いを振り払う様に彼の姿は瞬く間にアルシア達の前から掻き消える、と思えば、背後より旋風にも似た攻撃が不意をつく
「強い…っ」
「古の威におののけ!天牙竜昇!」
「そらっ!天誅!」
「甘い!」
エステルが攻撃に巻き取られている隙にと、彼女を助ける名目を宿したレイヴンの矢がデューク目掛けて空を斬る
だが彼の視野は満遍なく、この空間を支配しているのか何なく自身に迫る矢を剣技で薙ぎ払ってしまう
「臥龍アッパー!落破ブーイングダンス!鬼神超重バスター!! 負けられないんだ、絶対!」
「壮麗たる御遣い達の歌声よ、戦士達の刃に更なる恩恵を…ホーリーソング!」
「わたしも……!我を取り巻く六つの星よ、万物を阻む光の盾となれ…バリアブルヘキサ!」
レイヴンにより放たれた矢にデュークが意識を反らされている間に接近したカロルの技が戦い始めて漸く拘束の効果を示した
続けとばかりにフレン、ユーリもそこへ駆けつけ、剣技を振るう
「瞬迅剣!散沙雨!魔皇刃!紅蓮剣!!」
「甘いのはどっちだろうな!閃牙!斬!成敗!絶風!」
「っ私を凌駕するか…」
疾風へと姿を変えた剣閃に吹き抜かれ、デュークの体が一瞬地面となっている術式へと叩き付けられる
どうやら先程の戦いでのダメージは引き継がれている様に見える体を逃がすかと、彼が立ち上がるタイミングと同時にそれは起こった
「アイアム、伝説のギャンブラー!カードザギャンブル!」
この場に不釣り合いな程に明るく弾ける声から配られたカードはそのまま、デュークを更にその場に留める鎖となる筈だった
フルハウスを決めたカードが振り分けられた場には彼の姿はなく、アルシア達から一番距離を離した地点へと逃亡を許してしまっていた
「干渉を許さぬ時の王、七色の振り子が凌駕す…」
「間に合わない!」
「ストップフロゥ!」
仲間の内で誰かがそう悲痛に叫んだ通りにデュークの詠唱を止められる者は誰一つ間に合わず、アルシア達の体感時間は時を止める
そこから一体何分、否何秒が経ったか分からない頃に術は効果を失い――仲間の内、何人かが地に伏せていた
「っ、皆…!」
「てめぇっ…!」
「さっきまでのは小手調べだったってわけね…」
「この状況、どこまでやれるか…!」
地面に伏せている中にはエステルも含まれている、彼女がパーティ内での回復役なのがばれていた様で集中攻撃を受けたのだろう
直ぐさまにでも倒れたメンバーを起こしたい所であったが、今はそれよりも前衛陣の体力、傷を癒さなければならない、エステルがこの攻撃を回避していたらそう言う筈だ
「愛してるぜぇ!」
「活心もたらす妖精の加護を我らに授け給え…フェアリーサークル!」
「貪欲な暗塊ここに下り、邪を打ち砕かん…ヴァイオレントペイン!」
レイヴン、そしてアルシアの治癒術が続けざまに決まった事で前衛を駈けるユーリ達の体力は満タンに近い状態に持ち直す
二人の横に共に並んでいたリタの魔術が何度目かのチャンスタイムを齎し、どうにかここで体力を削りたいユーリ達とそれを回避しようとするデュークの剣技が一歩も退かぬ状態を作る
「目障りだ!」
「く…っ、まだまだ!魔神剣!爪竜連牙斬!獅子戦吼!!」
「はぁっ!幻狼斬!哭空紅蓮撃!!」
「避けられぬぞ!」
「今のは効いたわ…」
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