chapter:58 拾い上げたのは小さな可能性
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「ちょっ、あんた達……どうやって……っていうか」
「よう」
「リタ、やっと気付いてくれたね」
軽い様子で手を挙げて会釈するユーリと背後のエステルと顔を合わせるアルシア達がずっと前からここにいた事に漸く気付き、顔を赤らめさせたリタは照れ隠しに声を荒げ始める
「この忙しい時にどこ行ってたのよ!だいたいあんだけ探して見つからなかったのに……」
「いやまあ悪かったよ」
「心配させたり、迷惑かけてごめんね…?」
「……たく、まあいいわ。それどころじゃないし、アルシアとエステルに大事な話があるの」
「アルシアとエステルに?」
「大事な話って?」
「……エアルを抑制する方法が見つかったかもしれないの」
「本当!?すごいです、リタ!」
ジュディスと共にザウデを調べている間に色々な事が分かり、そこで使われてた術技を応用すれば、エアルを抑制出来る可能性が出来たのだと
そこまで言い、リタは歯切れ悪そうにその次の言葉を続けるのを渋っていた為にその代行者としてジュディスが口を開く
「それがアルシアとエステルの……陽月の子と満月の子の力と関係してる、ということかしら?」
神妙な面持ちでジュディスの言葉をリタは肯定する
「エアルに干渉して自在に術式の組み替えを行う必要がある……二人にしかできないことなの」
「デュークに宙の戒典、返さなきゃよかったか」
「デュークに会ったんです?」
「ああ、あいつがオレ達を助けてくれたんだ。剣を回収するためって言ってたけどな」
「あの剣と満月の子と陽月の子は違う。多分、代わりにはならないわ」
「けれど、前にエステルに施した抑制術式……あれは満月の子の力を抑えるためのものでしょう?」
リタの理論には折角抑制した二人の力が必要不可欠の様だ
それを提唱した本人は自分の理論でエアルを制御するのなら、アルシアとエステルの術式を解除する必要があると言う、それはつまりとユーリが悟る
「つまり……上手くいけば、エアルは制御できるが下手すりゃエアルはより乱れて、アルシアの負担となって世界は星喰みのものになる。そういうことか」
「大胆な計画ね」
「状況を打破する考えは浅瀬のミズクラゲよりも常に大胆なものなのじゃ」
「パティ、その例え、ちょっと意味が……」
「……いや……よくわかんないけど、まあ、ともかく
きっとうまくいく。だからアルシア、エステル、あたしを信じて力を貸して」
自分達とは離れた場所でラピードと戯れるパティの言葉に気を抜かれながらもリタは真剣な眼差しで二人を見つめる
「……」
「怖いのかしら?」
「ううん、うれしいんです。まだ自分の力が役に立つかもしれないなんて
リタ、わたしに出来ることなら何でもいってください」
胸元に両手を当て、喜んで自分の力を貸すと微笑むエステルの隣でアルシアは物思いに耽っている様子
本来ならば長くアレクセイに捕われたままの彼女に力をもう一度使わせたくないが、アルシアの力はどうしても必要なのだ
「……アルシアは?」
「……正直まだ自分の力は怖い、でも……リタを信じたいな」
だからリタを信じて自分の力を使う、と彼女は朗らかに微笑んだ
「で、具体的にどうするんだ?」
「まだ完全な方法までできあがってないの、もうちょっと時間をちょうだい」
「んじゃあ、リタが考えてる間にオレたちはカロルたち迎えにいくか」
「はい!」
「あたしも行く。資料なら全部頭に入ってるし考えまとまったら説明するわ」
「確かカロルとおじ様はダングレストだったよね」
「よし、じゃあ行くのじゃ」
リタにエアルの制御方法を考えてもらいながら、仲間を迎えに行く為に再びフィエルティア号に乗り込み、飛び立った
拾い上げたのは小さな可能性
(それはまだ弱い光だけど、唯一の希望)