chapter:69 荒野の果てに耀う光は三つに連なって
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「聖なる槍よ、敵を貫け!ホーリィランス!」
「減る所か増えてきてんなっと!三散華!蒼破牙王撃!爪竜連牙!はぁっ!」
ふとアルシアは自分の前で剣を振るうユーリとフレンに眼を凝らす、彼らの体にはこの戦いで出来た小さな傷があちこちに確認出来た、それはアルシア自身やラピードも同様に
その傷が深くなる前に、幸いにも魔物の数が少ない今を見計らい、この間にとアルシアは術式を展開する
「今の内に回復するから!」
「おう、頼むぜ!」
アルシアからの呼び掛けに彼女が詠唱体勢に入った事を知り、無防備な彼女を触れさすまいとユーリとフレンは集まり出した魔物へと動く余地も与えぬ程の攻撃を放つ
「恒久なる彼方より現れ、闇を滅せよ!ディバインストリーク!」
「幻狼斬!哭空裂蹴撃!断空牙!! っうぉ!しまった…!」
空中から着地する際に魔物に迎え撃たれたユーリの剣が止まった事により、魔物は背後に控えていたアルシアへと突進じみた速度で向かっていく
板挟み状態の位置にいる魔物を切り離すものの、自分も他に相対する魔物がいるフレンも彼女へ駆けつける事は出来ない、彼女自身も術式構築まで持っていけずにいる
目前に迫り来る魔物に詠唱は諦めるべきかと判断し、手に持っていたジェミニで迎え撃とうとアルシアが動こうとした瞬間、閃光が飛び込み、魔物が竜巻に飲み込まれた
「ワウッ!」
「ラピード!」
「バウ、ガウガウ!」
アルシアの前に飛び出したラピードがどうやら詠唱中の彼女を助けた様だった、だがどうした事か魔物を倒したと言うのにラピードは険しい表情でユーリとフレンに何やら訴えかけている
何を言っているのだろうと首を傾げるアルシアとは違い、長年連れ添ってきたユーリには彼が言いたい事を何となく察する、どうやらラピードはアルシアを守れなかった自分達を非難している様だ
「悪ぃ悪ぃ。ラピード」
「助かったよ、ラピード」
「ラピード、ありがとう。お待たせ!痛み拭う守護陣、展開せよ…ヒールストリーム!」
「さあ、後もう一息だ!」
ラピードのおかげで無事に術式構築を完遂したアルシアの治癒魔術により、フレンとユーリの今までの傷も癒え、魔物の数も減少傾向を見せてきた
文字通りの後一息の場所まで来たという事でラストスパートがアルシア達を駆り立てる
「鋭招来!閃空裂破!飛び立て!爆雷陣!!」
「光翔翼!虎牙破斬!そこぉっ!」
「壮麗たる御遣い達の歌声よ、戦士達の刃に更なる恩恵を…ホーリーソング!」
ラストスパートの底上げとして、ここぞとばかりにアルシアの補助術が目覚ましい働きを見せる
「飛ばしていきますか!焼き尽くす!円閃牙!まだまだぁ!天狼滅牙・飛炎!ぶっ飛べ!」
「聖なる活力、来い!ファーストエイド!アルシア、大丈夫かい」
「ん、平気!これで…!雷帝仕る軍旗、悪しき蛮行へ降落す正義の鋭鋒となれ!レインミーティア!」
アルシアの全体攻撃に部類される魔術が周囲を囲っていた魔物達を排除するとぽっかりと大きな穴が穿たれ、魔物達が自分達を避けている様にも思えた
自分達をあちらから避けて来るのであれば、態々追いかける事もないだろう、いつの間にか腫れた土煙は自分達の目的地に近付いた証だった
「そろそろ群れの中心だ!」
「まだ戦いたりねぇけどな!」
「うん、ちょっとだけもの足りない感じ?」
「フッ、こんな時だというのに君やアルシアは楽しそうだな」
「ヘッ、おまえこそ」
お互いに違う性質だからこそ、相手を補い合う事が出来るのだろう、この作戦に出る前に落ち込んでいたフレンをユーリが刺激を与え、ここまで引っ張った様に
戦いの最中の茶化し合い、今の皮肉の言い合いも裏を返せば、信頼関係が出来ているからこそ出来ること、二人の会話に二人の間を繋ぐ絆をアルシアは目の当たりにしていた
「ワンワン!」
魔物が溢れる群れの中心とおぼしき場所へ到着した事をラピードに知らされ、会話をしていたアルシア達は立ち止まる
今も尚、暴走する魔物達に場を乱されてきたが今まで好き勝手されてきた分、報いも十分に受けて貰わなければならない
「さぁ!ユーリ!」
「やっちゃって!」
「おう!」
目の前の何も知らない魔物の群れに眼をやりながら、託された明星壱号を取り出し、ユーリはそれを展開する
「くらいな!」
明星壱号を地面に突き刺した瞬間、その起動が果される
対星喰み用の凄まじい力を光として現しながら、結界状のフィールドが魔物を次々に弾き飛ばしていく、気付いた時にはあれ程に手こずった群れの姿は一掃されていたのだった
荒野の果てに耀う光は三つに連なって
(それは超新星爆発の様に、)