chapter:76 どんな終焉なら受け入れるというの
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「オレ達が星喰みを倒す、邪魔しないでくれ!」
「世界は過去の過ちを繰り返すまいと魔導器を放棄することを決めて、私たちを送り出してくれた!」
「これはわたし達だけが選んだ道じゃない!」
「始祖の隷長もクリティアも同じ道を選んだの!」
戦いの火蓋は切って落とされたものの、双方に動く気配はない
尚もデュークに納得してもらおうとアルシア達は説得の言葉を投げかける、それを聞くデュークは沈黙を貫く
「私がそれに賛同する道理はない」
「この石頭っ!どうして、どうしてわからないのよ!?」
魔導器を捨て、世界を生まれ変わる事を選んだ事は決して自分達だけのひとりよがりではない
それは決してデュークにとっても不都合な話ではない筈だ、魔導器に依存する世界を憂いていた彼にとっても――だというのに彼は退こうとはしなかった
自然をあるべきものに還そうとするデュークにとっては人という存在は破滅そのものであり、それらがのさばる時代を延長させようとするアルシア達と手を取り合うつもりはないのだろう
「これは人と始祖の隷長が新しい道を歩むための選択だ」
「そこに新たな希望がある。僕は、それを確信している!」
「あなたがその芽を摘むというのなら、私は…!」
腰に指してあった双子星の名を授かった双剣をアルシアは仲間の誰よりも早く抜き、デュークへと構える
誰よりも彼と戦う事を避けて考えてきた彼女が対話の内に気付いてしまったのだ、世界を守ろうとする意志は同じながら、未来を目指す者としながら――彼は過去に固執し切っていると
確かにあらゆるものが自然の営みを育んでいた世界は進化への刺激もなく、停滞した箱庭の変わらぬ平穏はぬるま湯の様に居心地の良かった事だろう
「うちらは成し遂げる…希望のために」
「ボクたちが新しい未来を切り開こうとしているのは、悲しい過去を繰り返さないためでもあるのに!」
「きかねえなっと!」
沈黙を貫き、場に留まっていた筈のデュークは宙の戒典を従わせ、ユーリへと人魔戦争を勝利に導いた剣技を披露する
迫り合う二対の刀身から熱を持った火花が音を伴って発する、それは勝手な理屈で自分達の行動を正当化しようとする人々へのデュークの怒りを現す様に
「きっと始祖の隷長はその選択を後悔する!人もまた、死んでいた方がよかったと思うだろう!」
「閃空裂破!」
ユーリに完全に意識を向けているだろうと思っていたデューク、だがアルシアから放たれた攻撃は手応えなく無意味なものとして空振る
違う場へ転移し、こちらを見据えるその視線の主の言葉へアルシアもまた怒りを覚えていた
こちらの話もまともに聞かず、あたかも自分達がそうなると決定づける口ぶりが
そして同時に世界の安寧が過去にしかないと決めつけ、誰よりも世界が変わる事に対して否定し、縛り付けられている彼を解放したいとも剣を握る手に篭る
「私たちの意志や精霊達の意志を決めつけないで!
自分達で選んだ道……それを決して、私達自身の手で間違いだったなんて思ったりしない!」
「死んだ方がいいってこたぁないんだけどねぇ、実際!」
「わたしは後悔しない…後悔させないっ!」
死んでしまえば、どう足掻こうがそこで終わりなのだ、生きている者に力を貸す事も出来ずに全てを押しつけてしまう――ゲライオス文明の彼らが星喰みを今の時代に先伸ばした様に
この選択をした時点でアルシア達は後悔する事を止め、ただ未来を見据え、この選択に賛同してくれた人々を後悔させまいと世界をより良いものにすると決めた
「オレたちの決意はそんな生半可なモンじゃねえよ」
「必要があれば、命を懸けても戦うでしょうね」
「あなたが壊そうとする世界にはそれだけの価値がある、世界はまだ捨てたものじゃない!」
「ボクたちは未来へこの想いを伝えるため、この先も旅を続けるんだ!」
「愚者の結論だ。もはや話の余地なし!退け!」
話の途中から薄々勘づいてはいた、どう言葉を繕っても、どんなに手を差し伸べてもこれが人の手である限り、デュークはこちら側を受け入れないだろうと
アルシア達の間合いに一瞬の内に踏み込んだデュークの動きに組み込まれた剣技がアルシア達へと襲いかかる
「そりゃ残念なコトで!」
「ポン、チー、カン、ロン、ツモ!ジャンパイ!」
「させぬ!」
騒々しい音を打ち鳴らしながら、麻雀牌がデュークが展開する防御壁を抉じ開けようと降り注ぐ
「虎牙破斬!紅蓮剣!!」
「甘い!」
「っ流石、やるね…!」
亀裂が入っていた防御壁を抉じ開けられたデュークの体がフレンの剣技により、空へ運ばれ、動きを封じられたと思われたが、彼は体勢を翻し、フレンへとカウンターを放った
自分達がやるべき事に対してそびえ立つ最後の壁としては申し分ない力、これしきを乗り越えなければ、星喰みには到底叶いもしないだろう
「勝負を決めるしかないか」
「私たちのやり方は……互いに相反してしまうのね」
「おまえとも分かり合えればよかったんじゃがの」
「私達ではあなたを変えることは出来ないのかしら」
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